なぜ、あの人は物事の本質を見抜けるのか?
4月2日の「アメトーーク」というテレビ番組で、
「勉強しまくった芸人」と題して、
オリエンタルラジオの中田敦彦、オアシズの大久保佳代子、
ロザン、レイザーラモンRG等の芸人が出ていました。
(敬称略)
自分たちが学生の時に、どんな勉強の仕方をしていたか、
それを面白おかしくトークをするわけです。
そのなかで、ロザンの菅広文が、
こんなことを語っていました。
「日本史の流れというのは、要は、
『土地は誰のものですか?』ということなんです。
初めの縄文時代、土地はみんなのものだったんです。
それから貧富の差が生まれる。
そうすると、土地を持っている人が
持っていない人に土地を貸すようになる。
土地を持っている人は、『土地を貸したんだから金をくれ』と。
持っていない人は、『なんでや?!』ってことになって、
バトルが勃発する。
土地を持っている人は、用心棒を雇うようになり、
それが『武士』となる。
こんな感じで時代は変化しているんです」。
もう一つこんなことも言っていました。
「歴史の勉強で良くないのは、一つ一つのことを
覚えようとしていくこと。
まず、最初に教科書をざぁっと読んで
全体像を理解する方がいいんです」。
やっぱり頭のいい人って、こうなんですよね。
全体を見て、そこから要点を見つけることができる。
全体像から本質を見抜けるんですよねぇ。
こういうのって、なんかめちゃくちゃかっこよく感じるんですが、
私だけですかね?
あなたの周りにもいらっしゃらないですか?
物事の本質を瞬時に、かつ的確に捉えて、
「それ、簡単に言えば○○ってことじゃないかな」
とか言っちゃえる人。
私の先輩コンサルタントの中にもいます。
私が1年以上通っているクライアントの本質的な問題を
一度訪問しただけで見抜いてしまうような人が・・・。
物事の本質を見抜いて、仕事ができたら、
やっぱりめちゃくちゃカッコいいですよ。
例えば、上司の立場であれば、
ミーティング中に、
「この仕事で絶対に外しちゃいけないのは、
○○ってことだよね」って話ができたり、
部下に対して、面談しながら
「この仕事における○○君の役割の本質って
何だと思う?」なんて質問もできちゃったりしますもんね。
なぜ、そんな風に物事の本質を見抜けるのでしょうか?
私は、「本質を見抜く力」というのは、
特別な能力ではなく、鍛えれば、
ちゃんと身につけられる力だと思っています。
(ここからは、私が、どれだけできているかは、
棚に上げて話を進めます。)
どうしたら、この本質を見抜く力が身につけられるか?
これはもうめちゃくちゃ簡単なことで、
できてしまうと思っています。
それは、何につけても、次の一言を自問自答してみるのです。
「これを一言で言ったら・・・?」
例えば、こんな感じ・・・
「管理者としてのあなたの役割を一言で言うとしたら・・・?」
「方針管理を別の言い方で一言で言うとしたら・・・?」
「方針管理と日常管理の違いを一言で言うとしたら・・・?」
これはつい先日、とあるクライアント企業さんの
管理者の方々に投げかけた質問だったりします。
他にも、
「経営戦略とは何か?別の言い方で一言で言うとしたら・・・?」
「マーケティングとは何か?一言で言うとしたら・・・?」
などなど。
その他、なにに対してもです。訓練ですから。
「働くとは何か?それを一言で言うとしたら・・・?」
「学生と社会人の違いを一言で言うとしたら・・・?」
これは、私が新入社員研修で投げかけていることですね。
上記の質問で、例えば、「学生と社会人の違いとは?」って
質問であれば、具体的なことがいくらでも出てきます。
「社会人はお金を貰う立場、学生は払う立場」、
「責任が重くなる」、「時間的拘束が厳しくなる」、
「社会貢献ができる」などなど。
でも、こうした具体的な答えではなく、一言で言う表すのです。
「歴史の流れとは、一言でいえば、『土地は誰のものか?』ってこと」
というように。
本質とは、「この視点で見れば、的外れな思考や行動にならず、
的を射た思考・行動が取れるというもの」。
具体的な表現をつらつらと並べていては、
この「一言で言うと?」という質問に
答えることができません。
本質を見抜く力というのは、言い換えれば、
「具体的な事象から共通項を探し出し、抽象化する力」
といえるのかもしれません。
いかに物事を抽象化して考えるか、
それを訓練するのが、
「これを一言で言うとしたら?」という問いかけなのです。
最後に、一つ質問をさせていただいてもいいですか?
「あなたのお仕事を一言で言うとしたら、なんて答えられますか?」