できる上司は部下と張り合わない
できる上司、っていうとどんなイメージがありますか?
半沢直樹? 島耕作?(私は読んだことないけど)
サラリーマン金太郎の矢島金太郎?
はたまた織田信長?
人それぞれ「理想の上司像」「理想のリーダー像」ってあると思いますが、
今回は、私が考える「できる上司」の要件を一つ、お話したいと思います。
コンサルティングや研修で、
いろいろな会社の上司の方、経営者の方々にお会いしますが、
「できる人」、「できない人」ってやっぱり何か共通点がある気はします。
先に結論からお伝えしてしまいますと、
私が見る限り、「できる上司」って、部下の人と張り合わないんです。
逆に言うと、「この人どうかなぁ」と思える人って、
なんか部下と張り合っちゃっうんですよね。
例えば、会議やミーティングの場で、部下が何か発言をしたとします。
すると張り合っちゃう上司の人って、
たいてい「そんなことは分かっている」とか、
「それは〇〇が抜けている」とか、否定的なことを言うんです。
部下:「今回、この部分で時間が予想以上にかかってしまって、
思うように業務が進められませんでした」
上司:「そこで時間がかかるのは、ある程度予測がついたんじゃないの?
そこで予測をして、前もって手を打っておくべきだったろ」
みたいな。
部下:「こういう計画で進めてみたいと思います」
上司:「もっと具体的な内容にしなければ、計画立てる意味全くないぞ」
的な。
上司の心理としては、
「部下の至らなさを指摘することで、
自分が部下よりも上の立場であることを自覚したい」
のかもしれません。
言い方を変えれば、部下は常に自分よりも「できない存在」でいてほしい、
もしくは、部下に追い抜かれることに恐怖感を感じている
といえるのかもしれません。
できる上司って、そうじゃないです。
もちろん自分なりの考えはしっかりと持ったうえで、
その考えと違った発言が部下からあったとしても、
「なるほどなぁ」っていって、受け入れて聞くんです。
部下:「今回、この部分で時間が予想以上にかかってしまって、
思うように業務が進められませんでした」
上司:「なるほど、ここのところで予想以上に時間がかかったってことね。
ちなみに、予想以上ってどれぐらいオーバーした感じ?」
みたいな。
上司の限らず、人と張り合わないために、
ぜひ覚えておいてもらいたいフレーズが、
「なるほどぉ」です。
もしあなたが、
「なるほど」なんてあんまり言ってないなということであれば、
意識的に使ってみてください。
そのうち、意識しなくても、自然に言えるようになります。
最後に、注意ポイントを一つだけ。
「なるほど」っていったあと、「でもな」とか「しかし」とか、
って言葉を使ってはダメです。
それって、やっぱり部下の発言を否定して、
張り合っちゃっていることになります。
上司として、自分の意見を伝えたいのであれば、
「なるほど」っていったうえで、
「そういうことでいえば、こうしたらもっと良くなるんじゃない?」
というニュアンスのフレーズを使っていただければOKです。
部下:「こういう計画で進めてみたいと思います」
上司:「なるほど、こういう流れでね。いいねぇ。
で、この辺を、誰に、どんなふうに依頼するかまで
具体的にできたら、さらによくなるんじゃない?」
的に。
なお、「なるほど」と受け入れることと、
部下に賛同することとは違います。
部下:「工数がないからできません」
上司:「そうだよな、工数がないからできるわけないよな」
というのは、部下に賛同していること。
上司:「なるほど、〇〇さんは、工数がないからできないって考えてるんだ」
というのは、ひとまず受け入れて聞いていることです。
この点は、ちゃんと区別しなければなりません。
ちなみに、組織の風土の観点から言うと、
社長が部長と張り合っている会社は風土があまり良くないですし、
部長が課長と張り合っているところもあまり良くないです。