コラム - リーダーのルール

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リーダーのルール

精神論で問題は解決できない

先週は京都へ出張へ行ってきました。



京都見物をするような

ゆっくりできる時間はありませんでしたが、

朝、駅に向かう途中で見た鴨川の景色は

やっぱり京都の風情を感じさせてくれました。



ということで、本題に入ります。



私の地元のプロ野球球団、中日ドラゴンズ・・・。



私、小学校3年生からのドラゴンズファン。



そのドラゴンズについて、

今、非常に複雑な心境になっています。



「中日が急に打つようになって、

どんどん勝ち始めたら嫌だなぁ」、と。



ファンなのに、なぜか・・・





先日6月12日(日)、中日が敵地札幌ドームで

BigBossこと新庄剛志監督率いる

日本ハムファイターズと闘っているときのことです。



波留バッティングコーチが、

ベンチ前で円陣を組む選手に

罵声を浴びせたのです。



あまりに不甲斐ないバッター陣に対して、

波留コーチ的には叱咤激励をして、

気合を入れようとしたのでしょう。



波留コーチ

『目を覚ませもっと!!(怒)

いつまで甘えてやってんねん野球!!(怒)

本気でやらんかいアホォ!!(怒)』と。



YouTubeにもそのシーンがアップされています。

興味のある方はどうぞ。

「中日ドラゴンズコーチ波留敏夫ブチギレ」

(※音声が流れます)





試合の展開としては、0-2で負けており、

試合そのものも苦しい状況だったのですが、

その試合までに5連敗を喫して

チームとしても苦しい状況でした。



とにかく打てないんです。



日本ハムには結局3試合とも負けて、

6連敗を喫したのですが、得点が、

1試合目1点、2試合目0点、3試合目0点と

もう悲惨な状況なわけです。



そんな状況で飛び出したのが、

波留バッティングコーチの檄。





で、なぜ複雑な心境かと言えば・・・



中日ファンの私としては、

こうしたコーチの檄で選手が発奮して

打てるようになってくれたら嬉しいのは、

嬉しいんです。ホント嬉しいんですよ。



しかし、しかし・・・



管理職を対象とした研修や、

問題解決を支援する場などで、

次のように言っている立場としては、

複雑なわけです。



「問題の要因を考えるときには、

本当の原因、いわゆる真因を

追求しなければいけません。



真因を引き出さず、表面的な原因に

対策を打っても問題は解決できません。



真因を追求するときには、

5つのポイントがあります。



その一つに、

『意識の要因は更に“なぜ”と掘り下げる』

というのがあります。



例えば、

『生産現場で不良品が発生したのはなぜか?

担当者のやる気がないからだ』



『営業成績が上がらないのはなぜか?

営業マンの気合いが足りないからだ』



これらは、要因解析としてはNGです。

なぜなら意識の要因で終わらせているから。



意識の要因で終わらせるのではなく、

更に“なぜ”と掘り下げる。



「なぜ、担当者のやる気を引き出せていないのか?」

「なぜ、営業マンの気合いを高められていないのか?」

と考える必要があります。



「やる気がないから」を問題の真因としたら、

対策は「やる気を高める」となります。



「気合いが足りない」のなら、「気合いを注入する」

が対策になります。



これで問題解決ができるわけありません。



断言します。

精神論では問題解決は絶対にできません。

これはしっかりと肝に銘じておいてください。』



なんて伝えてしまっているのです。



精神論で問題解決できるなんてことは

絶対にないと思っています。



精神論で状況を打破しようとして、

ことごとく負けを積み重ねたのが

太平洋戦争じゃないですか。



「史上最悪の作戦」と言われる

「インパール作戦」なんて、その最たるものです。



日本人はあの戦争から

もっと学ばなければいけません。



論理的に真因を追求して、

仕組みによる解決策を考えて対策を打つ、

リーダーが行うべき問題解決は、

こうでなければならないんです。



リーダー、管理職、上司の立場の人が、

部下の気合いが足りないことを問題の真因なんて

考えては絶対にいけません。



そんなことをするとしたら、

問題を部下のせい(他責)にしていること

甚だしいです。





だから、複雑な心境なのです。



ファンとしては、波留コーチの檄が効いて、

打つようになってくれたら、

そりゃあ嬉しい。



でも、本当にそうなってしまったら、

日ごろ仕事で言っていることが

覆されてしまいます。



今まで、研修などを受講していただいた方に、

「いや、意外と精神論で問題解決できることもあるじゃん」

って思われたら、それはそれで辛いわけです。



それと、もう一つ、大事なことをお伝えしておきます。



波留コーチのような叱咤をするのは、

相手を見下しているか、子供扱いしていることになります。



相手を大人として扱っていたら、

こんな罵声を発して、叱咤するなんてことはありません。



で、見下された人、子供扱いされた人は、

自分をそのように低く評価する相手を

信頼するわけがないのです。



今までの波留コーチと選手たちとの関係性が

どのようなものかは分かりません。



が、あのシーンだけを見ていると、

もし、私が選手の立場だったら、

この人は信頼できないなと思ってしまいます。



そして、そんなコーチの振る舞いを許している

その上の人も信頼できなくなります。



ここまで言って、これで、もし中日バッター陣が

ガンガン打ち始めたら、

それはそれで仕事に差し支えるなぁと思うのです。



が、まぁ、そんな心配は無用でしょう・・・


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