コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

社長の辛さが初めて分かりました」 by 社員

「自分たちで取り組んでみて、初めて社長の大変さが分かりました」。

先日、とある企業で行った研修で、30代前半の社員が言った言葉です。



あるワークを研修で行ったのですが、

講師の立場としては、実は、ここまで感じてもらえることは全然期待していませんでした。


副次的な効果ということですね。

でも、副次的な効果だからこそ、すごく印象に残った言葉でした。



●自分たちで考えてみたからこそ・・・。

具体的に、どんなワークをしたかというと、

30代前半の社員20人を4つのグループにわけ、各グループにおいて、

自分たちで中期経営計画を作ってみようというワークでした。


いきなり、考えろ、と言っても難しいでしょうし、

こちらから中期経営計画を考える枠組みは提示して、

それに基づいて考えてもらいました。


外部環境として、顧客のこと、競合のこと、

社会情勢、政治や経済の環境、技術開発状況などを考え、

内部環境として、自社のヒト、モノ、カネ、情報、組織風土などを考えて、

自分たちなりに中期の会社としてのビジョンとその実現の方策を考えてもらったのです。



●外部環境がこんなに厳しいものだったなんて

特に外部環境を考えることから、

本当に現在の外部環境が厳しい状況にあることを実感していたようです。



例えば、こんなことを言っている社員がいました。


「会社としてグローバル化、グローバル化って言っているけど、

こうして考えてみて、こりゃ、本当にグローバルに考えないと

生き残っていけないなぁという気がしてきた。

自分自身もグローバルに通用する人材になっていかないとって危機感が出てきた」。



●社長の不安感や危機感はこんなレベルじゃない!


さらに、こうした危機感や不安感を抱いたことで、

自分たちよりも経営層の人たちの方が、

もっとその危機感や不安感を抱いているはずだという発想になったようです。


冒頭の発言をした社員の発言内容をもう少し具体的にお伝えします。


こんな内容でした。

「こうして自分たちを取り巻く環境だけでなく、

日本全体を取り巻く環境を改めて考えて、整理してみると本当に不安になってきますね。

このままでは将来、日本に仕事がなくなってしまうんじゃないかって。

ホントこれからどうなるんでしょう?

でも、我々よりも社長の方がもっとこう言う心配の気持ちって強いんでしょうね」。


自分たちで、経営層が行っていることを模擬的にでも行ってみて、

初めて経営層の立場で、考え、感じることができたのかもしれません。


たまたま3カ年の中期経営計画が今年度で終わり、

来年4月から新たな中期経営計画がスタートするというタイミングだったので、

行なったワークでしたが、思わぬ効果があったようです。


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