コラム - 人材育成のルール

human_resource

人材育成のルール

息子よ、それは言ったらあかんのよ(涙)

先日、珍しくダイニングで勉強していた
うちの息子(小6)。

社会かなにかの問題集を解いているようでした。


「なに~、この問題!」だの
「えぇ!こんなん簡単じゃん!」
だのなんだのと大声を発しながらで、
黙々と真剣に問題に向き合っている感じでは
ありませんでした・・・(T_T)


で、一通り解き終えて、答え合わせ・・・。

そうしたら、なんと全問正解
だったらしいのですが、
そこで言い放った言葉が、
心理学的に言えば、
言ってはいけない一言だったのです。

なにか・・・


「俺って、天才!」



いやいや、子どもなんだから、
それぐらい自信持った方がいいんじゃない、
と思われたかも知れません。

しかし、しかしです、
これ、心理学でいうと、
言ってはいけない言葉なんですよ。


で、更に追い打ちをかけたのが、
私が投げかけたことに対する返答でした。


これまた心理学的には、
あまり言ってはいけない言葉だったんです。


私:「○○(息子の名前)よ、
   全問正解ってのはすごいな!
   で、『オレ、天才!』以外に、
   全問正解できた理由はないの?」

息子:「う~ん、問題、簡単すぎ!」

私:「・・・・(T_T)」



どういうことかと言いますと・・・


心理学に「ワイナーの達成動機付け理論」という
ものがあります。


米国の心理学者バーナード・ワイナーが
提唱した理論でして、
ものすごく簡単に言うと・・・


成功(目標達成)への意欲がある人と
ない人の違いは、何か物事がうまくいったとき、
もしくはうまくいかなかったときに、
その原因をなんとするかに表れる、
という理論なんです。


これでは、ちょっと分かりにくいと思いますので、
一つ事例を出しましょう。


例えば、あなたが、
なにか資格試験に挑戦して、合格したとしましょう。

そのとき、「なぜ合格できたんですか?」
と聞かれたら、何と答えますか?


もしくは、逆になにか仕事で
チャレンジをしたんだけど、
残念ながら思わしくない結果に
なってしまったとしましょう。

そのとき、「なぜ失敗したんですか?」
と聞かれたら、何と答えますか?


と、こうしたうまくいったとき、
うまくいかなかったときの原因として、
どんなことを挙げるかで、
その人の成功(目標達成)に対する意欲度合いが、
分かるというわけなんです。

成功の確率度合いも分かりますね。

意欲が高い方が、成功する確率は
高いわけですから。


で、ワイナーの達成動機付け理論では、
まず、うまくいったとき、うまくいかなかっとき、
それぞれの原因は次の4つがあるとしています。

①努力
②能力
③課題の困難性
④運


先ほどの資格試験の事例で言えば、

「なぜ、合格できたのですか?」

①努力
「まぁ、頑張って勉強しましたから。
それなりに努力しましたからね」

②能力
「なぜって?まぁ、実力かな」

③課題の困難性
「こんな資格試験、誰でも受かりますよ。
簡単ですから」

④運
「いやぁ、ついてました!
だって、直前に見た問題がそのまま出たんですから!」

って感じでしょうか。


仕事でうまくいかなかった事例で言えば、

①努力
「私の努力が足りませんでした。
もう少し頑張れることはあったかもしれません」

②能力
「私の能力がないんです・・・」

③課題の困難性
「こんな仕事、誰がやってもうまくいかないですよ。
難しすぎます!」

④運
「う~ん、ついてなかったです・・・」

なんとなく、お分かりいただけるのではないかと思います。

で、ワイナー曰く、
「成功意欲(目標達成意欲)があり、
成功確率の高い人は、
うまくいったときも、うまくいかなかったときも
その原因を『努力』にする」
とのことなわけです。


まぁ、そうですよね。


成功するためには、「努力」しなければ、
何ともならないわけで、
「能力」や「課題の困難性」、「運」のせいに
していたら、「次も頑張ろう!」「次は頑張ろう」
って気持ちにはなれないですからね。


で、息子の言葉、
「俺、天才!」は、②の「能力」ってことですし、
「問題が簡単!」は、③の「課題の困難性」
なわけです・・・。

成功しない人の思考パターン、
そのものじゃないかぁ!(T_T)


息子よ、お前は、頑張っている、
頑張っているから、問題が解けたんだよ。

そう思って、次も頑張る意欲を高めてくれ。


追伸
ちなみに、うまくいかなかったとき、
「能力の無さ」を原因にするのは
精神的に辛いですし、
やっぱり「努力しなかった」とするのも、
結構きついです。

いったん、「難しすぎるわぁ」とか
「あんな奴と一緒にやらなきゃいけないなんて
ついてなかったわぁ」とか
「課題の困難性」や「運」のせいにする。

それによって、ストレスを発散させたうえで
「いやいや違うな、自分がどうだったかを
考えなきゃいけないな」と「努力」に
起因させるのも、精神衛生上は
ありじゃないかなと思ってます(^_^;)


この記事をシェアする

カテゴリーに関連するおすすめ記事

この記事のカテゴリー から関連する記事を表示しています。

ハッシュタグに関連するおすすめ記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

経営課題を共に解決。

社内研修/コンサルティング依頼や
その他経営に関する様々なご相談は、
以下のお問い合わせフォームから
お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ