コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

戦略とは捨てること・・・?

「戦略とは何か?」と、いざ聞かれると、
意外と明確に答えられなかったりするのでは、
ということで、先回のブログでは
「戦略」について考えてみました。


で、私の考えとして、戦略とは、
まとめるとこんなことだろう、
とお伝えしました。


『戦略とは、
「誰の」、
「どんな問題や欲求に対して」、
「何をもってして」、
他ではできないけど、うちならできる、
と言えるようにするかを決めること』。


今回のメルマガでも、もう少し戦略に
ついて考えてみたいと思います。

前回、お伝えしきれなかったところも
ありますので。


唐突ですが、もし世の中にこんな会社が
あったとします。

お金が使いたいだけいくらでも使える、
人はものすごく優秀な人がいくらでもいる。


もし、こんな会社があったとしたら、
この会社には「戦略」って要らないはずです。

なぜなら、何か新たな事業を
始めたいと思っても、
いくらでもお金も人も使えるわけで、
すぐに「じゃあ、やろう!」ってことに
なるわけですから。


また、なにか問題が発生しても、
「いくらでもお金と人を使っていいから」
ってことで、特に優先順位をつけて、
何から解決していこうかと考える必要もなく、
都度都度、全て解決していけばいいわけです。

しかし、こんなお金も人も
無尽蔵に使える企業など世の中に存在しません。

国単位でもそんなことはあり得ません。


必ずお金も人も制約があります。
そして、何より時間という制約があります。

こうした制約があるなかで最大限の
成果を生み出していくために必要なのが、
「戦略」です。


「あれも、これもやりたい」と言って、
ヒト、モノ、カネ、更には時間という
資源を分散させていたら、大きな成果は
なかなか期待しにくいはずです。


「あれもこれも」ではなく、
「あれとこれ」、もしくは「これ」と
決めて、そこに集中的に資源を投入する。

その「これ」を決めることが、戦略なのです。


ソフトバンクの孫正義氏曰く、

「戦略とは、情報を徹底的に集め、
枝葉を除去し、一番太い幹に
なるものだけに絞り込み、
これをやらなければならないという急所を
見つけること。
つまり戦略の本質は、『略』すること」

とのことです。

※出典:「孫正義 奇跡のプレゼン
     人を動かす23の法則」


戦略とは、読んで字のごとく、
「戦いを略すること」なわけですね。

戦うべき戦いと、
戦わなくていい戦いを決めて、
戦わなくていい戦いは捨てる(略する)。


言い方変えると、
戦略とは、捨てることとも言えます。

決めるとは、捨てることなんです。


が、多くの人にとって、
この捨てるってことがなかなかできない、
難しいわけです。

私も、偉そうに「戦略とは」とか言いながら、
なかなか捨てきれていません。

資源を集中させるべき「これ」が
なかなか絞り切れてない。

「あれもやりたい、これもやりたい。
あれも面白そう、これも面白そう、
これも今やっておかないといけない気がする」
と・・・。


自己弁護するわけではありませんが、
きっと人間の性(さが)だと思います。

こうした人間の性(さが)に抗える人が、
戦略的で、成功を手に入れていける
のかなとも思います。


私のクライアント先の社長で、
こんなことを言う方がいます。

年齢は70代前半の方。

「宇井さん、例えば、接待で10万円を
使うとするとね、1回に3万円使って
3回の接待をするのは下手なやり方。

そうじゃなく、その10万円を
一人のお客さんに1回で使うのよ。

そうしたら、その人にはものすごく印象に
残るじゃない。
他の会社よりも印象に残るわさ。

俺の接待はそういうやり方だね」と。

戦略的です(^_^;)


限られた資源(この場合は10万円)で、
最大限の成果を生むために、
誰に絞って使うかを決め、
他の人への接待は捨てています。

こういう考えができる人が、
経営者向きなのかもしれません。

しかし、こうした考え方が、
もともとできる人ばかりではないです。

先ほどもお伝えした通り、
人間の性(さが)ですから、こうした考えが
できる人のほうが特殊だとも思うんです。

で、この人間の性(さが)に抗って、
何に資源を投入するかを絞るために
必要になるのが、孫正義氏曰く
「情報」ということですね。


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