コラム - 人材育成のルール

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人材育成のルール

素直でいいのか、新入社員!

今年も、3月末から4月の第1週にかけて数社の新入社員研修を

担当させていただきました。

この時期、若い新入社員の人たちと接していると、

なんとなく初々しい気持ちになれるんですよね。

ありがたいことです。


で、新入社員研修を担当していて、ここ数年思うことがあります。

「みんな、素直やなぁ」ってこと。

私が伝えることをすごくしっかり聞いてくれるし、

ホントまじめなんです。

でも、でもです、何かその素直さ加減に違和感を覚えるんです。

その違和感を表現するとしたら、

「素直すぎる」って感じ。


「講師が言っていることなんだから間違いないはず」というように、

あまり自分の考えをもって判断せずに、

ただただ受け入れてしまっているような感じなんです。


うちの小学生の子供が、テレビが言っていたことを無条件で

鵜呑みにして信じ切っているのと同じような感覚。

そう、素直じゃなく、「鵜呑み」なんです。


人の考えを素直に聞きいれるということは、

人間の成長において非常に重要なことでしょう。

しかし、素直であることと、

人の話を鵜呑みにしてしまうということは違うはずです。


その違いは、「自分の考え」が織り込まれて、

受け入れているかどうかということだと考えています。


「素直である」というのは、

「なぜ、そうなのか」「本当にそうなのか」という態度で聞きつつ、

得た情報をヒントにしながら、

「自分の現状や性格を踏まえれば、こうした方が良さそうだ」と

「自分の考え」を織り込んで行動に移すことではないでしょうか。


また、その行動の結果がうまくいったのであれば、

もっとうまくいくためには、どうしたらいいか、

うまくいかなかったのであれば、何が要因なのか

「自分の考え」を織り込んでいくことです。


「鵜呑みにする」というのは、

何も考えずに「言われたとおりに受け入れる」こと。


言われたとおりに取り組んで、結果が思わしくなかったときにも、

「なぜ」とは考えず、あの人の言っていたことは間違っていた、

で済ませてしまう。

新入社員に限らず、情報があり過ぎて、

世の中全体がそのような傾向にあるのかも知れません。


新入社員が素直になり過ぎている原因は、

我々講師やコンサルタントの責任もあるでしょう。

なぜなら、「素直な人間は伸びる」だの「素直がいい」だの

「まずは素直に聞け」だの言ってますからね。


研修講師やコンサルタントに限らず、部下を指導する上司も、

「素直に聞くことの本質」をしっかり踏まえて、

「素直に聞け」っていうべきです。

そうしないと、間違ったほうに導いてしまう恐れもあるだろうと、

思うのです。


追伸
この話を先日、とある企業の管理職の方に話をしたら、

こんなことをおっしゃっていました。

「守破離でいえば、守はできるけど、破と離ができないんだよね」と。

私の言いたいことを、ごくシンプルに的確に表現していただけたと

感服しておりました。


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