コラム - マーケティングのルール

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マーケティングのルール

要らない製品とセレンディピティ

先月、とある企業さん(製造業)で
4年目社員の方々へオンライン研修を行いました。


そのとき、一人の技術職の方から頂いた質問。


「開発をしていて、お客様が求めてない、
というか使い道がないようなものを
開発してしまうことがあります。

そんな時、どうしたらいいんでしょう?」


前後の脈絡はありますが、
そのあたりはおいといて、

市場ニーズに合致しないものを
開発してしまうことがあるが、
そういう開発品に対してどう対応したらいいか・・・

という質問をいただいたわけです。


言ってみれば、完全にプロダクトアウト。

営業がお客様に提案しても、

「うちには今のところ必要ないね」

と言われるのが落ちのようなもの。

挨拶文で紹介したジェフ・ベゾス氏のように
お客様の要望に応えるということで
作られた製品ではないわけです。


皆さんだったら、どのように回答しますか?


その研修では、私から即答はせず、
以下のような投げかけをしました。

「なるほど、なるほど、
プロダクトアウト的なニーズに合わないような
製品を開発してしまうことがある。
そんなときどうしたらいいのか?
ってことですね。

せっかくこれだけの人数(15名)が参加しているんですから、
他の方の意見を聞いてみましょう」

と他の受講者の方の意見を求めました。


他の受講者の方から、色々な意見が出ました。


営業担当の方からは、

「とりあえず仕様を一覧でまとめてもらえれば、
たとえ、必要ないと言われても、
営業ぐらいはして、反応をフィードバックしますよ」

とか

他の技術担当の方からは、

「現状の製品や他社の既存の製品との
違いを明確にするためのポジショニングマップを作成して、
お客様に違いや価値を訴えてみてはどうでしょう?」

とか・・・

それでうまくいくかどうかは、
分かりませんが、お客様が潜在的ニーズに
気付いてもらば、大成功でしょう。

受講者の方からの発言を伺った後、
私がお伝えしたのは次のような内容でした。


『今後成長していく企業というのは、
顧客のニーズに応える製品開発ばかり
やっている企業ではないと思います。

むしろ、お客様からは、

「そんなのどうやって使うの?」

「さすがにそんなのは必要ないなぁ」

「世の中でそんなものが必要とされているとは思えない」

なんて言われるものを開発する企業かもしれませんよ。


今は必要ないと言われていても、
たとえば3年経った頃に、

お客様から営業マンに、

「そういえばさぁ、
3年前に紹介してくれた○○ってあったじゃん。

あれって、どうなった?」

って言われるような商品、

そんな商品を開発できる企業が
成長していくんじゃないですかね』


今は、必要なくても将来、状況が変わって、
必要とされるかもしれない。

変化の激しい昨今、そのような“将来”が
意外に早く訪れると思うのです。


実際、そんな商品が過去にあったのかと言われたら、

我々50代半ばの世代で言えば、

缶のお茶とかペットボトルの水なんてのは、
最初に出てきたときに、
なんでわざわざお金出してお茶を買うの、
水にお金は出さんだろ、って思ったものです。

ちなみに、この話は、4年目社員には全く通じませんでした。

みんなきょとんとした顔をPCの画面越しにしていました。
(オンライン研修でしたので・・・)


それとか、ポカリスエットは、
そんな商品の代表例ではないでしょうか。

最初に出されたときは、

ほとんどの人が「まずい!」ってことでしたし、

試飲した人は、「こんなまずいもの飲ませやがって」と
怒る人もいたそうですから。

それが超ロングセラーになっているわけで・・・。


あと、この質問をされた方にお話をしたのは、

セレンディピティを待つ、

ということでした。


セレンディピティとは、

「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」

という意味。

たとえば、研究者が大発明をしたときに言うこんなセリフ。


「毎日、毎日、実験、実験の連続で、
それでも全くうまくいかなくて・・・

ある日、眠気が限界に来ていたんでしょうね。

本来常識で考えたら混ぜ合わせない薬品を
間違って混ぜてしまったんです。

で、そのままソファで眠ってしまって、
起きたら、今までと全く違った結果が出ていたんです。」

的な感じのものです。


なにか偶然がきっかけで思いもよらない結果が出る、
偶然、面白い使い道が思いつく。

それを待つ。

ただ、そのためには常に頭の中で
「何かいい使い道はないか?」と
考えておくことが必要。

そんなお話をしました。


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