コラム - マーケティングのルール

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マーケティングのルール

コロナ禍での自問自答~脱近視眼的マーケティングのススメ

『蚊取り線香を作っている2つの会社がありました。

A社とB社。事業内容は全く同じ。


A社は、自分たちの会社を

「蚊取り線香を製造して販売する会社」

であると考えていました。

一方のB社は、自社を
「蚊取り線香を製造し、販売する会社」
とは考えておらず、

「虫のいない快適な生活空間を社会に提供する会社」

であると考えていました。

時代が変化し、“電気蚊取り器”が出てきた。

「蚊取り線香を製造・販売する」と考えていた
A社は、「蚊取り線香」こだわりすぎ、
時代の変化に対応できず、
衰退していきました。

B社は、「蚊取り線香の製造・販売」にこだわらず、
時代の変化に対応し、成長していきました。

A社のように、企業が既存製品を中心に
考えようとする「製品志向」に陥ってしまい、

顧客が何を求めているかを考える「顧客志向」が
おろそかになってしまう状態のことを
マーケティング用語で何というか?』


これ、もう25年近く前になりますが、
私が中小企業診断士の資格を取ろうと勉強していたとき、
「販売管理」という科目の模擬テストに出てきた問題です。


この問題、不思議と頭に残っているんです。


答えは、「マーケティングマイオピア」
もしくは、「近視眼的マーケティング」。


この近視眼的マーケティングに陥ってしまうと、
その枠の中での発想になるため、
発想が貧弱になってしまう弊害が起こります。


上記のA社で言えば、環境変化に対して、
「自分たちは蚊取り線香を作っている会社」と
定義してしまうと、その範囲でしか発想ができない。

でも、そうではなく、
もっと広い視野で自分たちの会社を定義すれば、
その広い範囲で発想ができるわけです。



昨年12月25日(金)のテレビ東京の経済番組「WBS」で、
2つの企業が取り上げられていました。

コロナ禍でどう対応しようとしているか、
ということで・・・。


1社が、飲食業の「株式会社ゲイト」さん。

もう1社が、バス運行会社の「きらり観光」さん。


飲食業の株式会社ゲイトさんが、行った生き残り策は、

・三重県で手掛けている漁業事業を生かし、
 獲った魚でキャットフードを開発する
 (オーガニックキャットフード(ムツミンチ)9,720円
 で既に販売されている)

・学校の解剖の授業や家庭科に魚を提供する

こと。


ゲイトの五月女 圭一社長が語っていたのは、
次のようなことでした。

「僕ら自身も飲食の会社と頭で
思いこまなくていい。

来店型の飲食店ビジネスから
販売にずれるとか、糸口が見つかったらいい
と考えている」


これは、もうまさに「脱近視眼的マーケティング」。

前述の試験問題で言えば、B社の発想です。


※株式会社ゲイトさんのこのときの動画が、
 YouTubeにアップされていました。
 ご参考までに・・・

 https://youtu.be/A1s_MB65BZE



次に、「きらり観光」さん。

実はきらり観光さんは、別の特集内で
取り上げられていたのですが、
非常に対比としては面白いなと思ったのです。

面白いと言ったら、
きらり観光さんに失礼だとは思いますが・・・。

バス運行ですから、コロナの影響をもろに受けています。

昨年の2月27日の時点の様子が
再度放映されていました。

その当時、所有する11台の観光バスのうち、
稼働しているのは1台だけ・・・。


きらり観光さんの場合、利用客の6割以上が
インバウンドで、売上は昨年2月の時点で
1割ほどに減少しているとのことでした。

そのきらり観光は今どうなっているのか?

ということで、取材がされていたわけですが、

きらり観光の社長さんが
オンラインでインタビューに答えていました。


「赤字です。ずっと。

国から8,000万円くらい金を借りているが
底をつきそう。

バス会社だからお客さまを乗せて走るのが仕事。

絶対生き残ってみせます」


意気込みはものすごく伝わってきました。


ただ、このインタビューの内容で気になったのは、
やはり、お気づきだろうと思いますが、

「バス会社だからお客さまを乗せて走るのが仕事」

のところですね。


決して番組の中で、
ゲイトさんときらり観光さんが
対比されていたわけではありませんが、
この考え方の違いは、大きいんじゃないかと思うのです。


間違いなくバス会社さんも
頑張っていらっしゃいます。

ただ、考え方の違いとして、
この対比がおもしろいなと思ったのです。

きらり観光さん、
近視眼的マーケティングの
典型例になってしまっていないか。

近視眼的マーケティングから
抜け出すために、以下のように
考えてみてもいいと思うのです。


「自分たちきらり観光は、
お客さま乗せたバスを走らせているのではない。

(      )をしているのだ!」


この(      )に何が入るか?


例えば、どんなのが入りますかね?

「バスを走らせているのではない。

お客様が知らない土地の魅力を知ってもらい、
その土地を好きになってもらうお手伝いをしているのだ」

とか?

それを考えられたら脱近視眼的マーケティングの
発想ができるかもしれません。


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