コラム - リーダーのルール

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リーダーのルール

もしも立浪監督がマネジメントを学んでいたら~リーダーはロジカルに伝えられてこそ

9月も中旬となり、
プロ野球のペナントレースも
大詰めを迎えています。


私、一応、中日ファンではあるんですが、
7月ごろには、勝敗に全く興味が
なくなってしまいました。


中日があまりにも弱いものですから・・・。


今は、セ・リーグの優勝争い、
クライマックス・シリーズ進出争いが熾烈で、
その行方が楽しみだったりします。


と、こんなことを
広島に向かう新幹線の中で
9月18日の午後5時頃書いていたら、
その夜「中日立浪監督退任」の
ニュースが飛び込んできました。


ということで、


来年こそは中日ドラゴンズが、
優勝争いに絡んでほしい、
という願いを込めて、
立浪監督ネタをお届けしたいと思います。


あと、立浪監督の慰労の意味も込めて(^_^;)


テーマとしては、


「リーダーは、ロジカルに伝えられてこそ」


です。


ロジカル、日本語でいえば論理的。


ロジカル(論理的)に伝えるとは、
そもそもどういうことでしょう?



主張と論拠が
客観的事実・客観的データ・客観的事例で
説明できることです。


例えば、こういうのはロジカルでしょうか?


上司から、
「客先A社と客先B社のどちらかを
優先的に営業するように」と
言われた若手営業マン。


営業マン:A社を優先させます。
上 司:なぜA社なの?
営業マン:なぜなら、A社の方がB社よりも
                担当者の方がいい人で、
               すごく話しやすいんですよ。

               B社の担当者って
               なんか話が盛り上がらないんですよね。

              A社の担当者には、
              色々お世話にもなってますし・・・。
             だからA社を優先させたいんです。


これは、論理的な説明ではありません。


なぜなら、主張(A社を優先させる)と
論拠(A社の担当者が好きだから)が
客観的事実で繋げられていませんから。


「好きだから」というのは、
主観的感情です。


論拠は客観的事実でなければなりません。


以下のように伝えられてこそ論理的です。


営業マン:A社を優先させます。
上 司:なぜA社なの?
営業マン:なぜなら、A社の方がB社よりも
               過去5年間の売り上げの伸び率が
               5ポイント高いからです。
              また、A社の方がB社よりも今後の
              設備投資計画としての額が多いからです。
上 司:本当に?
営業マン:本当です。このデータを見てください。




説明した相手から、
「なぜそう考える?」「本当にそうなの?」
という、この2つの質問に
客観的事実・事例・データで答えられる、


これが、論理的に説明が
できているということです。


リーダー(上司)は、メンバー(部下)に
指示を出したり、方向性を示すときに、
この「論理的に説明する能力」が
求められます。


特に今の世の中、メンバー(部下)は、
リーダー(上司)が言うことが
絶対ではないですし、
矛盾があって納得できなければ、
その指示には従いませんから・・・




そのためには、
どうしてもリーダー(上司)には、
論理的(ロジカル)に伝え、
納得感をメンバー(部下)に
与える必要があるのです。



論理的に伝える、
ロジカル・プレゼンテーション力、
現代のリーダーにとって必須の能力と
言ってもいいでしょう。



そこで、思い出すのが、
昨日退任を発表した中日ドラゴンズの
立浪監督が1年目(今は監督3年目です)に
選手に出した「長髪・茶髪・ヒゲ禁止令」。


「長髪・茶髪・ヒゲ、禁止!」


選 手:監督!なぜ、強くなるために
            金髪、髭はダメなんですか?


(まぁ、レジェンドと言われるような存在の
立浪監督にこんなことを聞けた選手は
いないと思いますが・・・)



立浪監督:長髪、茶髪のヤツも
                髭を生やしてるヤツもだらしなく見える。
              だらしない選手がいい成績残せるか?
                残せないだろう。
                だから金髪、髭を禁止する。

選手:・・・

(これはあくまでも私の想像です)



この会話で言えば、「なぜ?」に対する
「なぜなら」が主観的感情です。


主観的感情で一番わかりやすいのは、
「好きだから」「嫌いだから」でしょう。


これは、論理的ではありません。


恐らく、「長髪・茶髪・ヒゲ禁止令」に関し、
論理的な客観的事実に基づいた説明は、
できていないと思います。


なぜなら、茶髪だと力が発揮できない、とか
ヒゲはやしはじめると成績が落ちる、
なんてのは客観的事実・データで示せないからです。


また、監督2年目のときに、
再獲得した外国人アルモンテ選手のヒゲは認めるとかで、

「節度ある範囲で、日本人もスポーツマンらしさを
失わなければ、少々はいいとしようかな」

と言い出してしまってます。

今年、巨人から移籍してきた中田翔選手は、
金髪を認めるとか、例外を認めてしまっています。


客観的事実に基づいた主張であれば、
こんな例外を認めるわけありません。

もしも、3年前、立浪監督が、
「なぜ、勝てるチームになるためには、
長髪・茶髪・ヒゲはダメなのか」
を客観的事実に基づいて、ロジカル(論理的)に
選手に伝えられていたら・・・

例えば、こんな感じで・・・

「勝てるチームにするために、
選手には、長髪・茶髪・ヒゲを禁止します。

このデータを見てほしい。

過去20年間で打率2割8分以上を
記録した選手における
長髪・茶髪・ヒゲだった選手の比率だ。

打率2割8分以上の選手で
長髪・茶髪・ヒゲのいずれかに該当した選手は、
11%だけ。89%が長髪・茶髪でもなく、
ヒゲもはやしていなかった選手だった。

次に、これは投手に関してのデータ。

過去20年間で12勝以上した選手の
長髪・茶髪・ヒゲ比率は4%に過ぎない。

96%が長髪でも茶髪でもヒゲでもなかった。

なぜ、長髪・茶髪・ヒゲが選手の
パフォーマンスに影響するのか?

この分析結果を見てくれ。

長髪・茶髪・ヒゲ等外見を気にすると、
どうしても練習中、試合中に
集中力を欠く瞬間がでる。

また、これは、長髪・茶髪・ヒゲの選手に
ヒアリングした結果だが、
手入れが1日平均60分必要になり、
その分体調管理をする時間が削られていることが分かった。

一日60分を髪の毛やヒゲの手入れに使う選手と、
その60分間を体調管理に充てる選手と、
やはり結果に差が出ていることが
このデータからも分かる」


もしも、立浪監督が1年目に
こうしたデータに基づいた説明が論理的に
できていたら、選手からの監督の評価は
変わっていたかもしれません。

「主観的感情で物事を判断する監督ではないな。
客観的事実に基づいて判断してもらえる監督だ。
こうした監督であれば、
間違いのない采配をしてくれるだろう」と。

それによって成績も変わっていたかもしれません。

でも、「長髪・茶髪・ヒゲと成績の相関関係」が
示せるデータなんてないでしょうし、
恐らく、相関関係はないのではないでしょうか?

それを証明できるデータ、私にはないですが・・・。

もし、論理的に説明できなくても、
人を動かせる人がいたとしたら、
それは、余程のカリスマ性を持ったリーダーでしょう。

「あの人が言うんだから間違いない」
と思わせるだけのカリスマ性。

ひょっとすると立浪監督の間違いは、
自分のカリスマ性を過信していたこと
だったのかもしれません。


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