コラム - 組織のルール

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組織のルール

部下の話は〇〇が無ければ聞いてはいけない

「上司は部下の話をしっかり聴こう」

「社員のアイデアを引き出そう」



よく言われることです。



しかし、これがなかなか難しい。



そう感じている管理者の方は

多いのではないでしょうか?



今回は、

「部下の話を聴くために必要なこととは?」

ということをお伝えしたいと思います。



反復や共感といった

傾聴のスキルだけでは足りません。



では、何が必要なのか?



その話をする前に、

一つご紹介したいものがあります。



1月23日(月)からの日本経済新聞で

「カイシャの未来 目覚めるシャインたち」

と題した特集記事が組まれています。



これが、めちゃくちゃ面白い!



「会社の未来は『社員一人ひとりの個の力』

に掛かっている。

社員の目覚めを促し、知恵を束ね、

社会に資する価値を生みだすことで、

会社の未来が拓ける」



というコンセプトの記事。



月曜日から続いて、

現時点(1月26日)で4回掲載されていますが、



毎回、



「なるほどなぁ、働く人たちの意識は

変わってきているわけで、



会社がその変化に対応できないと

生き残れない時代になったんだな」



と改めて感じさせられています。





まず、この記事の1回目(1月23日)では、

いい職場と悪い職場の違いについての話がありました。



いい職場、悪い職場の違いは何か?



日経新聞社がオープンワークの協力を得て

ネット上の1400万件の社員口コミを分析。



約3400社の上場企業のうち、

評点上位5%と下位5%を抽出した結果、



上位5%の企業の口コミで出てくるワードの

第1位は「共感」



その他、「フラット」、「自由闊達」、「バリュー」、

「前向き」、「ミッション」、「オープン」、

「メンバー」、「さん付け」、「徹底」等



下位5%では、

「ワンマン」、「イエスマン」等があり、

その他には、

「昭和」、「ノルマ」、「価格」、「疲弊」等



「独立採算」なんてのもあります。



なお、記事によると、

上位と下位、それぞれの21年度の

純利益合計額を3期前と比べると、

上位が7.7%増、下位がマイナス2.4%

とのこと。



あなたの会社では、

いかがでしょう?



きっと上位5%の会社のワードが

飛び交っていることとは思います。



記事の中では、

「いい会社」になるために重要なのは

『第一線の社員のアイデアを活かすこと』

ということが強調されていました。



要は「社員の話を聴こう」ってことですね。



記事の中では、

社員の話を聴いて、社員の力を引き出した

積水ハウスの事例が紹介されていました。



積水ハウスでは、



・何を成し遂げたいか語り合う面談を

 年に5回以上実施し「部下の話を聞き切る」

 風土を醸成



・事業案を投稿し、仲間を集める社内アプリの導入



等により社員のアイデアを引き出しているとのことです。



なお、23年1月期の純利益は過去最高の見込みで、

「生産性は上がっている」と確信していると

書いてあります。



以上、特集記事の内容の引用です。



で、私、宇井が考える

『上司が部下の話を聴くために必要なこと』

についてお伝えしたいと思います。



それは、「聴く側の問題解決力」

だと考えています。





部下の話を傾聴しよう、そのためには、

「部下の話を繰り返そう(反復のスキル)」、

「共感しよう」

とよく言われます。



管理職の方も一度は、

こうしたコミュニケーションスキルを

学んだことがあるのではないでしょうか?



しかし、単に社員の声に耳を傾けていれば、

社員の力を引き出せ、

社員が働く喜びを感じて、

組織が強くなるなんてことありません。





もし、社員の話を聴く上司側に

問題解決力(問題解決支援力)が

なかったらどうなるでしょう?





上司の立場からすると、



「会社が部下の話を聴けっていうから、

聴いてるけど、もう愚痴ばっかりじゃないか。

面倒くさいことも言ってくるし、

話を聞くこと自体が辛いわ」



となりかねません。





部下の立場からすると、



「自分の考えをどんどん上司にぶつけていい、

って言うから現場の問題点や自分の意見を

伝えているのに、

上司は聞いているふりだけ。

全然まともに取り合ってくれない。

問題は何も解決しない。

言うだけアホらしくなってきた。

こんなアホな上司の下では働けない。

こんな会社、辞めよう」



なんてことにもなりかねません。







上司の聴く力だけでは不十分。



上司側の問題解決支援力が必要なのです。



部下からの話をしっかりと聞いたうえで、





「なるほど、その問題であれば、

特に現状把握する必要もないから、

ちょっとしたカイゼンで解決できそうだよね。

どうやって進めていこうか?」



「その問題は、再発防止をしなければ

いけないからプロセス改善の手法が必要。

そのときには、対症療法にならないように、

根本的な原因となった個所を見つけてね」



「この問題は、ちょっと時間をかけて、

現状をしっかり把握する必要あるね。

現状把握はどう進める?」





と、いうように部下から挙げられる問題を分類し、

どの問題解決手法が有効かを選択し、

ちゃんと問題解決の筋道が見えるように

支援できなければなりません。



もちろん、正しい問題解決の手法を

身につけておくことは大前提になります。



それができてこそ、初めて社員の声を聴けるようになるし、

社員一人ひとりの個の力を引き出し、

社員の知恵を束ね、社会に資する価値を生み出せる

組織になれると思うのです。



話を聴く側に、この問題解決力があってこそ、

話を聴かれた側は、働く喜びを感じられます。



なぜなら、「働く喜び」の一つは、

「自分のアイデアを表に出せて、

仲間と一緒に、そのアイデアを具現化していくこと」

から得られるから。



自分が考えたことが形になっていく、

って嬉しいですよね。



更に、その具現化したことによって、

誰かが喜んでくれている、

その姿を見たときに、本当に仕事の遣り甲斐を

感じるのではないでしょうか?


そのためにも、聴く側として

「聴く力」だけではなく、

「問題解決力」が求められるのです。


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