コラム - 組織のルール

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組織のルール

組織の原則~中日ドラゴンズ浮上のカギは立浪監督が○○しないこと

野球の世界大会、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の

第5回大会が3月8日に開幕しました。



3月21日の決勝戦まで熱戦が、

繰り広げられることでしょう。



日本代表の侍ジャパンは、昨日中国との初戦で8-1と完勝!

いいスタートを切れました。



今日は、韓国との試合が待っています。



今回は、今までの大会よりも

盛り上がっている気がするんですが、

私だけですかね?



大谷さんの存在の大きさから?

コロナで3年間待たされたから?

昨年のサッカーワールドカップの名残のせい?



ということで、

今回は、このタイミングですし、

野球ネタでお話をしたいと思います。



私がファンである中日ドラゴンズにまつわる話。



中日ファン以外の方には、読んでもなんのこっちゃって

なるかもしれません。



でも、組織を機能させ、成果を出すための核心を

突いた話ではないかと思っています。



ぜひ、野球ファンじゃない方も、中日ファンじゃない方も、

お付き合いください。





さて、今年の中日、ファンの目から見て、

少し期待ができるんじゃないかと思っています。



ピッチャー陣は、

左の大野、小笠原、右の柳に日本代表の高橋、

それと楽天から移籍してきた涌井と

結構揃ってます。



バッター陣は、

新加入のアキーノ次第って感はありますが、

新人の田中がいい感じだし、

去年開花した岡林に龍空、

ケガからの復帰が待たれる石川、

と楽しみはあります。



が、中日が上位に食い込むためには、

一つ条件があると思っています。



それは・・・



「立浪監督が野手陣に指導しないこと」。





打撃に関しても、守備に関しても指導しない。



1年目の立浪監督を見ていて、感じていました。



「立浪監督は、本当に野手に教えることが好きだよなぁ」

と。



ちょっとうがった言い方すると、

「選手たちの兄貴分でいたいのかなぁ」

と。



監督就任時に、「打つほうは私が何とかします」

とコメントしていました。



今にして思うと、立浪監督の

「選手に教えたい、指導したい、

選手の打撃を変えてやりたい」

という気持ちが表れていたコメントだったのではと思えます。





昨年の秋のキャンプで、ブライト健太選手のために、

立浪監督が考案した「打撃フォーム矯正グッズ」。



あれを見たときには、

「やっぱり立浪監督、教えたがってる」

と思ったものです。



と、同時に、

「監督がこんなことやっているうちは、

中日、勝てんわなぁ」

と感じていました。



参考までに
打撃フォーム矯正グッズ⇒https://www.chunichi.co.jp/article/575954





なぜ、立浪監督が野手陣に指導しないことが

勝つための条件なのか?



それは、

監督の責任(使命)は「勝つこと」だからです。



「打てるようにすること」ではありません。





『いやいや、勝つために

監督自ら打撃を指導しているんじゃないの?』

と思われるかもしれません。



が、打撃の指導をして

野手に打てるようにさせる責任は、

監督にあるわけではありません。



それは打撃コーチにあります。



立浪監督がどんだけ打撃指導して、

チーム打率が、2022年の.247から.260に

上がったとしても

監督としての評価は高まりません。



事実、昨年のチーム打率リーグ1位(.257)の

広島カープは、リーグ5位の成績に終わり、

佐々岡監督は解任されています。



繰り返しますが、打つようになったからといって、

監督は評価されません。



監督の責任(使命)は、

打てるようにすることじゃないですから。

勝つことなんです。



打てるようになって評価されるのは、

打撃コーチ。



チーム打率が.260に高まったとしたら、

評価されるのは今年から打撃コーチになった

和田コーチです。



「和田コーチ凄い!」

となって、他のチームからも

ひょっとすると日本代表チームからも、

打撃コーチとしての

オファーが来るようになるかもしれません。





リーダーは、組織における「責任と権限」、

これをしっかりと認識しなければいけません。



立浪監督にしてみたら、

野手に打撃指導してる時間があるなら、

どうしたら勝てるかを

考えなければいけないんです。





そして、組織論としてもう一つ、

監督が野手陣を指導してはいけない理由があります。



階層を飛び越えて上位者が指示をしてしまうと、

組織としての指示命令系統が混乱をしてしまいます。





立浪監督が野手に

「もっとバットのヘッドをピッチャーに向けて、

もっと軸足に体重を残して、

こうしてバットを遅らせるイメージで振るんだ」

と指導(指示)をしてしまったら、

打撃コーチを飛び越えての指示になってしまいます。



こうなると、打撃コーチは、

「自分の存在価値は何なんだ?」

「打撃指導に関しては

任せてくれたんじゃないのか?」

という不満が募ります。




打撃に関しては、

コーチに権限が委譲されているはずですから。



その委譲されたはずの権限を

上位者が侵食しては組織が

うまくいかなくなるのです。





野手陣は野手陣で、

「コーチに言われたこともあるし、

どっちを優先させたらいいんだ」

という混乱してしまい、行動が鈍ります。



行動が鈍れば成果は出にくくなります。





これ、会社組織にもありませんか?



社長なり部長が、課長や係長を飛び越えて、

現場に指示をしてしまう、ってこと。



上位者の気持ちは分かります。



特に中小企業の社長さんからしたら、

全部自分で会社を動かしたい、

という本音はあるでしょうし、



こんな小さな組織で部長も課長もないだろう、

社長の自分がどんどん指示を現場に出して、

何が悪いんだ、その方が早いじゃないか、

という気持ちもあるでしょう。



でも、それでは、組織は機能しなくなる。



成果も出にくくなる。



昨年の中日がいい例です。



それと、経営、マネジメントは、

人間のこうした欲求というか本能というか、

に反することをやるとうまくいくものなのです。





人の話なんか聞きたくないという欲求に反し、

ちゃんと人の話を聞けばうまくいきやすい。



変わりたくないという本能に反し、

変わろうとすればうまくいく。



今年のキャンプを見ていると、立浪監督が教える場面は

ずいぶん少なくなっている気もしています。



きっと上位争いしてくれるでしょう。


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