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No.2のありよう~土方歳三の場合

本日は、歴史に学ぶビジネス・ノウハウです。

組織に属している人それぞれには、その組織の目的やビジョン、目標を達成するための役割があります。

組織にいる以上、必ず何らかの役割があります。

その中でも、組織のおけるNo.2の位置づけにいる人が、どれだけ自らの役割をちゃんと認識し、
それを全うできるかは、組織のあり方を大きく左右するのではないかと思います。

No.2だから、どの組織においても「この役割」というわけではなく、
組織のおかれた立場や、社員の成熟度などにおいても、その役割は変わってくると思います。

大事なのは、No.2がどれだけ自分の役割を認識し、全うできるかということ。


その点で、新選組の副長土方歳三は、秀逸な存在ではないでしょうか?


以下、司馬遼太郎の「燃えよ剣(上巻)」から、
土方歳三が、沖田総司から「副長の土方さんは、新選組の隊員から憎まれている」と伝えるシーンです。


(土方)
「知っているさ。総司、いっておくが、おれは副長だよ。思い出してみるがいい。
結党以来、隊を緊張強化させるいやな命令、処置は、すべておれの口から出ている。
近藤(勇:新選組トップ)の口から出させたことが、一度だってあるか。

将領である近藤をいつも神仏のような座においてきた。総司、おれは隊長じゃねぇ。副長だ。
副長が、すべての憎しみをかぶる。

いつも隊長をいい子にしておく。新選組てものはね、本来、烏合の衆だ。
ちょっと弛めれば、いつでもばらばらになるようにできているんだ。
どういうときがばらばらになるときだか、知っているかね」

(沖田)
「さあ」

(土方)
「副長が、隊士の人気を気にしてご機嫌とりをはじめるときさ。
副長が、山南や伊東(甲子太郎)みたいにいい子になりたがると、にがい命令は近藤の口から出る。

自然憎しみや毀誉褒貶(きよほうへん)は近藤へゆく。近藤は隊士の信をうしなう。
隊はばらばらさ」

以上

決して、No.2の立場の人は、下からの嫌われ役になれ、といっているのではありません。

新選組の場合は、その置かれた立場、隊士の状況により、
嫌われる役割がNo.2に必要であった、ということです。
そして、それを土方歳三が全うしていたということ。


ちなみに、日本電産の副社長、小部博志氏は、No.2の役割をこう語っています。
(2009年3月9日のテレビ東京「カンブリア宮殿」で)

・トップに対して「No」といえる。
・トップの考えを徹底して実行する。


ローソン副社長の河原成昭氏はこうです。
(同じくカンブリア宮殿にて)

・トップの「価値観」「想い」「目標」を共有し、共鳴できること(これが一番大切)
・それを実施するにあたっての組織内外に対してのコミュニケーション能力と調整力。
・参謀として現場の声をトップに正しく伝える。トップが思っていることを現場に正しく伝える。
・場合によっては、それを解説する(トップの言っていることが現場に理解しにくい場合は、
 もうちょっと分かりやすい言葉で言うようにお願いする)
・一番最悪なのは、わかったふりをして動いてしまうこと。これはやっぱり避けなければいけない。


繰り返しお伝えしますが、No.2が「どうあるか」で組織のありようは大きく変化するということです。


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