コラム - 組織のルール

organizational

組織のルール

うまくいかない会議の典型例

働き方改革だ、残業時間削減だと、
働くことに対する意識は
随分と変わってきていると思います。


いかにインプット(時間・お金・労力等)を
少なくして、アウトプット(成果)を大きくするか。

言われてみれば、経営にとって
当たり前のことです。


それが過去においては、
インプットとしての“労働時間”は
無尽蔵に使える資源だという認識が
あったのかもしれません。

労働者側にも、使用者側にも。


働き方改革においては、
その無地蔵に使えると思っていた働く時間を
いかに短くするかが大きなテーマに
なっているのだと思います。


ただ、その中で、いつも思うのは、

「働く時間を短くしたいのなら、
会議やミーティングの進め方を変えればいいのに、
なぜ、そこをないがしろにするのだろう」

ということ。


会議やミーティングのムダ、多すぎませんか?



例えば、こんな会議は、
うまくいかない会議の典型例。


誰も、問題解決の流れのどこについて
話をしているのか認識しておらず、
好き勝手な話をしている・・・。


具体的にどんな会議か・・・

と、その前に、問題解決の流れとは
どのような流れかについてお伝えしておきます。


何らかの問題があったとして、

最初にやらなければいけないことは、
なぜ、この問題を解決する必要があるのか、
「目的共有」をすることです。


目的が共有できたら、
今、どういう状況になっているのか、
どういう結果が出ているのか、
それはあるべき姿と比べて、
どれぐらいギャップがあるのか、
その結果の中身にはどのような傾向があるのか等
「現状把握」をします。


現状を把握したうえで、
「目標設定」をし、

なぜ、そのような現状を招いているのか、
「要因解析(原因分析)」をします。

原因を分析したら、そのうえで
どうすれば現状を打破し、目標を実現できるのか、
「対策立案」をし、

次に、いつ、だれが、何を、どれだけ行うのか、
「計画策定」をしていくわけです。


もちろん、計画を立てたら、「対策実行」し、
実行した結果に関し「効果測定」し、
その測定結果に基づき今後の行動を検討していきます。

これが基本的な問題解決の流れ。


で、会議の場で今、自分たちがどこについて
話し合っているのか誰も分かっていない、

そんな状況になると会議は絶対といっていいほど、
うまくいきません。


具体的には次のような会議・・・



Aさん:「それについてOJTをしっかりすれば
    解決できると思います」(対策立案)

Bさん:「でも、今のうちの問題は業務効率が
    悪いことなんだから、そこを何とかしないと、
    OJTをやっても難しいんじゃないかな」
    (現状把握)

Cさん:「業務効率が悪いのとあとはやっぱり管理者の
    教育ができてないことだと思う」
    (要因解析(原因分析))

Dさん:「管理者の教育ができてないのは、
    教育の仕組みがそもそもないからだよね」
    (さらなる要因解析(原因分析))

Eさん:「業務効率は社員間で情報共有が
    できれば解決できるんじゃないかな」
    (対策立案)



発言内容が、問題解決のステップの
あっちに行ったりこっちに行ったりなのです。

しかも、上記の例は、
要因解析にしても本題とは別の現状に関する
要因解析(原因分析)だったりしています。


で、そうこう話をしてるとリーダーが、
「いろいろ意見出てるけどさ、
そもそも何のためにこの問題を解決しよう
としてるのか、みんな分かってる?

目的も分からず議論してても意味ないよ!」

って言いだしたりして・・・。



これだけ活発に議論がされているということで、
その点でいえば、いい会議なのかもしれません。

しかし、みんなが好き勝手に話をしているだけでは、
解決策が導かれる可能性は非常に低いといえます。

それに、こんな会議をやっていたら、
時間ばかりが過ぎて、非効率この上ないです。

労働時間は無地蔵にはありません。



では、どうすればいいのか?


ベストは、参加者全員が、
「今、自分たちは問題解決の流れの
どこについて話をしているのかが認識できている」
ようにすることです。

もし、それができないのであれば、
少なくとも議事進行役が認識できるようにすることです。

例えば、会議で「現状把握」をしているとしましょう。

その中で、誰かが
「そういうことであれば、
○○すればいいんじゃないですか?」
と対策立案に関する発言をしたとします。

そのときに、議事進行役がこう言うのです。


「なるほど、○○をすればいいということですね。
それは、この問題に対する解決策ですよね。

今は、現状どういう結果が出ているのか、
そこの分析をしているので、その解決策については、
しっかりと現状を把握してからにしましょう。

でも、せっかくのご意見ですので、
あとで使えるよう、このあたりにメモしておきますね
(といってホワイトボードの隅の方にメモしておく)。」


こうして、問題解決の手順において
先走った話を元に戻すわけです。


同じように現状把握している段階で、

「それは、○○があるからなんですよね」
なんて話が出たら、

「それは原因についての発言なんで、
もう少し後にしましょう」

といって現状把握に話を戻すのです。


「対策立案」しているときに、
「でも、○○があるから難しいんじゃないですか?」
というような発言があれば、

「今、○○さんからは現状把握に関する発言がありましたが、
どうしましょう?今一度、現状把握に戻って
みんなで話しますか?」

と言えればいいのです。

でも、なかなかこんなことが言える
議事進行役がいない・・・。


これが悩ましいところです。


でも、ちょっとしたコツ、ポイントを
学んでいただければ、
それほど難しいことではありません。

誰でも、これぐらいの議事進行は
できるようになります。


カテゴリーに関連するおすすめ記事

この記事のカテゴリー から関連する記事を表示しています。

ハッシュタグに関連するおすすめ記事

この記事のハッシュタグ から関連する記事を表示しています。

経営課題を共に解決。

社内研修/コンサルティング依頼や
その他経営に関する様々なご相談は、
以下のお問い合わせフォームから
お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ