コラム - 人材育成のルール

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人材育成のルール

部下からの提案を引き出す方法

先日、とあるクライアント企業の
部長さん方々に、

「部下(特に課長さん)に
もっとこうしてほしいと期待することが
あるとしたら、どんなことがありますか?」と

お伺いしました。


そのときの部長さん方々の答えの中に、
次のようなことがありました。


「もっとたくさん提案をしてほしい」。


気持ち、すごく分かります。

上司が一人で考えていると
煮詰まってしまうときもあるでしょう、
孤独を感じてしまうことも
あるかもしれません。

そんなとき、自分にない発想で提案を
もらえば、問題解決の突破口が閃いたりします。

それだけでなく、そもそも自分で考えて
仕事をしてもらいたいですからね。

しかし、なかなか上司側が思うようには、
部下からの提案は上がってこないようです。


「もっと、考えて仕事して、
どんどん提案してくれよ」
とストレスは募ります。


では、どうしたら部下から
もっとたくさんの提案を引き出すことが
できるのでしょう?


これまた、私の別のクライアントさんの
話なのですが、現在、改善提案を
スタッフから出してもらおうってことで、
その仕組み作りを進めている飲食店があります。


先日、その店長さんにこうお伝えしました。

宇井:とにかくスタッフが、
   改善提案書に書いてくれたことは、
   どんなことでもすべて受け取りましょう。

しかし、どんなことでも全て、
と言われても、なかなか難しいのではと、
考えるのが普通ですよね。

そのときの店長さんも、
こう返してきました。


店長:しかし、例えば、1,500円で出している
   メニューを500円で出してはどうか、
   なんて提案をされても、
   受け入れられないですよね。


以下、その後の会話です。


宇井:確かに、その提案だと利益も
   出なくなってしまいますし、
   そのまま受け入れるのは難しいですね。

店長:ですよね。

宇井:そんな提案であったとしても、
   まずは受け取るだけは受け取ってみる。

   そのうえで、条件付きで「500円で出せるには?」
   を一緒に考えてみるのもありかと思います。

店長:条件付きですか?

宇井:そう、条件付きで。
   提案内容をそのまま受け入れて、
   “受諾か、却下か”を判断するのではなく、
   「どういう状況下なら500円で出せるか?」
   を一緒に考えてみる。

   例えば、特別な日を設けて、
   その日だけ「500円」で出してみるとか、

   スタッフとじゃんけんして、お客さんが
   勝ったら500円にするとか・・・。

   まぁ、あくまでも例えばですが、
   こんな感じで、受け取ったうえで、
   スタッフとどうしたらできるかを一緒に
   考えるようにすれば、スタッフも
   喜ぶと思います。

   何より提案するモチベーションは
   上がるはずです。

店長:なるほど、例えば、スタッフに
   「友達招待券」みたいなものを渡して、
   その招待券をもってきてくれた
   スタッフのお友達には500円なんてのも
   ありかもしれませんね。

宇井:そうそう、
   それ、めちゃくちゃいいじゃないですか!
   そんな感じで、アイデアを
   お互いに出し合えれば、いいですよね!


部下からたくさんの提案を
引き出したいのであれば、
どんな内容であれ、ひとまず受け取ってみる。

たとえ、その提案が
「そんなのできるわけない!」とか、
「もうちょっとましな提案ないの?」と
思えるような内容であったとしても・・・。

で、そんな提案であった場合は、
ひとまず受け取るだけ、受け取り、
条件を付けて、実現できる方法を
お互いに模索する。

これがすごく大事だろうと思います。

実際には、
「こうしたらいいのでは?ああしたらいいのでは?」
と一緒に考えたところで、
実現することはないかも知れません。

が、まずはこんな風に受け取ってもらった、
一緒に考えてもらったというのを
部下が感じることが、次の提案の
モチベーションになるはずです。

そう感じられれば、
自分の提案の価値を認めてもらえたと
という気持ちにもなりますからね。

ただ、これを実際に行うには、
上司側の「発想力」が不可欠だったりします。


追伸:
社員のモチベーションの高さで
有名な岐阜県の未来工業では、
たとえ白紙で改善提案書を出しても、
報奨金として500円が支払われると
聞いたことがあります。


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