中小企業の勝ちパターン~カスタマー・インティマシーを極める!
私の自宅のほんのすぐ近くに(歩いて30秒)、
なかなか素敵なカフェがあります。
スタバとかドトールとかのチェーン店ではなく、
30代の女性が個人で経営されているお店。
使用頻度はそこそこ高く、
完全に私の「仕事場」になってます。
WiFi環境も整ってますし、
電源は借りられるし、
カウンターに座って、
研修用のテキストを作ったりとか、
資料をまとめたり、報告書書いたり、
とにかく事務作業をするには、
私にとってものすごく集中できる
ありがたい環境なのです。
SinCafe
↓
https://sin-cafe2016.com/74915/
ここに行って仕事をするだけで、
業務効率が30%ぐらいアップしてると
思います。
私にとっては、なくてはならない存在なのです。
もしこのお店がなくなったら、
仕事にものすごい支障が出ます。
飲食店に限らず、どの企業も
お客様に「なくてはならない存在」と
言わせられたら勝ちですよね。
マーケティングの世界では、
お客様にどんなことで喜んでもらうのか、
それによっての勝ちパターンが
大きく3つあると言われています。
①オペレーショナル・エクセレンス(業務の卓越性)
②製品リーダーシップ
そして、
③カスタマー・インティマシー
横文字並べて難しそうに書いてますが、
大したことではありません。
でも、こんな専門用語を使うと、
何となくコンサルタントとしての権威が
増しますから・・・。
一つひとつお話していきましょう。
①オペレーショナル・エクセレンス(業務の卓越性)
これは、いわゆる業務効率化を徹底的に図り、
納期面やコスト面で優位性を
発揮する勝ちパターン。
お寿司屋さんでいえば、
スシロー、くら寿司、かっぱ寿司などの
回転ずしですね。
商品開発、物流、仕入れ、生産、
サービス提供、店舗運営など、
全てにおいて効率化を図り、
早い(短納期)・安い(低価格)を
実現しています。
お客様にとっては、
「安いお寿司をたらふく食べたい」
「気軽にお寿司を食べたい」
「家族で行っても気兼ねなく食べたい」
「さっと入って、さっとお寿司を食べたい」
等のニーズが満たされるわけです。
このニーズがある限り、
「この店がないと困る」
となります。
スシロー、くら寿司、かっぱ寿司にとっては、
それなりに美味しいお寿司を提供しつつ、
他社より効率化することが競争のポイントになります。
続いて、
②製品リーダーシップ
その名の通り、製品・サービスそのものに
他社にはない優れた機能を
持たせることによる勝ちパターンです。
お寿司屋さんでいえば、
高級なお寿司を提供し、
特別なシーンを演出する、
例えば、銀座久兵衛のようなお店でしょう。
銀座久兵衛
↓
http://www.kyubey.jp/
お客様にとっては、
「特別な時を彩りたい」
「大切な人に喜んでもらいたい」
等のニーズを満たしてくれる存在です。
メーカーでいえば、
常に先端技術を盛り込んだ製品を
いち早く開発し、
競合他社がまねできないような製品を
世に出していくことで勝つパターンですね。
「人が持っていないような新しいものを持ちたい」
「人と違う体験をしたい」
そんなニーズが満たされます。
そして、最後が
③カスタマー・インティマシー
これは、お客様との親密な関係を築き、
その関係性をより濃くすることで、
お客様にとっての特別な存在になり、
勝っていくパターン。
お寿司屋さんでいえば、
地元にある個人経営のお店ですね。
お寿司を食べに行くというよりも、
そこのマスターに会いに行くイメージ。
私の場合でいうと、
お寿司屋さんではありませんが、
自宅から7.5㎞離れた居酒屋さんにわざわざ
歩いていくことがあります。
なぜその居酒屋に行くかと言えば、
そこの大将が中学の同級生だからなのです。
関係性がもともと築かれてます。
行くと、他にも同級生がお客として来ていて、
話ができて楽しいわけです。
同級生でなくても、
大将を通して、お客さん同士で仲良くなれる、
そんなお店なのです。
オペレーションを効率化して、
めちゃくちゃ低価格かといえば、
そうではありません。
料理は美味しいです、雰囲気もいいです。
しかし、人生の節目などの特別なときに
使う店かといわれたら、そうではありません。
そこに行けば中学の同級生がいて、
とにかく楽しい。
約束してなくても、中学の同級生に会える。
少なくとも、大将はいるわけです。
この店が無くなったら、困ります。
約束しなくても中学の同級生に会える場所が
無くなってしまいますし、
同級生同士で盛り上がれる場所がなくなりますから。
居酒屋ひかり
↓
http://u-mytown.jp/izakaya/hikari-2/
冒頭でご紹介したCafeの勝ちパターンも
完全に「カスタマー・インティマシー」。
ちなみに、このCafe、開店してから4年ほどしか
経っていませんが、
顧客との関係構築度、スゴイです。
飲食店の顧客関係度や地域密着度は、
何で測れるかと言えば、
お店がお客様の個人名を言えて、
お客様の個別の好みや特性を認識している、
だと思っています。
このCafe、どちらもかなり高いレベルです。
午前中に来店する地元の常連客の名前は
ほぼほぼ言えるでしょうし、
私に関していえば、
どんな時にモーニングのパンを
食べるか分かってますし、
ランチで食べるパスタも、
私の好みに合わせて、
特別に作ってくれてたりしてますし、
何よりどんだけコーヒー1杯で
長居(6時間ぐらい)しても、
全く嫌な顔しません。
その居心地の良さが
このカフェの「競争優位性」なわけです。
例えば、こんなこともありました。
店主と70代の女性の常連客との会話・・・
常連客:「スジャータある?」
店 主:「スジャータ?コーヒーに入れる
フレッシュのこと?これ?」
常連客:「違う、違う・・・
なんだったっけ、あれ、あれ?
スジャータじゃなくて・・・」
店 主:「あぁ、○○さん、
ひょっとしてスムージーのこと?」
常連客:「そうそう、それそれ」
カウンターで仕事しながら、
傍から聞いてて噴き出しました。
なんでスムージーがスジャータになるの?
というのもさることながら、
なんでスムージーと
間違えていることに気付けるんだ?と。
これはお客様からしたら、
居心地がいいでしょうね。
ちゃんと自分のことをわかってくれるわけですから。
まさにカスタマー・インティマシー。
中小企業の多くは、
このカスタマー・インティマシーを
極めるのが経営戦略としての王道なのです。