コラム - 組織のルール

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組織のルール

電通の悲劇から思うこと・・・

2015年12月15日に自殺をした
電通の元社員、高橋まつりさん。

昨年9月30日には、
過労が原因の労災と認定されました。

当時、高橋さんの残業時間は100時間を
超えていたとのことです。

超えていたってことなんで、
どれくらい超えていたのかは、
明確ではありません。

が、土日出勤は当たり前で、
夜の10時前に帰社できることは、
ほとんどなかったようです。

ツイッター上では、
1日の勤務時間20時間という
投稿もあったようです。


こうした悲劇を踏まえ、
働き方を見直す企業が増えています。


厚生労働省でも、この事件が起こる前から、
平成26年9月30日には、
厚生労働大臣を本部長とする
「長時間労働削減推進本部」を設置したり、
平成27年1月からは 都道府県労働局においても
「働き方改革推進本部」を設置し、
企業の自主的な働き方の見直しを推進しています。

※厚労省HPより

世の中全体として、働き方改革、
特に長時間労働の抑制、有給休暇の取得は、
大きな流れになっていると思います。


しかし、思うわけです!


電通の高橋さんが、なぜ自殺にまで
思い至ってしまったのかを考えたとき、
長時間労働だけが原因だったのかと・・・

本当に働き方、特に長時間労働の抑制を
すればこうした悲劇は防げるのだろうかと・・・


今回の電通の問題は、決して長時間労働だけが
問題だったのではないと思います。


もっと直接的に言えば、
今回の悲劇の本当の原因(真因)は、
長時間労働ではないと思うんです。

なので、電通が長時間労働にいくら対策を
打ったとしても、同じ悲劇が繰り返される
のではないかと思えてなりません。


では、何が真因だったのか?


実際の電通の職場を見ているわけでもありませんし、
高橋さんがどんな人だったのかもわかりません。

ですので、軽々しくは言えないとは思います。

が、あえて、思うところを言わせてもらいます。


今回の悲劇の真因、それは、
高橋さんの周りの人たちの対応の鈍さ
にあったのではないでしょうか。


確かに、異常な勤務時間であることに
間違いはありません。

が、もし、周りの人たち、特に上司が、
高橋さんに対して、こんなコミュニケーションを
取っていたら・・・


「新入社員で、まだ分からないことも多いから、
大変だと思う。大変だけど、高橋さんの
この仕事を通して、クライアントを感動させてやろうよ」


「今、高橋さんがやっているこの仕事は、
将来の○○につながる仕事なんだ。
だから、今は本当にしんどいかもしれないけど、
もうひと踏ん張りしたら、次が見えてくるよ」


「もし、仕事で何ともならなくなったら、
弱音を吐いてもいいから。
そのときは、チームで何とかしよう!」


まぁ、理想の上司像と言ってしまえば、
そうかもしれません。

が、理想を求めて、それに近づく努力は、
大切だと思います。


また上司だけでなく、高橋さんの状況に
気付けなかったという環境も原因の一つでしょう。

もしくは、気付けていたのに、
それに対応できる仕組みや気遣いが
なかったのも大きな原因です。


決して、長時間労働だけで
死にたいほど鬱になるわけではないと思います。

仕事で苦しんでいるときに、
誰も助けてくれる人いない、となったときに、
鬱になっていくのではないでしょうか?


なので、働き方を見直して、
長時間労働だけが改善できたとしても、
職場の風土やコミュニケーションが
改善されなければ、電通において悲劇は
繰り返されるのではないかと思うのです。


ということで、微力ながら、
コンサルタントとして、
こうした職場風土やコミュニケーションの改善に
お役に立てるよう今年も尽力していきたいと思います。

こうした仕事に携われることを幸せに感じつつ・・・。


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