コラム - 経営のルール

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経営のルール

高市新総裁にお願いしたいこと

10月4日、高市早苗氏が
第29代自民党総裁に選ばれました。

昨年10月の総裁選で、
高市氏が石破氏に決選投票で敗れたときには、
「国会議員の中には、
いまだに女性がリーダーになることへの抵抗感を
持っている人が多いのかな」
とも感じていました。

それから1年、そういった意味においても、
高市氏が総裁に選ばれたのは、
嬉しかったりするのです。

鉄の女と呼ばれた英国のサッチャー首相のように
日本を再生させるリーダーになってくれたらと
期待しています。


高市氏の政策は、今のところ
物価高や地域経済への支援が
中心になっているようです。

・ガソリン税と軽油引取税の暫定税率の廃止

・「年収の壁」の引き上げ
(非課税枠178万円への拡大案に賛成)

・自治体向けの重点支援地方交付金の拡充
(中小企業や一次産業支援を支援)

・「給付付き税額控除」の創設
(中低所得者の負担軽減)

市場としても、これらの政策に
期待するところ大なのだと思います。

総裁選直後の株式市場の
反応もなかなか凄かったですから。

就任翌営業日(10月6日)、日経平均は
前週末比+2,175円(+4.75%)と大幅に上昇。

過去の歴代総裁の上げ幅と比較しても、
かなり大きな上げ幅になっています。

例えば、安倍晋三氏(2012年12月)の
政権発足時は+1.6%、
小泉純一郎氏(2001年4月)は+2.0%ほど。

その倍以上の上げ幅ですから。

マーケットが高市氏の
「積極財政」・「物価対策」・「規制緩和」に
相当な期待をしている表れでしょう。


でも、思うのです。


もっと「人を育てる政策」も
クローズアップしてほしいなぁと。

これは、私の仕事柄もあるのだとは思いますが・・・

例えば、こんな感じで・・・

国家ビジョンとして、
「これからの日本を、こんな国にしていきたい」
「そのためには、こういう人材が、これだけ必要」
「そのためにこれだけの予算を計上する」と。

国家戦略の一部として
人材戦略を打ち出していただけるといいなぁ
なんて思うわけです。

これは企業においても同じ。

会社としてのビジョンを
「こんな会社にしていきたい」
「こんな価値を社会に提供する会社になる」と
社員や社会に示し、

そのためには、
「どんな人材が、どれだけ必要であり、
その人材をこんなふうに育成していく」
とそのビジョンに必要な様々な人材像を描き、
その人材を育成する仕組みを示す。

弊社のクライアント企業さんでも、
そのように人材育成を進めていただけている
企業さんが何社もあります。

描くビジョンによって、
その人材像は変わってきます。

どんな考えを持ち、
どんなスキル・技能を身につけた、
どんな行動ができる人材が、
どれだけ必要なのか、
そんなことをビジョンから
考えられるといいと思うのです。

そう考えると、会社のビジョンを描くことが、
人材育成の出発点ともいえますね。


例えば、こんな感じで人材像を描く。
あくまでも、例えばではありますが・・・

「困難を成長のチャンスと捉える力を持つ人材」
逆境から逃げるのではなく、
そこから学びを得ようとする。
問題を“壁”ではなく“材料”として
扱おうとする力を持った人材。

「現状をしっかりと把握し、
そこから解を描ける力を持つ人材」
データだけでもなく、直感や感性だけでもなく、
それらを融合しながら、現状を把握し、
課題の本質を見抜く力を持った人材。

「人を巻き込みながら、どんどん行動できる人材」
考えるだけではなく、小さな一歩でもいいので、
とにかく行動として、そこから学びながら次に
つなげていける人材。

というような抽象的な人材像でもいいですし、
さらに言えば、
より具体的な人材像として、

「AIを駆使して業務効率化だけでなく、
戦略構築を促進できるだけの知識と技能を
持った人材」

「○○分野において世界レベルの研究を行える人材」

「●●の開発を他社と推進できる人材」

等々というような。


最後に「米百俵の精神」のお話をしたいと思います。

聞いたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

明治初期の長岡藩での話です。
長岡藩は、今の新潟県ですね。

北越戦争(戊辰戦争の一つ)で、
敗北を喫した長岡藩は、
7万4000石から2万4000石に減知され、
財政が窮乏していました。

藩士たちは、食うや食わずの状態。
苦しい生活を強いられていました。

その窮状を見かねた長岡藩の支藩、三根山藩が、
長岡藩に百俵の米を贈ります。

藩士たちは、これで少しは飢えをしのげる
と喜ぶのですが・・・

藩の大参事小林虎三郎は、
贈られた米を藩士に分け与えませんでした。


その米をどうしたか?


贈られた米を売却してしまったのです。

そして、その売却で得たお金で、
小林虎三郎は、学校を開こうとします。

当然、藩士たちは、虎三郎の元に抗議に訪れます。

抗議に訪れた藩士に向かって、
虎三郎は、こう諭しました。

「百俵の米も、食えばたちまちなくなる。
が、教育に充てれば明日の一万俵、百万俵になる」と。

虎三郎が、藩士たちの反対を押し切って、
設立したのが「国漢学校」。

後に多くの人材を育て上げることとなりました。

人材育成はすぐに成果に結びつくもの
ではありません。

ですから、目先の結果ばかりを追い求めていると、
どうしても人材育成は疎かになりがち。

しかし、経営者・管理者の役割は、
長期的に成果を出し続けられる
仕組みと風土を作ることです。

どんな社会・どんな人たちに
どんな価値を提供することで貢献するかを描き、
ビジョンを描き、
そのために必要な人材像を描き、
その人材を育成できる仕組みを作り、
人を育て、将来に渡る糧を
得られる会社づくりをしていけると最高ですね。


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