コラム - 人材育成のルール

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人材育成のルール

新入社員の力を引き出す魔法の言葉

3月も半ばになりました。





来年度の新入社員を迎え入れる準備で

お忙しくされている方も

いらっしゃることでしょう。



今回のメルマガでは、

新入社員を受け入れる部署の

先輩社員、上司の方々に向けて

お話をしたいと思います。





ぜひ、実践してもらいたいことです。





今回お伝えすることを実践していただければ、



新入社員は、より力を発揮してくれるようになるでしょう、





更には、



新入社員といい人間関係を作れ、

新入社員の離職も防げ、





新入社員に「この部署に配属され、

この先輩、この上司に会えてよかった」と

思ってもらえるでしょう。







ちょっとハードルを

自分自身で上げ過ぎた感はありますが、

それぐらい効果があることです。





結論からお伝えします。



新入社員が配属されたあと、

初めて仕事を任せるときがあるはずです。



その仕事の出来に関して、

それが、どんなレベルであろうと、

こう言っていただきたいのです。



『おぉ、想像していたよりもいい出来だよ。

いい新人に来てもらえたなぁ』と。



こう聞いて、ひょっとすると

こう思われた方もいるかもしれません。



『いやいや、本当に出来が良ければ、

そう言えるかもしれないけど、

出来が悪かったら、嘘をつけってこと?』と。



嘘をつく必要はありません。



最初の期待レベルを下げておけばいいだけです。



“想像したよりも”ってことですから。



質の面で評価できないのであれば、

「思ったよりも早く仕上げてくれたね」

でもいいでしょう。



とにかく出来や取り組みの姿勢に関して、

良い評価を与えてあげてみるのです。





なぜ、こう伝えるといいのか?



そこには、こんな人間心理があります。



『人は、他者の期待に応えたがる』

『人は、周りの人が評価した通りになっていく』



教育心理学では、『ピグマリオン効果』

といわれていたりします。



先の例でいえば、

「いい出来だ」と良い評価をしてもらった部下が、

次に仕事を任されたとき、

どういう心境になるでしょう?



「良い評価を維持したい」と

いう心理が働きます。



「良い評価を与えてくれた人を

失望させたくない、期待に応えたい」と

なるわけです。



これが継続すれば、その結果、

周りの人が評価した通りになっていくのです。





逆のことを考えてみてください。



「今年の新入社員はホントだめ。できない」

と評価されていることが、

新入社員に伝わったとしましょう。



そうなると、「デキない社員」の

評価通りの行動を取ってしまうのです。



そして、その評価通りになっていく・・・。





周りの「あいつはダメ」という評価に抗って、

「人が何と言おうと、私はできる人間だ」と

奮起できる人は、ごくわずかです。



いわゆる天才肌の人は、これができるのですが、

なかなか少ないでしょう。





話は変わるようですが、

先日「嫌われた監督」という本を読みました。



中日ドラゴンズで2004年から2011年まで

8年間指揮を執った落合博満氏について

書かれた本です。



その中に、こんなエピソードが書かれていました。



落合監督就任1年目の2004年2月1日、

中日はなんとキャンプ初日に紅白戦を行ったのです。



プロ野球に興味のない方は

分かりにくいと思いますが、

キャンプがスタートするは全球団、

2月1日と決まっていて、

その初日にいきなり実戦形式の紅白戦を

行うことは非常識なのです。



キャンプを通して、

実戦で戦える体を作っていくのが普通ですから。



それを落合監督は、

キャンプ前に「2月1日に紅白戦を行う」と宣言し、

実際に行ったわけです。





その紅白戦が終わった後の

落合監督のコメントが、次の通り・・・





「あいつらは大人だったよ。

俺が思っているよりもずっとな。

俺の予想をはるかに超えていた。

あいつらはみんなプロだよ」





監督からこのように評価されたら、

その評価を維持すべく、

選手は「大人」にならざるを得ません。



練習も体調管理も、試合の準備も

「大人」として取り組むことになるでしょう。



ここでいう「大人」というのは、

「周りからこうしろ、ああしろと

言われて行動するのではなく

自分で考えて行動できる選手」と

いうことです。



「大人だ」「プロだ」と評価されたら、

その期待を裏切らないように行動するのです。



(ちなみに、落合監督、1年目には

こうした選手に対するプラスの評価を

よく口にしていたんですよね。



それがなぜか2年目からは

あまり言わなくなった気がします。



1年目、ブログにもいろいろネタに

させてもらった記憶があります。)





ぜひ、この人間心理を活用してみてください。



『いや、本当にできない人間に、

できる、できるって言えないよ』

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。



いいんです。

そこはもう理屈抜きです。



とにかく「いい評価」をしてあげる。



言っている側もそのうち不思議と

本当にできる社員と思えるようになってきます。



なにより、そう評価された社員は、

本当にできる社員になっていきますから。





追伸:

他にも、新入社員の力を引き出し、

定着化させるために、

先輩社員・上司の方に知っておいてほしい

いろいろな考え方・手法があります。



若手社員の離職の多さで悩んでいたとある企業が

離職率を30%から2年で2%未満に

劇的に改善できた考え方・手法です。



関心があれば、ご一報ください。


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