コラム - 組織のルール

organizational

組織のルール

組織のリーダーが最も考えなければいけないこと

組織のリーダーが、

メンバーの意識を高め、組織をまとめ、
成果を出し続けるために、

まず考えなければならないこと、
最も考えなければいけないことは何か?


私は、

「この組織は何のために存在しているのか?」

だと思っています。

自分たちの組織の存在意義、目的です。


例えば、会社のリーダーである社長であれば、

「自分たちの会社は、何のために
社会に存在しているのか?」

ですし、

組織内の部署のリーダーであれば、

「自分たちの部署は、何のために
この会社組織の中で存在しているのか?」

となります。


なお、何のためにという目的には2種類あります。


「自分のため」という自分視点の目的と

「人のため」という他者視点の目的。


なぜ、自分たちの会社は存在しているのか、

「自分たちが稼いで、自分たちが贅沢するため」
であれば、自分視点の目的。

「○○を通して、世の中をよくするため」は、
「人のため」の他者視点の目的。


「自分のため」の目的が悪いわけではありません。

それだけではなく、両方考える必要がある。


ちなみに、私が社会人になった90年代初期の頃、

こんな「組織の存在意義」とか「目的」とか、
さらに言えば、「経営哲学」とか「理念」とかって、

それほど社会全体として
クローズアップされていなかったんじゃないかと思います。


ですが、やっぱり最近はこうしたことが
クローズアップされている。

時代背景もあるでしょう。

また、こうした組織の存在意義、目的を
明確にしている組織こそが、
成果を出せているという事実、事例が
多くなっているのだと思います。


先日のラグビーW杯で初の予選突破を果たし、
大きなムーブメントを巻き起こした
ラグビー日本代表もしかり。


今週月曜日たまたま見ていたテレビ番組で、
こんな内容が紹介されていました。

(※TBS系「一番だけが知っている」)



2014年にキャプテンになったリーチ・マイケル。


自分のプレーで必死にチームを牽引しようとしていた。

また、チームも全力を尽くしていた。

しかし、世界を相手にするには何かが足りないと感じていた。

それは、

「このチームはいったい何のために勝つのか」という目的。


2014年(前回のイングランドW杯の1年前)、
リーチ・マイケルや五郎丸選手、堀江翔太選手等
各ポジションの主要メンバーが集まって、
チームの今後について話し合っていたときのこと。

堀江選手からこんな言葉が発せられた。

「なんか俺たち、もっとちやほやされたいなぁ」。


皆が聞き流していたその言葉から、
リーチは大きな意味を見出していた。

「ラグビーをもっといろんな人に見てもらったり、
応援される、そんな世界を作りたい」

ということを堀江は言いたかったのではないか、と。


「自分たちに注目が集まれば、
日本でもラグビー人気はきっと高まる」

そのためには、それまでのように
ただ勝利だけを目指すのでは足りない。

そう考えたリーチは、メンバーと議論を重ねた末、
自分たちの存在意義をこう明確にした。


「(ただ勝つのではなく)憧れの存在になるために勝つ」


自分たちが憧れの存在になれば、
日本ラグビー界の未来につながる。


そして、2015年イングランドW杯。


初戦の相手は、今年のW杯で優勝した
南アフリカ(当時に世界ランク3位)

試合終了間際、南アが32点、日本が29点で
3点のビハインドの状況で南アが反則。

時計は終了時間を回った80分を回っている。

残るは日本のラストワンプレー。

選択肢は、
①キックで確実に3点を狙い引き分け
②スクラムを選択し、5点を狙い逆転勝利

スクラムの場合、相手にボールを奪われれば
無得点でその瞬間に負けが決定。

当日のHCエディー・ジョーンズは「キック」を指示。

キャプテンのリーチ・マイケルの下した決断は、
スクラム。

「勝たなければ、憧れの存在にはなれない」

もしかしたら負けるかもしれない。
しかし、勝つかもしれない可能性がある限り、
そこにチャレンジし、挑む姿を見せ、勝ってこそ、
自分たちが憧れの存在になれる。

そして、トライを決め、南アに奇跡の逆転勝利。

残念ながら、南アには勝ったものの、そのW杯は、
予選で敗退。

その後、4年間死に物狂いのトレーニングを積み重ねた。

「ただ、勝つのではなく、
自分たちが憧れの存在になり、
日本ラグビー界の未来を切り開くために」。

そして、日本でのW杯では、予選突破し、
多くの感動を与えたのは記憶に新しいところです。




ラグビー日本代表の例でいれば、

「自分のため」という自分視点の目的は、
「自分たちがちやほやされるため」でしょう。

が、それだけではなく、「人のため」という
他者視点の目的を明確にでき、共有できたわけです。

「自分たちのチームが存在するのは、なぜか?」

『勝って、憧れの存在になり、
日本ラグビー界の未来を切り拓くため』、

ということでしょう。


会社でいえば、自分たちの会社が儲けるため、
だけではなく、自分たちの会社が存在している業界を
盛り上げ、この業界の未来を切り開くって感じでしょうか。

ということで、私も、自社の存在意義をかみしめつつ、
仕事に向き合っていきたいと思います。

ちなみに弊社の存在意義は、現時点では
こう定義しております。

「働くことの喜びを感じられる人を増やすために」


カテゴリーに関連するおすすめ記事

この記事のカテゴリー から関連する記事を表示しています。

ハッシュタグに関連するおすすめ記事

この記事のハッシュタグ から関連する記事を表示しています。

経営課題を共に解決。

社内研修/コンサルティング依頼や
その他経営に関する様々なご相談は、
以下のお問い合わせフォームから
お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ