コラム - 組織のルール

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組織のルール

組織風土を変えたければ愚痴を聞け!

冒頭の挨拶文でもお伝えしましたが、
本当にこの1年間でオンラインを活用した
会議、ミーティング、研修、コンサルティングが増えました。




オンラインでの研修/コンサルティングに関し、



研修を企画される方や講師の方から、


ときおり、



「対面の方がやりやすい」、



「相手の表情が見えないのでやりにくい」



という声を聞くことがあります。



が、私の場合、不思議とそういう感覚が
あまりありません。




慣れてきたから、というわけでもないです。

オンラインの研修やコンサルを始めたときから、
いうほどの違和感が覚えておりませんでした。



むしろ、こちらのペースで話ができたりするので、
話がしやすいぐらいに感じています。


今週も、23日、24日と2日間、
オンラインでの課長研修を
15名の受講者の方々に向けて行いました。



実は、今回お客様の社内規定により
カメラを一切使えない、ということで、
全員が顔を映さずに受講をされまして、



2日間、受講者の方の顔を一度も見ることなく、
研修を行ったのです。



講義のときも、グループ討議のときも、
声だけで、顔は一切こちらから見えない・・・。



もちろん、受講者の方々には、
私の顔が見えております。


これは、リアルな研修ではあり得ないことですね。

このような研修であっても、言うほどの違和感は
ありませんでした。

ただ、いつにない妙な疲れが
残ったのは確かですが・・・(^_^;)




で、今回のブログでは、
この2日間の課長研修で
ひとりの受講者の方から伺った「事例」を
ご紹介したいと思います。




もちろん、ご本人の了解を得ております。




2日間の課長研修、
課長として行うべきマネジメントを網羅的に
学んでいただく内容でした。



外部環境・内部環境を分析し、
部署の目指すべき方向性を明示しながら、

課としての重点課題を明確にし、

今日の売上を上げる業務と3年後の売上を上げる業務を
区分けしてマネジメントする。



業務の効率化を図り、人材を育成し、
チームとしての風土を改善していく。

と、かなり網羅的で濃い内容でした。


その中で、とある取り組みにより
チームの風土を改善された事例を
受講者の方からご紹介いただきました。


風土を変えるうえで、やっぱりこれが
基本だなという感じの取り組みで、
非常に参考になると思います。


また、参考にして、
取り組みやすい事例かとも思います。




便宜上、この取り組みをされた課長さんを
A課長(男性)とさせていただきます。



A課長の課は、設計を行っている部署。

メンバー構成は、女性2名の男性3名。
課長本人を入れて6名。


A課長が課を率いるようになって3年目。



1年前までは、課のメンバー間での会話も少なく、
個人面談をしても、「○○さんがどうで」という
ネガティブな発言が多かったとのことです。

A課長としては、その時思っていたそうです。


「決して、○○さんはそうではないのに、
勘違いしている。

メンバー間でコミュニケーションが
不足しているばかりに、
お互い疑心暗鬼になっていることが多い」

と。


風土としては、あまり良くないと感じていたA課長、

1年前に取り組み始めたのが、

『雑談チームミーティング』。


その名の通り、とにかく就業時間中に、
雑談をするというミーティング。


時間は2時間。

この1年間毎月1回、金曜日の10時から12時で
必ず実施してきたとのことです。

時間帯を10時から12時にしたのは、
お昼の時間が決まっているので、
ダラダラと長引かなくなるから。


参加ルールは、

とにかく仕事に関係ない雑談をする、
ただし、人を傷つけることは言わない、

ということで、安心・安全な場を作りました。



お菓子と飲み物を持ち込んで、
緩い会話をするということで始めはしたのですが、

最初のうちは、部下の方々はあまり積極的な
反応は示してくれなかったようです。


スタートしてみたら、仕事以外の雑談ではなく、
部下の方からは、



「現場の誰々さんが無理難題を言ってくる」



とか、



「誰々さんと比べて自分の仕事の負荷が多すぎる」



といった仕事に関する愚痴ばかりだったそうです。




で、ここが一つポイントかと思うのですが、
部下が愚痴を言ってきたときに、
A課長はどのような態度をとっていたのか?


決して、否定することなく、
部下の話を聞いて「共感」していたとのことでした。



「それは辛いわなぁ」



「確かにそれはもどかしい」



「腹立たしい気持ちにもなるね」



等々・・・。

これ、すごいポイントだと思います。


A課長にとっては、
こうして部下の愚痴に共感するだけのミーティングが、
半年以上続きました。

半年が過ぎたころ、一つの変化がありました。



A課長曰く、



「去年の4月から始めて、11月になったころ、
ようやく愚痴以外の話が出てきた」



とのことで、

部下からは以下のような発言ができてたそうです。



「自分が設定した目標についてこうしていきたい」



「○○の業務の改善を進めたい」



「○○の案件についてどうすべきかみんなで話したい」



等々・・・。

その流れで現在に至っているわけですが、
いかがでしょう?


組織風土を変えるうえで、
非常にヒントになる事例だと思うのですが・・・。


組織風土を改善する上で、大事なのは、





・メンバー間のコミュニケーションを多く取る、



・現状の不満に関して、吐き出させる、



・気持ちを分かってもらえる安心感を与える、





そんな場を作ることですね。


特に、まずは不平・不満を吐き出させることが大事。

いきなり前向きな話をさせようとしても
なかなか難しいです。



ちなみに、A課長に成功のポイントを聞いたところ、
次のような答えが返ってきました。

「忍耐ですね。それと演技」

部下の愚痴を半年以上聞き続けるのは忍耐でしょう。

愚痴を聞いたら、反論したいこともあったでしょう。


しかし、それに耐えて共感し、
部下への安心感を醸成するのは、
やはり演技力が必要だったでしょう。


それがあったからこそ、現在では、
前向きな話ができる場になっているわけです。



ずいぶん昔のブログに書きましたが、
俳優/女優も管理職も演技力が高い人ほど、
収入が多いと。



演技というと何か部下に嘘ついているような
後ろめたい印象になりますが、
決して、そうではないと思っています。



演技をしているうちに、本当にそうなっていく、
ということもありますから。



Fake it till you make It!
(成し遂げるまで、ふりをしろ!)

私の好きな言葉です。


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