祝日本バスケ、パリ五輪出場権獲得! ~トム・ホーバスHCの問題解決力
バスケットボール男子日本代表チーム、
8月25日から開催された
「FIBAバスケットボールワールドカップ」で
最終順位19位となり、
見事アジア1位の成績を収めました。
その結果、来年の「パリ・オリンピック」への
出場権を獲得しました。
改めて、リーダーによって、
これだけチーム(組織)の成果が
変わるものかと感じております。
前回のメルマガで取り上げた慶應義塾高校の
森林監督といい、
バスケ日本代表のトム・ホーバスHCといい、
あっ、あと中日ドラゴンズの立浪監督といい、
本当にチームってリーダーの資質によって
風土(雰囲気)も成果も大きく左右されますよね。
だからこそ、リーダーの自覚というのは
本当に大事だろうと思うのです。
ただ、メンバーの立場から考えると、
リーダー次第と言っていては、
自律しているとは言えません。
自らを律して、自らがリーダーシップを発揮する
ぐらいの気持ちは必要でしょう。
ということで、今回はトム・ホーバスHCの
問題解決力について書きたいと思います。
ちなみに、私、バスケットボールに関しては、
完全な「にわか」です。
今回のバスケットWCまで、
選手で知っていたのは、
渡邊 雄太選手と 馬場 雄大選手ぐらい(^_^;)
トム・ホーバスHCは女子バスケを銀メダルに
導いたということで知ってはいましたが、
それほど詳しく知っていたわけではありません。
そんな私が書くのもなんですが、
あくまでもリーダーシップ論、組織論の観点から
書かせていただきます。
リーダーの問題解決として、
大事なのは、次のことだと考えています。
『問題の“真因”を見抜き、絞ること』
問題の真因は、問題の本質と言ってもいでしょう。
日本男子バスケの問題、つまり世界大会で
勝てないのはなぜか、その真因を
トム・ホーバスHCは、
「選手の自信の無さ」
の一点に絞ったのではないでしょうか。
色々なメディアでのトム・ホーバスHCの
インタビューやら記事を拝見していると
そのように思うのです。
世界大会で日本男子バスケが勝つためには
自信を身に付けさせる必要がある。
そのために、何をしたらいいか・・・
私が思うに3つあったかと思います。
一つは、選手に「自信を持て」と語り続けること。
トム・ホーバスHC曰く、
「結構しつこく言っているんです。
『信じてください、信じて、信じて』って」。
パリ五輪をかけたカーボベルテ戦。
第4Q、5点差と迫られたとき、
タイムアウトを取り、トム・ホーバスHCが
選手に言ったのは、
「自信持って打って!」「自信持ってトライ!」
でした。
2つ目は、トム・ホーバスHC自身が
選手の力を信じたこと。
パリ五輪が決まった後、
選手が言っていたのが、
「私が自分自身を信じるよりも、
トムがより私を信じてくれた」
これ、本当に信頼関係が築けている証拠ですね。
まずは、理屈抜きで、
とにかくリーダー(上司)はメンバー(部下)には
きっとまだ出しきれていない力がある、
まだまだこれから変わっていける、
もっと大きく成長していける力がある、
と思い続けることかなと。
「この部下には、もう何言っても無駄だな」と
思ってしまうと、口に出していっていなくても、
不思議とそれが相手に伝わるものです。
そして、自信をつけさせるための3つ目が、
「厳しい練習」
だったと思います。
どの国よりも準備をし、どの国よりも練習をする。
ただし、大事なのは、
「なんのために、この練習をしているのか」
を考えさせての厳しい練習をすることだと
トム・ホーバスHCは考えていると思います。
トム・ホーバスHCへのインタビューで
次のようなことを語っていました。
『練習は予定された時間が来たら終わるのではなく、
成果によって終わるタイミングを判断するべきです。
バスケのコーチたちは、
Aという練習を10分、Bを5分、Cを3分と
刻みがちなんです。
まるで時間割のように。
私は課題がクリアされるまで続けます。
だから、ひとつの練習が予定よりも
早く終わる時もあれば、
2時間かかる時もある。
日本女子バスケのカルチャーとして、
とにかく体育館にいて練習することを
美徳とする考えがあります。
ただし、集中力が散漫になり、
決して効率的とは言えない。
何も考えないでシュート練習をするのではなく、
課題を明確にするように伝えたんです。』
練習することが目的であってはいけない、
体育館にいることが目的であってもいけないわけです。
自信のなさという勝てない真因を見抜き、
それを克服させるために行ったのが以下の3つ。
1.自信を持ちなさいと語り続ける
2.リーダーがメンバーの力を無条件で信じる
3.目的を明確にした練習を徹底させる
って感じでしょうか。
最後に、トム・ホーバスHCが
インタビューで語っていた言葉を
掲載したいと思います。
『コーチは選手たちにプレッシャーをかけ、
冷静に振り返ることを繰り返すことで
選手たちを成長させることができると思うのです。』
追伸
そう言えば、中日ドラゴンズの立浪監督は、
じゃんけんに勝ったら練習終わり、
ってキャンプでやっていたような・・・
YouTube動画:中日秋季キャンプじゃんけん大会
※音声が流れます。
トム・ホーバスHCが聞いたら、
何と思うか?
まぁ、勝っていれば、
いい方に解釈されるんでしょうけど・・・。