コラム - 組織のルール

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組織のルール

ダメな組織には問題がない・・

人間関係に問題がある、

家庭環境に問題がある、

財務的に問題がある、

営業力に問題がある、


「問題がある」というのは、一般的に言えば、
あまり聞こえが良いものではありません。


そりゃあ、問題なんて、あるよりない方がいい。


ですから、会社によっては、

「お客様アンケートを取って、
お客様の声をまず聞きましょう」

と私が提案をすると

「下手にアンケートを取って、
いろいろネガティブな声がスタッフに入ると、
スタッフのモチベーションを下げてしまうので、
アンケートは、あまり取りたくないですね」

というところもあったりします。



しかし、企業にとって、
問題がないのは“良いこと”なのでしょうか?


元トヨタ自動車社長の張富士夫氏曰く、

『現場は何が起こるか分かりません。

僕は、何百、何千という現場を見ていますけど、
何も起こらない現場は一つもない。

何も起こらないということは
隠しているに決まっている』。

(「トヨタは、どう勝ち残るか」大和書房 桑原晃弥著より)


問題はあって当たり前、
ないというなら、それは隠しているだけ、

これは組織のリーダーであれば、
しっかりと記憶しておかなければならない
一文だと思います。


“問題を隠している”の言葉の中には、

「問題を見ないようにしている」、

「問題に気づかないふりをしている」

という意味も含まれていると思います。


では、なぜ、人は、

問題を「隠す」、「見ない」、「気づかないふり」

をしてしまうのでしょうか?


問題はあって当たり前と考える組織と
「隠す」・「見ない」・「気づかない」組織と
何が違うのでしょう?


それは、

「リーダーの問題解決力があるか、ないか」

だと考えています。


問題解決力のあるリーダーの組織であれば、

「問題はあって当たり前、どんどん炙り出して、
解決していこう。

その問題解決が組織力を高める」

となります。


が、逆に問題解決力がないリーダーは、
問題が出てしまうことを恐れる。

なぜなら、自らの問題解決力のなさが
露呈してしまうから。



組織において、
まず、上司、リーダーと呼ばれる人が
問題解決力をしっかりと身につける
必要があるとつくづく感じています。


このようなことを言うと、

「いや、仕事は問題解決の連続なんだから、
仕事を通して、ちゃんと問題解決力は
身につけているよ」


と反論されるリーダーの方は多いはずです。


しかし、その問題解決の仕方が
我流ではよくないと思っています。


まずは基本的な問題解決の手法を身につけ、
それを自分なりにアレンジするのはありです。

が、基本を身につけずに、
最初から我流になっていてはよろしくない。

なぜなら、部下に基本的な問題解決を
指導できなくなるから。


しっかりと目的と手段を間違えず、
現状をデータで把握し、
現状把握と要因解析を混同せず、
要因解析は事実を確認し、真因にたどり着き、
多面的視点かつMECEで対策立案を行う、

そんな基本を押さえた問題解決であるべき。


我流ではなく、その基本的な問題解決の仕方を
部下や後輩に教育していくことが
リーダーの一つの役割だろうと考えています。


しかし、その正しい問題解決の仕方を
しっかりと教育できる上司・管理者・リーダーが
非常に少ない、と思うのです。


なぜ、問題解決の基本を教えられる
リーダーが少ないのか?


以下、完全に私の私見です。

我々バブル世代で入社した人の責任な気がしています。

私は今年55歳、バブル真っ只中の1990年入社。




私なんか、こんな風にメルマガ上でも、
「問題解決力を身につける必要がある」なんて、
偉そうなこと言っていますが、

もし、私がコンサルタントの仕事をしていなかったら、
恐らく、間違いなく問題解決は我流になってました。


なぜ、そう言えるか?

我々の世代以降の人たちって、
ちゃんと小集団活動やらQC活動やらを
やってきてない気がするんです。

小集団活動、QCサークルって、
問題解決の基本を身につけるのに、
うってつけの場です。

しかし、若いころに、
それをしっかり取り組んでいない、

だから、問題解決の基本を教えられてもいない。


我々よりも上の人たちは、
それなりに「小集団活動」や「QCサークル」なんかを
やってきた世代かなと思うのです。

我々以降の世代は、入社したら、
それなりに仕事が忙しく、
「小集団活動」、「QCサークル」なんて
やっている時間がない。


バブルが弾けたら、弾けたで
やっている時間がない、

というそんな世代かなと。


そんな世代もそれなりに仕事はやってきて、
問題解決もしてきています。

が、かなり我流。

そんな世代が、組織の長になって、
若い人たちに問題解決の基本を教えようにも、
何が基本で、何が我流かも分からないわけです。

だから、

「現状は4Wの観点でデータを分析しなさい」とか、

「目的と手段を間違えてはいけない」、

「この要因は本当に事実か?」、

「考えがMECEになっていない」、

なんて指摘もできない。


問題解決の基本を学べば、間違いなく

仕事力は高まりますし、

リーダーシップも高まりますし、

チームワークも高めていくことができますし、

いいことづくめです。


問題解決力を高めるために、どうしたらいいか?

今日は長くなってしまったので、
ここまでにさせてください。

次回以降でお話をしていきたいと思います。


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