コラム - 組織のルール

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組織のルール

目的に不可欠な要素とは・・・

前回のブログでは、
以下の内容をお伝えしました。



「仕事では、目標だけではなく、
なぜその目標を達成する必要があるのか、

目標の先にある“目的”を
明確にする必要がある」。



目的を明確にし、共有することで、
チームでいえば、一体感が高まりますし、
メンバー一人ひとりの仕事に取り組む意識も
変わってきます。


しかし、こうお伝えすると、

「えっ?!それ本当ですか?
うちでも目的をチーム内で共有してるんですが、
そんな効果、全然感じないんですよ・・・」

とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。


その場合、ひょっとすると、
目的は確かに明確にし、
共有はできているのかもしれません。

しかし、目的に不可欠な要素が
織り込まれないまま共有して
しまっていることが考えられます。


結論からお伝えしますと、
仕事で目的を明確にするときに、
織り込むべき不可欠な要素とは・・・


「顧客視点」

なのです。


この視点を忘れて、目的を共有しても、
実は、逆効果になることだってあり得ます。

社員のやる気を削ぐという・・・。


例えば、こんなケース。


とある営業部長さんが私に語ったことです。


「うちの営業マンは目標数字に対する
こだわりが低すぎる。

もっと数字にこだわって
営業してほしいんだけどねぇ。

目標数字にこだわって営業してれば、
もう1件、客先に訪問しよう、って
意識になると思うんですよ。

数字にどん欲になって、
訪問回数を増やしてほしいんだけど、
なかなかそうならないだよねぇ」。


この営業部長さんの話からすれば、
こうなります。

訪問件数を増やしたいのは、
何のためか?

『売上目標を達成するため』。

至極当たり前です。

営業の部長さんでこういう発想をしない人は、
あまりいないでしょう。

また、こう考えない営業部長さんは、
目標達成できる可能性が低いです。


何が間違っているのか?

いえいえ、間違ってはいないんです。

足りない視点があるってだけ。

この目的だと、
完全に「自分視点」だけなわけです。


「自社の売上を上げるために
お客様に訪問する」ですから。


「顧客視点(他者視点)」という要素が
抜けています。


「自分(自社)視点」と併せて、
「顧客視点(他者・他社視点)」でも目的を
表現できればいいんです。


例えば、上記の営業部長さんは、
製薬会社の営業部長さんだったのですが、
その例でいえば、

「自分視点」:
「自社の売上目標を達成するために訪問件数を増やす」

「顧客視点」:
「もう1件多く訪問すれば、
先生(お医者さん)が知らない情報を提供でき、
ひょっとすると、それで救われる患者さんが
一人でもいるかもしれない。
そのために訪問件数を増やす」

って感じでしょうか。


なぜ、訪問件数を増やさなければいけないのか、

「売上を上げるため」ってだけだと、

きっと社員は疲弊してきます。


それでは、長期的にモチベーションを
維持するのは、なかなか難しいです。

売上目標に際限はないですからね。


もちろん、本音の部分では、
「売上を上げるため」でもいいです。

それと併せて、
「一人でも多くのお客様に役立つため」って
顧客視点(他者視点)で目的を
描いてもいいと思うのです。


この両方が揃って、仕事としては、
健全な意識が持てるのではないでしょうか?


ちなみに、昨日、お昼に、
とある回転寿司屋に行ったのですが、
カウンターに座ると
目の前にこう書いてありました。


『お好みの辛さでお寿司を召し上がって
いただくために、当店では
“ワサビ抜き”でお寿司を提供しています』

と。


こりゃもう完全に本音は、
ワサビ抜きにする目的は、
「業務を効率化するため」ですよね。

回転寿司の大命題は「業務効率化」ですからね。

でも、「うちの業務効率化のために、
当店では“ワサビ抜き”で提供しています」
とは言わないわけです。

あくまでも顧客視点。

この両方をしっかりと考える癖を
社員さんに身に付けさせていくことが重要です。


そのためには、業務の目的を考え、共有する際に、
「何のためにこれを行う?」だけでなく、

「誰に、どうなってもらうために行う?」
という質問に答え合えればいいと思います。


ということで、台風に気をつけながら、
素敵な3連休をお過ごしください。


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