コラム - 組織のルール

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組織のルール

祝ドイツ戦勝利!~W杯から適切な目標のレベルを考える

2022年11月23日、この日は

日本サッカー界にとって歴史的な

転換点となるのではないでしょうか。





W杯で4回の優勝を誇る強豪ドイツに

2対1で逆転勝利!



ドイツの優勝回数は4回ですが、

準優勝も4回しています。



1954年大会から2014年大会まで

16大会連続でベスト8以上に進出という

超強豪国。



そんなドイツに日本が勝利!



奇跡と言っては失礼かもしれません。



1点目のゴールを決めた堂安選手が、

W杯が始まる前のインタビューで

答えていました。



「ドイツに勝てると思う」と。



「なぜなら、自分自身がドイツで

プレーをしていてドイツの選手が

どのレベルかを分かっている。

自分たちがどれだけやれるかも

分かっているから」と。



ドーハの悲劇を目の当たりにしている

我々世代からすると

ほんとに隔世の感を禁じ得ないです。



28年前の1994年には

W杯に出ることもままならなかった日本。



W杯本大会に出ることが

日本にとっては大きな目標でした。



と、偉そうに言ってますが、

私、典型的な4年に一度の

にわかサッカーファンでして・・・



日ごろ、Jリーグはじめサッカーに

さほど興味があるわけではありません。



が、4年に一度のW杯だけは別ですね。



どうしても関心が向かいますし、

やっぱり試合は観てしまいます。





と、前置きをしたうえで、

今回のW杯から「適切な目標のレベル」

について考えてみたいと思います。



今回のW杯、カタール大会で

日本代表チームが「目指している」のは何か?



もちろん「優勝」でしょう。



しかし、今大会での「目標」としては、

どうなんでしょう?



「日本代表の適切な目標レベルは“優勝”」と

言っていいのかと言われたら、

個人的には「No」だと思うのです。



将来的には、いずれ日本代表チームの

「適切な目標」が「優勝」となるときが

くるとは思っています。



が、今は、まだ違う。



なぜなら、適切な目標のレベルとは、

以下の二つの要件を満たすものだからです。



「達成できたら、めちゃくちゃ嬉しい」

かつ

「達成できなかったら、めちゃくちゃ悔しい」





もしも、日本代表が今大会で優勝できたら・・・



そりゃもう「めちゃくちゃ嬉しい」ですよね。



サポーターにとっても、

日本代表の選手やコーチ陣、

スタッフにとっても。



でも、もしも決勝戦で、

例えば、ブラジルに5対0で完敗したとしても、

「めちゃくちゃ悔しい」かと言われたら、

そうでもないと思うんですよ。



決勝戦を戦えたってことで、

日本代表チームが日本に帰国した際には、

「準優勝!よくやったぁ!素晴らしい!」と

温かく迎えられると思います。



「準優勝、何やってんだ!」と

日本代表メンバーへのブーイングは

ないはずです。



準優勝できたら、

「めちゃくちゃ嬉しい」

けど、

優勝できなくても(=準優勝でも)、

「めちゃくちゃ悔しいわけじゃない」。



選手にとっても、同じだと思います。



だから、目標のレベルとしては

不適切だと思うのです。



二つ揃っていないといけないですから。



達成できたら嬉しく、

かつ

達成できなかったら悔しい。



達成できたらめちゃくちゃ嬉しい、

けど、達成できなくてもそれほど悔しくない、

としたら、この目標は高すぎます。



カタール大会での日本代表チームにとって、

目指すのはもちろん優勝。



でも、目標のレベルとしては高すぎる。



じゃあ、「予選リーグで1勝する」が

目標だったらどうでしょう?



例えば、予選リーグで1勝はできたけど、

決勝トーナメントに進出することができなかった。



となった場合、

「めちゃくちゃ嬉しいか?」と問われたら、

そうではないと思うんです。



選手もサポーターも

「1勝できたからよかった!嬉しい!」

とはならない。



逆に予選リーグで1つも勝てなかった場合、

めちゃくちゃ悔しいかと言われたら、

そりゃもうめちゃくちゃ悔しいじゃないですか!



「予選リーグでの1勝」は、

目標レベルとしては低すぎます。





達成できてもさほど嬉しいわけではない

けど、

達成できなかったら

めちゃくちゃ悔しい目標。



これは低すぎる目標。







では、今の日本代表にとって

適切な目標レベルは、

どのあたりでしょう?



以下、あくまでも個人的な主観での評価なので、

その点はご容赦ください。



予選リーグ突破(=ベスト16)・・・



できたら、まぁ嬉しい、

けど、めちゃくちゃ嬉しいわけじゃない

できなかったら、めちゃくちゃ悔しい・・・



目標レベルとしては低いと言えるでしょう。



ベスト8(決勝トーナメントで1勝)・・・

できたらめちゃくちゃ嬉しい・・・

できなかったらめちゃくちゃ悔しい・・・



このあたりが今の日本代表にとっては

適切な目標ではないかなと思うのですが、

いかがでしょう?



過去ベスト16にはなっていますし・・・



選手やコーチ陣もベスト8であれば、

嬉しいし、

ベスト16止まりであれば、

相当悔しいと思うんですが、

どうでしょう?



ベスト4なら・・・

めちゃくちゃ嬉しいけど、

できなくてもめちゃくちゃ悔しくはない、かな。



3位決定戦で負けたとしても、

ベスト4ってことで日本代表が帰国したら、

拍手喝采だと思います。



日本代表チームも胸を張って、

帰国できると思います。



当然、準優勝も優勝も同じ・・・



今回のドイツ戦勝利で、

日本の目標は一つ上がりましたよね。



ひょっとするとベスト4じゃなかったら、

悔しいとなるかも。



だからこそ、日本代表にとって

11月23日のドイツ戦勝利は、

転換点になる勝利だと思うのです。



いずれはW杯優勝が適切な目標に

なるときがくると思います。



ちなみにブラジルにとっては、

優勝できたらめちゃくちゃ嬉しく、

優勝できなかったらめちゃくちゃ悔しい、

(決勝で負けたら悔しい)

でしょうね。



ブラジルにとっての適切な目標は、

「優勝」に間違いありません。



あなたの目標、

「達成できたら、めちゃくちゃ嬉しく、

かつ達成できなかったら、めちゃくちゃ悔しい」

目標になっていますでしょうか?



もし、達成できたら嬉しいけど、

できなくても悔しくない、

ということであれば、高すぎます。



達成できても言うほど嬉しくなく、

達成できなかったらめちゃくちゃ悔しい、

ということであれば、低すぎます。





組織の中で目標を立てる場合、

自由に立てられないところはあります。



高すぎると思う場合は、日本代表と同じく、

目標に段階を作っていただけるといいでしょう。



いずれ、ここまで(W杯優勝)、

まずは、ここまで(ベスト8)、

というように。





追伸

もし、1998年のW杯でドイツに勝利していたら、

今とは比べ物にならないぐらいの

大騒ぎになっているんじゃないでしょうか?



いや、逆に、ドイツに勝てたことは、

日本の実力ではなく、ドイツがよほど調子が

悪かったんだろう、運がなかったんだろうと、

日本の実力ではないと

判断されていたかもしれません。



今は、そうではないですよね。



世界の評価は、

日本の実力でドイツに勝利した!

「日本凄い!」ってなっている

と思います。



本当に凄いことです。



試合後に森保監督が選手に言ってました。



「これで一喜一憂するんじゃなく・・・」って。



ドイツに勝ったぐらいで喜ぶんじゃない、

こんなのは通過点ってことですもんね。


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