コラム - リーダーのルール

leader

リーダーのルール

真のリーダーは異見をありがたがる

もしも、次のようなケースに遭遇したら、
あなただったら、
どう感じ、どう考え、どう行動されますでしょうか?

部署内で会議をしていて、
結論として「A案でいこう」と
ほぼ固まりかけていた中で、ひとりのメンバーが、

「やっぱりA案よりもB案の方がいいのではないでしょうか?」

と言い出した。


他にも、こんなケース。

部下(後輩社員)と話をしていて、
あなたの考えと違った考えを
部下(後輩社員)が、

「いや、それよりも、こうした方がいいと思うのですが」

と言ってきた。

いかがでしょう?

こんなケースでどう感じ、どう考え、
どう行動されますでしょうか?

もしも、こうしたケースで
「面倒くさいなぁ」とか
「生意気なヤツだ」と思って、
反発心が湧いてしまうとしたら・・・

ちょっと、リーダーとしての考え方・行動を
見直さなければいけないかもしれません。


元ソニーグループのCEO、平井一夫氏の書かれた
「ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」」
という本を読みました。

いやぁ、面白かった!

平井氏の幼少期からソニーを立て直すまでの
経緯が書かれていたのですが、
まるでビジネス小説のようで、
ドキドキしながらページをめくっていました。

本の中では、成果が出なくなった組織を
どう立て直すのか、その手法や
リーダーとしてのあるべき姿等が書かれていて
勉強にもなりました。


その中で、平井氏が強調していたのが、

人の「異見」を聞くこと

でした。

意見ではなく「異見」。


自分の考えと異なった見解をどれだけ
しっかりと聞けるかがリーダーとしての資質に影響する、
と本の中では強調しています。

これ言葉でいうのは簡単ですが、
難しいことなのではないでしょうか?

特にリーダー、人の上に立つ立場の人にとっては、
より難しいことだと思うのです。

本の中では、以下のように表現しています。
本の文章を抜粋します。

『』内の文章が本からの抜粋で、
それ以外の文章は、私の文章です。


『私に遠慮することなく異見をぶつけてくれる人。
それも私とは違った能力を持つ本物のプロを
見つけなければならない。
そんな人材が私のマネジメントチームには必要だった。』(P202)


では、どうしたらリーダーとして、
「異見」を聞くことができるようになるのでしょう?

難しい課題だと思います。


平井氏曰く、

『EQすなわち心の知能指数が
高くなければならないと考えている。
“この人なら考えが違っても自分の意見を聞いてくれるはずだ”
と思ってもらえなければ、
本心からの『異見』を得ることはできないからだ。
特に社長のような肩書を持ってしまうと、
なかなか異見を言ってもらえなくなるものだ。』(P34)

さらにこうも言っています。

『異見を求める心がけ
第1にリーダーはまずは聞き役に徹すること。
第2に期限を区切ること。
第3にリーダー自身の口で方向性を決めること。
そして一度決めたらブレないこと。
私が責任を持つとストレートに伝えることだ。
この人は一度決めたら途中でハシゴを外したり
しないと思われない限り誰も異見なんて
言ってくれはしないというものだ。』(P212)


リーダーは人間性を高める必要が
あるということでしょうね。

私としては、その人間性にプラスして、
人の異見を聞くために以下の能力も、
必要だと考えています。

異見を正しく理解する
「言語力」、「理解力」、「業務知識」、「ビジネス知識」、

聞いた異見を処理できる「問題解決力」、「論理的思考力」。

そして、意見を受け入れるだけの
「度量」も求められると思います。


部下に異見を言われて、
「何だこいつは、めんどくさい奴だ」とか、
「こいつに負けるわけにはいかない」とか
変なところで部下(後輩)と張り合うようでは、
度量が狭いです。
(しかし、これがなかなか難しい)

まずは、「部下やメンバーに異見を言われても、
それで自分の価値が下がるわけではない。
なぜ、この人はこうした考えをするのだろう?
そこをしっかりと聞いてみよう」と
考えるように意識することだと思います。

これが度量の広さに繋がります。

ただ、この考えを持つためには、
「問題解決力」が必要になるとも考えています。

問題解決力があれば、
「異見」をどれだけ言われても、
そこから結論を導き出すことができますから。

では、どうしたらそんな問題解決力が
身につけられるのか?

ぜひ、私の「問題解決力強化講座」
にお申し込みください、

ってことではないですね。

「問題解決力を高める」ためには、
「絞る」という概念を持って、
「異見」を聞くことを意識していただければと思います。


「なるほど、○○ということだね。
で、一番のポイントは何かな?」

「一番違っているのはどの点かな?」

「最も実現したいことは何かな?」

と「一番」とか「最も」とか「特に」と
いった言葉を使って絞らせるといいです。


あれもこれも言われて、あれもこれも実現しなければ
ならないのかとなってしまうと、
話がなかなか前に進まなくなります。

つまりは問題解決できないということになります。

問題解決力を高め、度量を広げ、
今よりももっと高いレベルで人の異見を聞ける人になる。

そのために、お互い頑張っていきましょう。


最後に平井氏の本の抜粋で、
いくつか“なるほど”と思った個所を
挙げてみたいと思います。


『再生のために何から手をつけるべきか。
これはSCEA(ソニーの子会社)の時と同じだった。
まずはそのためには社員の話を聞いて
社員たちが会社に対して、
そしてプレイステーション3に対して
何を思っているのかを知る必要がある。

そこからやるべきことを抽出して行くのだ。

“今、プレイステーション3には何が求められているのか”
“SCEが目指すべき成功の形は何か”
“それを達成するためにはどんな問題が存在しどう対処すべきなのか”

こんな作業を繰り返すうちに
いくつかのテーマが見えてきた。

その中でも最初にはっきりさせないといけないのは
“プレイステーション3とは何かSCEとはどういう会社なのか”
という根本的な部分だと考えた。

商品と会社のポジションを
明確にさせると言い換えてもいいだろう。』 (P129)


『難しい判断になればなるほど、
特に心が痛むような判断であればそれだけ、
経営者は自らメッセージを伝えなえればならないということだ。
リーダーはそういうシーンで逃げてはならない。』(P86 )


『知ったかぶりというのは部下には
すぐに見抜かれてしまうものだ。
リーダーの資質として重要なのは
「だったらサポートしましょうか」と
部下たちに思ってもらうこと。
「この人知りもしないでよく偉そうなことばかり言うよな」
と思われたらアウトだ。』(P134)


と、色々考えさせられて、
学びの多かった本だったんで、
メルマガネタに引用させてもらいました。


追伸:
私、ソニーファンなんです。
カセットテープは、maxellよりもSONYでしたし、
iPodではなく、やっぱりウォークマン。

ソニーの復活がなければ、
日本経済の復活はないと信じてました。

ソニーは復活したのに、
なかなか日本経済は復活しないですね・・・。


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