コラム - マーケティングのルール

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マーケティングのルール

マーケティング3.0のCMに学ぶ

最近、



「マーケティング3.0だとCMは、

 こうなるわなぁ」



と思ったことがあります。



今回は、そんなCMを紹介したいと思います。



日清製粉の新製品、

マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast」。



テレビでご覧になった方も

いらっしゃると思います。



※クリックすると音声が流れます。

 ご注意ください。



スパゲッティを茹でる前の状態では、

断面が4枚羽根になっています。



スパゲッティの表面積を大きくすることで、

茹で時間を短縮できるわけです。



従来は3枚羽根だったのを

4枚羽根にしたとのこと。



先日、とあるテレビ番組での紹介では、

この4枚羽根にする技術が難しく、

100回以上の試行錯誤を

繰り返したとのことでした。



CMでは、茹で時間の短縮や、

4枚羽根にしたことで

アルデンテ食感が増したこと、

電子レンジ調理も可能になったこと

が伝えられているだけではありません。



以下のことを消費者に訴えています。



「(茹で時間が短縮することで)

 ガス火調理時の二酸化炭素(CO2)

 排出量が約35%削減できる!」



未来にやさしい技術、おいしいSDGs、

なんて言ってます。



恐らく、スパゲッティを茹でるときに

排出するCO2を35%削減と言っても、

ものすごく微量だろうと思います。

(すみません、具体的数字はありません)



が、そこを訴えるのが

マーケティング3.0時代のCM。



そもそもマーケティング3.0とは何か?



ご存知のこととは思いますが、

簡単に説明させていただきます。



アメリカの経営学者(マーケティング)、

フィリップ・コトラー氏が提唱した理論で・・・



消費者が何を基準にして商品・サービスを

選択するのかの時代的な変遷を

1.0~3.0で表現したものです。



商品Aと商品Bがあったとして、

消費者が何を基準に選ぶのか。



マーケティング1.0の時代では、

どちらが機能的に優れているか、

が選択の基準になります。



商品Aには、商品Bにはない

こんな機能がついている、

だからAを選ぶ、ってことですね。



ですから、企業はいかに優れた機能を

付け加えるかが勝負になります。



スパゲッティでいえば、

茹で時間が短く済むという価値が

得られる機能ですね。



商品Aの方が、茹で時間が短いのであれば、

商品Aを選ぶとなります。



マーケティング2.0の時代は、

機能で選ぶ時代ではなくなり、

感性で選ぶ時代になります。



ものすごく簡単に言えば、

商品Bよりも商品Aの方が、

「かわいい」、「かっこいい」

だから商品Aを選ぶ、って感じ。



自分の感性に合った商品を選ぶ

ということですね。



スパゲッティでいえば、

パッケージがかわいいから、

こっちを選ぶとなります。



で、次の時代のマーケティング3.0に

おける選択基準は何か?



この商品(この会社)は、

社会的問題の解決にどれだけ貢献しているか、

が選択の基準になります。



商品B(B社製品)よりも

商品A(A社製品)の方が

社会に貢献している、

だから商品A(A社製品)を選ぶ、

となります。



スパゲッティでいえば、日清製粉が

訴えている通りです。



こっちの方が、地球環境保全に

貢献できる商品だ、だからこっちを選ぶ、

という時代なのです。



もちろん、地球環境保全だけが

社会的問題ではありません。



貧困、格差社会、地域紛争、ジェンダー問題、

サイバー攻撃、生物多様性の損失、食料危機、

等々・・・



単に商品の良さを伝えるだけではなく、

こうした社会的問題の解決に

どのように貢献しているかを伝えることが

重要な時代ということですね。


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