コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

ゴーンショック!経営者が考えるべきこと

ご存じの通り、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン氏が
先日(11月19日)、逮捕されました。



容疑は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)。


日本人の役員では考えられないぐらいの
役員報酬をもらい、それを少なく見せかけて
有価証券報告書に記載していたというのです。


メディアから伝わってくる情報だけでしか
判断できませんが、

多分に西川社長等ルノーと日産の経営統合に
反対する人たちのクーデター的な要素が
あるような気がします。

ルノーと日産との経営統合が、これで完全に
なくなったということではありませんが、
何らかの楔は打ったことになると思います。


いずれにしろ、
カリスマ経営者と言われたゴーン氏の
逮捕は日本の経営者の方々にも大きなショックを
与えているのではないでしょうか?


なにより私がショックなのは、ゴーン氏の言葉を
「コーチング研修のテキスト」に掲載しているのですが、
それを削除しなければならなくなったことです・・・。

あんないいこと言っていたのに・・・(涙)


どんなことを言っていたか?


2009年1月5日にテレビ東京の「カンブリア宮殿」に
出演したときの発言です。

GMの再建を任されたら、
立ち直らせる自信はあるか?と村上龍から
質問されて、こう答えてました。

※GMは、2009年2月20日に経営破綻。


『日産に来た時も「何をすべきか」最初から
 分かっていたわけではない。

 社員と共にそれを見出した。

 社員と一緒に時間をかけて考えなければいけない。

 社員が解決策を知っているから。

 社員たちと時間を書け、検討を重ねれば、
 問題解決の糸口は見つかるはず。

 それと一貫性を持った説得力のある計画に
 すれば結果は必ず出せる。』


解決策を上から押し付けるのではなく、
解決策は、相手の中にあると信じ、
それを引き出すように努める、

それが上に立つ人間の役割、

ってことでまさにコーチングの理念を
言い表していて、テキストに載せていたんですが・・・(涙)



1999年に日産を立て直すために、
ルノーからやってきて、
日産リバイバルプランを打ち出し、
大胆な人員削減、工場閉鎖、取引先の選別をやってのけ
確かに業績はV字回復をさせました。


そのプランの全てを社員と一緒に
考えたってことではないと思います。

が、きっと多くの対話を社員としていたと思いますし、
ゴーン氏が提示した枠の中で、どうしたらいいかを
社員に考えさせていたと思います。


当時は、「すごいもんだなぁ」と感服していました。

日本人の経営者ではなかなかできないことだなと。

今まで長年付き合ってきた取引先を
「ケーレツ」も何も関係なく簡単に切れてしまう。

犠牲を強いても改革しなければならないときには、
日本人の経営者では難しいのかなと。

しかし、こうしてゴーン氏が逮捕されると、
そのとき解雇された従業員の人たちや、
2009年に切られた派遣社員の人たちは、
やるせない想いを抱いているでしょうね。


ここでやはり考えるのは、

「経営者が会社を経営するのは何のためか?」

という根源的なことです。


経営者は、常に

「誰にどうなってもらうために経営しているのか?」

ってことを自問自答しなければならないと
改めて強く感じました。


ゴーン氏の場合、
「自分の私腹を肥やすため」ということに
なってしまっていたのでしょうか?


「誰に」は、「自分」ではなく、
「他者」でなければなりません。


「社員に」どうなってもらうために
この会社を経営しているのか、

「お客様に」どうなってもらうために経営しているのか、

「社会に」どうなってもらうために経営しているのか?


そして、それが実現できていないのなら、
自分は経営者として存在する価値がない、
という使命感が必要なのだと思います。


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