コラム - リーダーのルール

leader

リーダーのルール

良い上司は部下を騙す

先日、お伺いした企業さんで、

こんなことがありました・・・



社員数は30名ほどの企業さんです。



昨年度より社員さんの問題解決力を

高めるための支援をさせていただいています。



小集団活動の場を使い、

正しい問題解決の進め方を

修得していただこうというもの。





問題解決、って仕事の中で普通にやれていそうで、

実は、なかなかやれていなかったりします。



データを用いずに、感覚で問題を捉え、

感覚で原因を考え、感覚で対策を立案して、

感覚で対策を進めてしまう。



正しい問題解決の進め方を

教育できている企業さんって意外と

少ないのではないかと感じています。



感覚的には、9割の企業さんでだいたい間違った

問題解決の仕方で進めているんじゃないかと

思うほど・・・





もちろん、間違った問題解決の進め方を

しているなんて思ってやってはいません。



正しいと思っているから、

間違っていることに気付けない。



偉そうに言っていますが、

私がもし、しっかりと問題解決の進め方を

学んでいなかったら、

間違った問題解決を行っていたと思います。



これが正しい問題解決だと疑うことなく。



絶対に間違ってやっていた自信あります(^_^;)



なぜこんなに間違えるのか、そのあたり、

なんとなく分かってきました。



が、それは今回の本筋の話ではないので、

元の話に戻します。





その企業さんで問題解決支援をし始めて

2年目になりますが、

毎回、社員さんへの問題解決指導の場に

社長さんが同席していただけています。



社長さんは40代の男性。



先日も同席していただけていて、

問題解決の支援が終わった後、

社長が、社員さんと雑談しながら、

社員さんに向かってこう言っていたのです。



「問題解決、どうしたらいいのか、

分からなくなることもあるよね。



難しい。



でも、見ていて、去年のレベルよりも、

間違いなく上がってると思う。



去年考えられなかったことが、

今年はちゃんと考えられるようになってるから。



このまま今の問題解決の手法で取り組んでいけば、

間違いなく問題解決力は上がるし、

今まで出せなかった成果につなげられるよ!」



俺が言うんだから間違いない、ってぐらいの

ニュアンスが含まれていました。



で、この姿を見ていて改めて思ったんです。



こうしてリーダーが、メンバーに成長を感じさせたり、

取り組みが間違っていないことを伝えて

安心感を持たせることって、やっぱり大事だなぁと。





それによって、

社員さんの心理として、こうなればしめたものです。



「そうかなぁ、自分ではあまり感じないけど、

まぁ、あの社長が言うんだから成長しているかもしれないな。

今の進め方、取り組み方も間違っていないんなら、

もうちょっと頑張って、成果につなげていこう」



と。



暗示にかけるんです。



言い方は悪いですが、いい意味で部下を騙す。



これリーダーとして、本当に大事。



メンバーが能力を発揮してくれて、

成果を出してくれるようになった方が、

リーダーとしても嬉しいはず。



それを実現するなら、

部下を暗示にかける、いい意味で部下を騙すことを

してもいいと思うんです。





その意味では、今年の日本ハムファイターズの

新庄剛志監督の監督就任会見での発言は、

選手にどんな暗示をかけたのか気になるところです。



そうです、例の「優勝なんか狙いません」

のあの一言で。



そうではなく、こう言って、

選手を騙してしまえばよかったんじゃないかとも

思うのです。



「ファイターズを数年間、外から見ていたけど、

強くなる方法は分かってます。



その方法をちゃんとキャンプで実践して、

開幕を迎えられたら、今の戦力で充分優勝を狙える。



BigBossの俺が言うんだから間違いない!



今のファイターズにとって何をすべきかは

十分わかっていますから、

優勝できなかったら、選手が怠けただけです。

怠けさせないよう、

ビシビシかつ楽しくやっていきますよ!」







特に、弱い組織の力のない未成熟な選手(部下)の

場合には理屈抜きで、こうした暗示をかけることが

重要じゃないかと考えています。



「このやり方でやれば勝てる(成果を出せる)」

という暗示にかける。





ただ、暗示にかけようとするときに、

結果を出すための手段として、

「結果への執念を持つ」とか、

「目標必達へのこだわりを持つ」、

「悔しさを忘れない」等という

情緒的かつ抽象的な内容ではない方がいいですね。



しっかりと論理的に通じる手段を前提に暗示にかける。



冒頭の社長さんの例で言えば、

「この問題解決のやり方を進めていけば、

成長できる、成果を出せる」

というように。





その点、私がファンの中日ドラゴンズの

立浪監督はどうでしょう?



解説者のときは論理的な方かなと思っていたんですが、

意外に情緒的な人なのかなという気がしてます。



日ハムとドラゴンズの今後の戦いぶりに注目しています。





新庄監督が清宮選手に

「痩せれば打てる」

といった成果も気になるところです。


カテゴリーに関連するおすすめ記事

この記事のカテゴリー から関連する記事を表示しています。

ハッシュタグに関連するおすすめ記事

この記事のハッシュタグ から関連する記事を表示しています。

経営課題を共に解決。

社内研修/コンサルティング依頼や
その他経営に関する様々なご相談は、
以下のお問い合わせフォームから
お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ