コラム - リーダーのルール

leader

リーダーのルール

リーダーが『自分の責任です』と言うために・・・

『「それは私の責任です」ということが

言い切れてこそ、責任者たりうる。』


「経営の神様」と言われた

松下幸之助氏の言葉です。






「電信柱が高いのも、

郵便ポストが赤いのも社長の責任だ」。



これは、「社長の教祖」と呼ばれた

コンサルタント一倉定氏が残した言葉。



さすがに

「郵便ポストが赤いのが社長の責任」って

それは行き過ぎではないかと思うんですが、

一倉氏の真意としてはこうです。



自分が知らないところで起きた

外部環境の変化や社員の行動も、

すべて自分の責任と考えるくらいの強い責任感が

組織のリーダーである社長には必要である。





なにか物事がうまくいかなかったときに、

どれだけ自責で考えられるか。



これは、組織で働く人に限らず、

人として誰しも大事なことではないでしょうか。



誰しもうまくいかないことを人のせいに

していては幸せにはなれませんから。



その中でも、

「責任者」、「リーダー」と呼ばれる人は、

より一層「自責で考えること」を

意識しなければなりません。



なぜなら、責任者、リーダーと呼ばれる人が

他責で考えていては、メンバーを不幸にし、

組織としての成果を上げられなくなりますから。



先日来マスコミを賑わしている

ビッグモーター然りです。



あの記者会見での兼重元会長の発言に

驚かれた方も多いと思います。



『社員が損害保険の水増し請求をしているなんて、

全く知らなかった、

ゴルフボールを使って車を故意に傷つけるなんて、

信じられない。

ゴルファーに対する冒とくだ!』。





『今回の問題は、全て会長たる私の責任です』



そう言って然るべきではなかったでしょうか。



その一言が言えないとしたら、

私は悪くない、やった社員が悪い、

という想いがあるからでしょう。



百歩譲って本当に知らなかったとしても、

そういう現場の重大な情報が

会長の耳に入らなかったことを

自分の責任として捉えなければならないはずです。



『自分に報告しにくい状況、雰囲気を

私が作ってしまっていたのだと思います』と。



兼重元会長のようなリーダーのもとで働いている社員は

働くことに幸せは感じにくいのではないでしょうか。





次にこんな事例も紹介させてください。



若干私のストレス発散ではありますが、

まぁ聞いてください。



8月6日の中日対ヤクルト戦後の

中日ドラゴンズ立浪監督のコメント。



この日は、中日の柳投手が

4回途中3失点で8敗目を喫していました。



「先に点をやってはいけないのはわかるけど、

四球、四球でテンポが崩れることが多い。

思い切っていかないと。

確かに柳のときに点を取れていないのはあるけど、

リズムもある。反省してほしい」



他のコメントを読んでみても、

立浪監督からの自責の言葉は見当たりません。



監督含め、柳投手を使うと決めたのは首脳陣です。

柳の調整を任せたのも監督含めた首脳陣。



ポストが赤いよりは、

よほど理に適っているでしょう。



チームのことは全て監督である自分の責任、

こういう意識があれば、

こんな選手を責める言葉は

出ないのではないかと思います。



更に言うと、

言わなくてもいいこと言っています。

柳投手だって、いっぱしの選手です。



十分自分なりに反省しているし、

どうしたらいいかを考えているでしょう。



「反省してほしい」等

こうしたわかりきったことを言われると、

人って反発したくなります。



「分かっとるわ、そんなこと!」って。



少なくともリーダーに対する信頼は生まれません。



やはりこういう考えでいるリーダーのもとでは、

選手の力は発揮されないし、

モチベーションも上がりません。



だから、チームとしての成果も上がりません。



対して、同じ8月6日の広島対巨人戦後の

広島カープ新井監督のコメント。



この日は広島が大瀬良投手の乱調で

0-13で大敗した試合です。



(大瀬良は球威も球速も本来の姿ではなかったか、

とのインタビュアーの質問に対して)



「その辺りも、彼は自分自身で分かっていると思う。

また修正して次のマウンドに

上がってもらいたいなと思います」



「広島にとって特別な日に、

このような試合になって申し訳ない。

これも、私がしっかり反省して、

また来週からしっかり戦っていきたい。」



立浪監督と新井監督のコメント、

いかがでしょう。



投げかけられた選手にとって、

どちらの方が気持ちが高まるか。





これは、私の考えですが、

他責の念が強い人って、

精神的に子供なんだと思っています。



子どもって、人のせいにしますよね。



私の子供も5歳ぐらいの頃、

道で転んだりすると、

「パパのせい!なんでここに穴があるって

教えてくれなかったの?」と

怒っていたものです。



道に穴があって、自分が転ぶのも

人のせい、なんです。



だから、大人になっても

人のせいにする人って

精神的に子供なんです。





新井監督は人のせいにしない大人の精神。



自分が大人だから、

選手に対しても大人扱いできる。



だからこそ

「大瀬良は自分で分かっていると思う」という

大人扱いできる発言になるのでしょう。



大人扱いされれば、

人は大人としての振る舞いをします。





あと思うのは、

「上司は部下を責めてはいけない、

自責で考えよう」ということって、

マネジメントを少し学んだら比較的早い段階で

出てくることです。



つまりリーダーとして

自責で考えられない人って、

勉強してないんです。



上司として致命的なのは、

勉強していない自分自身を

客観視できないことでしょう。



そして、周りから学ぶ意識がないことです。



立浪監督も

松下幸之助の言葉、一倉定氏の言葉、

兼重元会長の言葉から学ぶという姿勢を

持てれば、もう少し監督として成果を出せるように

なるのではないかと勝手に考えております。



まぁ、偉そうに言ってますが、

私もつい人のせいにしたい

衝動に駆られる時があります。



人のせいにしている自分を

客観視できるかどうかが大事だと、

自分に言い聞かせています。


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