経営に大切な3つのこと
5月8日の日本経済新聞1面にあった
ソニーの平井一夫会長のインタビュー記事。
本当に素敵な内容でした。
こうした考え方で経営したからこそ、
ソニーを復活させられたのだろうと、
感動しながら読んでました。
以下、記事の冒頭部分からの引用です。
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学生や新社会人に話す機会をしばしばいただくが、
強調するのはいつも同じだ。
「3つのことを考えなければならない」
と言ってから
「プライオリティー(優先順位)と
プライオリティーと
プライオリティー」
と続ける。
全ての希望を叶えることはできず、
何が人生で大事なのか、
順位を付けることが必要だ。
優先順位が重要なのは、
個人だけでなく企業や国でも同じだと思う。
(以上)
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とにかく、平井会長曰く、
人生も経営も優先順位を付けることが
一にも二にも(なんなら三にも)大事、
ということですね。
世の中に、もし、こんな会社が
存在したとしたら、こんな優先順位を
つける必要はありません。
お金を無尽蔵に使えるだけ持っていて、
優秀な人材が有り余るほど在籍している・・・
こんな会社であれば、
「世の中、IoTに人工知能(AI)だから、うちもやろう」
といえばやれるわけです。
お金も人も使いたいだけありますから。
「ロボット分野もバイオもやろう、
何ならエンターテイメントの世界にも進出して、
世界最大のテーマパークを作ろう」
って思ってもやれてしまいます。
優先順位なんて全く必要ありません。
でも、そんな会社は世の中に存在しません。
必ずお金の制約も、人の制約も、
何より時間の制約があります。
ですから、その制約の中で成果を出そうとしたら、
何をやって、何をやらないかを選択する
必要があるわけです。
言い換えれば、何かを捨てるということ。
今やっていることをやめる(捨てる)、
やりたいことがあってもやらない(捨てる)。
この捨てるということがなかなか難しい。
捨てることが難しいのは、人間の性だと思います。
こうした人間の性(本能)に抗うと、
人生も経営もうまくいくのでしょう。
では、その優先順位をつけて、
残すものと捨てるものをどのように決めるのか、
その基準はどうしたらいいのか?
平井会長は、こう続けます。
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ソニーの変革に携わって
まず手をつけたことのひとつは、
「何のために(ソニーが)存在しているのか」
「何が大事な価値基準なのか」
を表現して伝えることだった。
(中略)
基本的な会社のあるべき姿が明確になれば、
優先順位をつけやすい。
「魅力的だが自分ではやらない」
「規模は小さいが進路に合致するので投資する」
といった判断をしやすくなる。
(以上)
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何を残し、何を捨てるかの判断基準は、
会社でいえば、
「自社が社会に存在しているのは何のためか」
という経営の目的(企業の存在意義、使命)だ、
というわけです。
もちろん、他にもマクロ外部環境として、
政治や経済の動向、技術環境、社会情勢等も
判断基準にはなるでしょう。
お客様や競合企業の変化も鑑みて、
何を残し、何を捨てるかを決めることも
必要だと思います。
が、その中でも、
自社が社内の中に存在する目的(存在意義・使命)を
判断基準とすべきとの考え方です。
自社は何のために社会にあるのか?
逆に言えば、この目的が実現できないのであれば、
自社は社会に存在している意味はない、
ということです。
これをしっかりと社内で共有し合える会社が、
着実に力をつけ、成長していけるのではないかと思います。