コラム - 組織のルール

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組織のルール

祝日本ソフトボール金メダル~誰がための金メダル

7月27日、東京五輪ソフトボールの決勝戦が行われ、
見事日本が世界ランク1位のアメリカを破り、
金メダルを獲得しました。


13年前の2008年北京オリンピックからの連覇です。

(北京オリンピック後のロンドン、リオでは
ソフトボールはオリンピック競技から外されていました。)


テレビで観戦してましたが、勝負の神様ってのは、
本当にいるのかと思わされるような展開でした。

1回のウラのホームタッチアウト、
6回のウラのショートライナーダブルプレー・・・


これらがなかったら結果はどうなっていたか・・・

特に6回のショートライナーダブルプレーは、
一瞬何が起こったかよく分からないくらい。

本当に奇跡的なプレーといってもいいでしょう。

「ショートライナーダブルプレーの動画」
 ↓ 
https://youtu.be/1piGQv9RK74
(音声が流れます)


今回は、この日本ソフトボールチームに関する
お話をしたいと思います。

前回ソフトボールが行われた
2008年の北京オリンピックのときのことです。

選手も監督・コーチ、スタッフも
当然ながら、「金メダルを獲る!」という目標は
共有できていました。

しかし、何のために金メダルを獲るのか、その目的に関しては、
選手、監督・コーチ、スタッフそれぞれ違った思いがあったそうです。

「幼いころからの夢を叶えるため・・・」

「今まで支えてくれた人たちに報いるため・・・」

「海外へ移籍するきっかけを作るため・・・」等々


チームとしては、目的を共有しようということで、
選手、監督・コーチ、スタッフで話し合ったそうです。


そして、共有したのが以下の目的。


「いつかオリンピックにソフトボールを復活させ、
日本の子どもたちにソフトボールの楽しさを伝えていくため」


北京オリンピック以降、ソフトボールと野球は
オリンピック競技から外されることになっていました。

日本のソフトボールに取り組む子どもたちにとって、
五輪という世界の舞台で戦う夢がなくなってしまう・・・


そして、競技から外される一因と言われたのが、
3大会連覇中だったアメリカの一強状態。

それを打ち破ることで、オリンピックにまたソフトボールを
復活させることができるかもしれない、
そう考えたうえでの目的です。


以下は、北京でのソフトボール日本代表の
坂井寛子選手の2008年当時のコメント。

『ソフトボールが種目外になる一因といわれるのが、
3大会連覇中だったアメリカの一強体制。

だったら、アメリカだけじゃない、他の国だって勝てるんだ、
ソフトボールはこんなに面白いんだって、アピールすればいい。

私たちが世界一になることで、今がんばっている子どもたちの将来に、
またオリンピックの舞台が復活するかもしれない。

その舞台をつくってあげることが、私の使命だと思ったんです。』



この13年前の想いは、
今回の東京五輪にも受け継がれているようです。


2004年、2008年に続き、今大会でも活躍した
山田恵里選手はこう語っています。

「次の五輪はないのが決まっているけど、
決勝はソフトボールの魅力を
伝えることに関しても本当に重要な一戦。
もっともっとソフトボールの魅力を伝えられたらと思う」


3試合連続ホームランを放った二刀流の藤田倭選手は、

「泣いても笑っても最後。
やってきたことを全てぶつけられるように。
五輪競技から外された時から、この日を待っていた。
子どもたちにも未来を信じて、
ソフトボールを楽しみながら続けてほしい」

と語り、


ベテランキャッチャーの峰幸代選手は、

「アメリカ一強では、五輪競技に復活しにくい。
絶対に北京で私たちが勝って、未来に繋げていこうと誓い合った。

私は競技が五輪からなくなるショックも分かっているし、
結果が出るからこそ、また繋がっていくということも
肌で感じてきました。

勝つだけでなく、
勝つことで周りの人々の心に響いていってほしい。

それがいろいろなことに繋がっていきます。
東京五輪は、子どもたちや若い選手にとっても
大事な場になります」


チームとして、目的を共有する。

その目的は、「自分たちのため」というのではなく、
「人のため、社会のため」という誰かのための目的。

さらに言えば、
「自分たちこそがこれを実現しなければならない」
という使命にまで昇華させられたら・・・

きっとちょっとやそっとでは目標達成を諦めない
強いチームになるでしょう。

そして、勝利の神様が
微笑んでくれるのではないかと思うのです。


アメリカチームに
“目的”が共有されていたのか、いなかったのか、
それは分かりませんが・・・。


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