コラム - 仕事のルール

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仕事のルール

部下の頑張りによる成果を良しとしない

新型コロナウイルス、

2月27日には、学校の一斉休校が要請され、

4月7日には、緊急事態宣言が出され、

経済活動や移動に制限が課せられました。



その後、緊急事態宣言が解除されたのが5月25日、

新規感染者数を抑え込むことができました。


と、ホッとしたのも束の間・・・


6月末ごろから1日あたりの新規感染者数が
増加傾向に転じ、今のところ減る傾向が
見られない状況になっています。


私が住む愛知県でも、
県独自の緊急事態宣言が出されました。


1日あたりの新規感染者数だけで
判断するのはなんとも早計な気もしますが、
6月の頃の安堵感は薄らいでいるのではないでしょうか。



夏になればインフルエンザと同様、
小康状態になると期待していたのに・・・


第二波が来ることは覚悟してましたが、
第一波よりは低い波になると思っていたのに・・・


しかし、せっかく「自粛だ」「Stay Homeだ」
ということで抑えこんだ感染拡大が、

こうもあっという間に元の状態に
戻ってしまうとは・・・。


ここで、思うのは、

「人の頑張りは、そんなに長く続かない」

ということ。


これは、ぜひとも管理者の方に
念を押しておきたいことなのです。



緊急事態宣言が解除された5月25日、
安倍総理大臣は、

「日本モデルの力を示せた」

と国民や世界に発信しました。


改めてお伝えするまでもありませんが、
日本モデルのポイントは次の通りでした。


・社会・経済機能への影響を最小限にする

・大規模なPCR検査ではなく、
 クラスター対策を基本とする

・重症患者を優先して医療を提供することで
 死亡率を低下させる

・感染のピークを遅らせ、
 治療薬やワクチン開発の時間を稼ぐ


そして、これらのすべてのベースにあったのが、

「国民一人ひとりの頑張り」

だったと思うのです。


「外出制限」「Stay Home」と、
とにかく国民一人ひとりが頑張った。


頑張ったからこそ、成果を出せた。

法律で外出が規制されていたわけでもないですしね。


なぜ、国民の頑張りによる成果だったと
断言できるかと言えば、
元の状態に戻ってしまっているからです。


頑張りによらず、仕組みによる成果であれば、
今回のように元に戻ることはないはずです。




決して、安倍総理のことを悪く言うつもりはないです。
(相対的には支持派ですし)

また外出規制の法律を制定しろ、
と言うつもりもありません。


あくまでも、マネジメントの観点で語りたいだけ。


今回の日本モデルは、組織内で言ったら、
こんな感じです。


上司が、組織の成果を出すために、

部下に「とにかく頑張れ!」「動け!」と
行動を促した。

(※コロナの場合は、「動くな!」ですね(^_^;))


そして、部下がとにかく頑張って成果が出た。

そうしたら、上司が、

「うちの部署、すごい成果を出せたでしょう!」と

役員会か何かで、自らの手柄のように
発表しているようなものかなと・・・。



管理者は、部下の頑張りによる成果を
良しとしてはいけません。


管理者の役割は、

「部下が頑張らなくても、
成果を出し続ける仕組みと風土を作ること」

です。


こう言ってしまうと多少の誤解を招きそうですが、
部下が頑張らなくてもいい、
と言っているのではありません。


もちろん、部下の立場からしたら、
一生懸命自分の役割を果たせるよう
頑張らなければいけません。


ただ、管理者が自分自身の役割を
捉えるときには、

「部下の頑張りによる成果を良しとせず、
仕組みで成果を出し続けられるようにする」

と認識していなければいけないということです。



人の頑張りは、そんなに長続きしません。


部下が頑張っているうちは、「成果」を出せるが、

頑張らなくなったら、すぐに元の状態に戻ってしまう、

達成した目標レベルを維持できなくなる。


これでは、組織としての長期的な成長は見込めません。



新型コロナウイルスを抑え込むために、
どんな仕組みが考えられるのか

これが難しい・・・


この仕組みを考えるのが難しいからこそ、
管理者は、「頑張れ」となってしまいやすい。


今回の新型コロナウイルス、
安倍総理が言う「日本モデル」の成否から、

管理者の方にはこんなことを
学んでいただきたいと思い、

今回のブログでお伝えさせていただきました。


管理者としては、
仕組み、すなわち標準といていいでしょう、
それを作って、徹底させていくことで、
成果を出し続けられるようにする、

それを徹底的に考えていただく必要があります。


仕組み・標準を作るとは、

「人が変わっても、時が変わっても、
期待する成果が出せるようにする」

ということ。


「去年はうまくいったけど、今年は全然だね」

とか

「あの人がやるとうまくいくけど、
 他の人がやるとうまくいかないね」

というのは、仕組み・標準がない証拠です。



もう一つ、最後に付け加えるとしたら、

仕組みばかりを作っていたら、やるべきことが
どんどん増えていきます。

管理者の役割として、

作った仕組みの改善・廃止を
部下に推進させていくことも

挙げておきたいと思います。


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