ロシアが、2月24日にウクライナに侵攻して
1か月以上が経ちました。

なぜ、ロシアが侵攻しなければいけなかったのか、
ロシアにはロシアの言い分はあるでしょう。

しかし、テレビを通して、
ウクライナの美しい街並が砲弾を受けて廃墟と化し、
涙ぐむ市民の人たちを見ていると、
なんとも胸が締め付けられます。

今まで普通に暮らしていた環境が、
自分では抗いようのない巨大な力で
破壊されてしまう・・・

市民の立場としては、他国の人に対して、
何も悪いことをしていないのに。


この理不尽さは一体なんでしょう？

それが戦争と言えば、そうなんでしょうけど。

そう考えると、日本人は
あれだけ国土をアメリカに蹂躙されながら、
その国をよくこれだけ受け入れたものです。

なんなんでしょうね、この日本人の国民性は。
寛容なのか、淡泊なのか、卑屈なのか・・・


今回は、そのウクライナとロシアの戦争から、
仕事に活かせることを書いてみたいと思います。
あくまでも私が持ち合わせている
非常に限られた情報をもとに書いていきます。

ですから、政治的な難しいことなどではなく、
我々の身近な仕事に活かせる程度の内容として
受け取ってください。


昨日3月30日にもウクライナとロシアの
停戦交渉が行われました。

ウクライナ側はNATO（北大西洋条約機構）に
代わる安全保障の枠組みを提案、

ロシアもキエフ周辺などので軍事作戦を
大幅に縮小することを提案、

が、なかなか停戦には至っていません。


仕事においても、こうして両者の意見が
対立することはあるでしょう。


例えば、
例①  
Aさん：「ここは値下げして、
　　　　新規顧客獲得を目指しましょう！」
Bさん：「いや、値下げは絶対にダメ！
　　　　商品や会社のイメージが悪くなる」

とか

例②  
Aさん：「組織力を上げるにはリーダーの教育が最重要だ」
Bさん：「いや、組織力を上げるのはリーダーへの教育ではなく、
　　　　　メンバーの自主性を高める教育が最優先だ！」

とか・・・。

まぁ、ウクライナとロシアの停戦交渉レベルに
比べたら、簡単な話だろうと思います。


こんな時に使える手法があります。

「対立解消図」。

（そのまんまやん！
私が考えたものではありません(^_^;)
制約理論を提唱したエリヤフ・M・ゴールドラット博士が
考案した手法です）

一見対立していて、相容れないように見える意見同士の
対立関係を解消して、両立させてしまおうという手法です。

例①でいえば、
「値下げ」と「価格維持」という対立関係。

例②でいえば、
「リーダー教育が最優先」と「メンバー教育が最優先」
という意見の対立。

この2つの対立を解消し、
両立させてしまおうというわけです。

ウクライナとロシアで言えば、

ウクライナ：「NATOに加盟したい」
ロシア：「NATO加盟は許さない」

（めちゃくちゃ単純に言ってます。）


この対立を解消するにはどうしたらいいか。

そのために、まずこう考えます。

例①を使ってお話しましょう。

「値段を下げて、実現したいことは何か？」
「値段を下げないことで、実現したいことは何か？」

簡単に言えば、両者の目的を確認するわけです。

更に、その実現したいことを実現して、
その先に実現したいことは何か、を考えます。

a.値段を下げる
　　　↓実現したいことは？
b.新規顧客の獲得（売上の拡大）
　　　↓実現したいことは？
c.利益額の増加


d.値段を下げない
　　　↓実現したいことは？
e.商品・会社のブランドイメージ維持・向上
　　　↓実現したいことは？
c.利益額の増加

というように、

実現したいこと（目的）を考え、
その実現したいこと（目的）が、
両者間で共有できれば、
対立は解消できるはず、と考えます。

図にするとこんな感じ。
ちなみに、「対立解消図」と言います。

そのうえで、
以下の4つの視点でアイデアを出していきます。

①  a.×e.
値段を下げても、
商品・会社のブランドイメージを
毀損させないいい方法はないか？

②  d.×b.
値段を下げずに、
新規顧客を獲得するいい方法はないか？
（売上を上げるいい方法はないか？）

③  b.×e.
商品・会社のブランドを維持しながら、
新規顧客を獲得するいい方法はないか？
（売上を上げるいい方法はないか？）

④  a.×d.
そもそも値下げと値段維持を両立させる
いい方法は何か？

※例えば、特定製品だけ、特定の顧客だけ、
　特定の地域だけ値段を下げるとか・・・

これらの中で何かいい方法が見つかれば、
対立が解消される方向性が見えてきます。


ウクライナとロシアで考えてみましょう。

「ウクライナがNATOに加盟して実現したいことは？」
「ロシアがウクライナに
　NATO加盟させずに実現したいことは？」

NATOに加盟
　　↓実現したいことは？
他国からの侵略を受けない
　　↓実現したいことは？
自国民の平和な生活


NATOに加盟させない
　　↓実現したいことは？
民主主義の世界的影響力の拡大防止
　　↓実現したいことは？
社会主義政権の維持
　　↓実現したいことは？
プーチン大統領の独裁
　　↓実現したいことは？


あれ？

両者の共通の目的が見えません・・・。

ウクライナ側は、NATOに加盟せずに、
他国からの侵略を受けないいい方法はないか、
ということで、

関係国との新たな安全保障の枠組みを
提案しています。

が、ロシア側が受け入れるのは、
なかなか難しそうです。


ただ、「自国民の平和な生活の維持」という目的は
本来共有できるはずなんですが・・・。

こうやって考えると、
日本と北朝鮮にも共通の目的も
存在しなさそうです・・・。