コラム - マーケティングのルール

marketing

マーケティングのルール

仙台四郎さんに学ぶ~繁盛店の条件

私の自宅から歩いて30秒のところにある個人経営のカフェ。



よくそのカフェで、一人カウンターに座り、

仕事をしています。



電源は貸してくれるし、Wi-Fiも繋げられるし、

コーヒー1杯で1日居座っても、文句ひとつ言わない。



非常に仕事をするうえで環境のいいカフェなのです。



もちろん顔なじみとして、

オーナーさん(40代女性)とも仲良く話をする間柄です。





先日も、そのカフェで仕事をしていました。



午後のおやつ時ではありましたが、

お客さんは、私ともう一人いたぐらい。



そのカフェの名誉のためにお伝えしておきますが、

流行ってないお店ではありません。



地域密着のカフェとして、

午前中は地域の固定客でいつも

超満員になってます。





私が一人カウンターで仕事に集中していたら、

一人の高齢の女性がお店に入ってきました。



年齢にすると、どうでしょう、

80歳少し前ぐらいでしょうか。



その女性、入ってくるなり、

お店のスタッフさん(40代女性)に

大きな声で話しかけてきたのです。



「最近引っ越してきたばっかりなんで、

全然分からないんで教えてください。



この近くに小学校とか中学校はありますか?

どこにありますか?」と。





すぐ近くに小学校はあるので、

私からも教えてあげようかと思ったのですが、

どうも様子がおかしい。



「うちの子が見当たらないんですよぉ~。

どこに行ったのか全然分からない。



警察に行った方がいいですか?

警察はどこにありますか?



子供がいないんですよぉ」



子供?孫の間違いでは?



と思いつつ、その高齢の女性とスタッフとの

やり取りを聞いていました。



「子どもがいない。探してる。小学校はどこ?」

とカフェのスタッフさんに

何度も何度も訴えかけていました。



お気づきの方もいらっしゃると思います。



その女性、認知症を患っている方なのでしょう。



で、そのやり取りを拝見していて、

スタッフさんとオーナーさんの

対応が素敵だなぁと思ったのです。



スタッフさんとオーナーさんが

その女性に優しく言うわけです。



「おばあちゃん、大丈夫だよ。まず落ち着こうか。

席に座って、甘いコーヒーでも飲もうか」

と。



スタッフさんもオーナーさんも認知症だと

分かっていて、それなりの丁寧な対応を

されていました。



そうこうしているうちに、

その女性も落ち着いてきて、

で、そのあと、オーナーさんがちゃんとその女性の

自宅まで送っていったのです。



女性の自宅は分かっていたようです。



これのシーンを見ていて思いました。



「繁盛しているお店って、

こうしたオーナーさんやスタッフさんの

『人格』というか、『気の良さ』『気の優しさ』が

お客様に伝わって、居心地の良さにつながるんだろうな」と。





そこでふと思い出したのが「仙台四郎さん」。



ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

ご存知ない方のために少しだけお伝えすると・・・



仙台四郎さん、仙台では超メジャーな人物。



明治期の方で、もうお亡くなりになっていますが、

「実在した福の神」として知られています。



なぜ、福の神かというと、

不思議なことに、仙台四郎さんが行くお店(飲食店)は、

なぜか大繁盛するというのです。





「四郎さんが選んで訪れる店は繁盛する」という噂が広まり、

地元のマスコミを巻き込んで、

世に知られることになったようです。





仙台四郎さん、自分が気に入らない店には

どんなに呼ばれても行くことはなかったそうです。



で、そういった店は、遠からず倒産したり

経営状態が悪くなったりしたとか。



今も、仙台四郎さんの写真や人形を飾るお店は多いです。



私の中学の同級生がやっている居酒屋にも

写真が飾ってありました。

繁盛してます。多分。



しかし、そんなことがあるものでしょうか?



仙台四郎さん、特別飲食店経営に造詣が

あったわけではありません。



なぜ、仙台四郎さんが行くお店は

繁盛したのでしょう?



仙台四郎さん、知的障がいを持っていたようです。

知的障がいを持った仙台四郎さんが来店したときに、

お店側がどう対応するか?



その対応に、お店の経営者の

「人格」や「心の質」が現れるのではないでしょうか?



知的障がいの人が来店して、

「面倒くさいなぁ」と思い、それなりの対応をする、

それが仙台四郎さんには伝わったのではないでしょうか?



経営者の「心の質」が仙台四郎さんだけではなく、

他のお客様にも伝わるのでしょう。



知的障がいの人が来店しても、

お店側が温かく迎えて、温かく対応する、

そうした対応のできる心持ちが、

繁盛店につながるのではないかと思うのです。





認知症の女性に対しても、

優しく対応するカフェ。



それが他のお客さんにとっても、

自分を大切にしてもらえるお店、

って気持ちになれるんでしょう。



そして、お客様もそんなお店が無くなったら、

寂しいから応援をする。



ビジネスにおいて、

この経営者の心持って

すごく大事だろうと思うのです。



人格だけでうまくいくとは言いませんが、

一つの大事な条件だと思います。


この記事をシェアする

カテゴリーに関連するおすすめ記事

この記事のカテゴリー から関連する記事を表示しています。

ハッシュタグに関連するおすすめ記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

経営課題を共に解決。

社内研修/コンサルティング依頼や
その他経営に関する様々なご相談は、
以下のお問い合わせフォームから
お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ