今年の一文字とユニクロから思うこと
今年の一文字が決まりましたね。
「輪」でした。
なるほどという感じです。
ちなみに、昨年の一文字はなんだったか覚えてます?
「金」でした。
私は、全く覚えてませんでした・・・。
一昨年2011年の「絆」はさすがに覚えてましたが。
昨年、「金」となった背景は、
Web上の「漢字辞典ネット」(http://www.kanjijiten.net/year.html)
によれば、
金環日食や金星の太陽面通過など
「金」に関する天文現象の当たり年だったこと、
東京スカイツリー開業、レスリング吉田選手に国民栄誉賞、
山中教授にノーベル賞など数多くの金字塔が打ち立てられたこと、
生活保護費の不正受給、消費税増税議論など
金(かね)をめぐる問題が表面化したこと、
などが挙げられていました。
そう言われてみれば、って感じでしょうかね。
「今年の一文字」のように、
具体的な事象を抽象化、シンボル化して表現することで、
印象に残りやすくはなりますね。
経営者や管理職の方で、なかなか自分の想いが社員や部下に伝わらない、
って嘆かれている方々は、
この「抽象化して伝える」という手法を試してみるのも
ひとつかもしれません。
これをうまくやっているなぁと思ったのが、
ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長。
先日(11月17日)、NHKスペシャルでユニクロのバングラデシュ進出の
戦略が取り上げられていました。
その中で、柳井社長が語ってました。
「ZARA(スペイン)やH&M(スウェーデン)といったライバルと
同じことをやっていても、勝てない。違うことをやらなければならない。
我々自身が変わっていかなければならない。
『Change or Die』!」って。
バングラデシュ進出に伴って発信されたメッセージではなく、
ずいぶん前からユニクロでは、使われているようです。
が、相当に強烈なメッセージですよね。
『Change or Die』ですから。
社員に想いを伝えるために、
社員に変化していこう、何か新しいことやっていこう、
と言い続けることも大切ですが、
この一言、「Change or Die」に想いがめちゃくちゃ凝縮されていて、
受け取る側もその想いが感じられる気がします。
またこんなことも言っていました。
『From Dhaka to NY(フロム・ダッカ・ツー・ニューヨーク)』
(Dhakaは、バングラデシュの首都)
最貧国で商売を成功させよう、というスローガンですね。
最貧国バングラデシュで成功できれば、
世界中、アフリカでもニューヨークでも、
ユニクロが行き渡るぐらい成功できる、という意味らしい。
(相当苦戦はしているようですが・・・)
柳井社長曰く、
「世界中に多分30億とか40億人ぐらい最貧国の人口がいると思うんですよね。
それはもう世界中の半分ぐらいですよね。
だったらそこででも商売できる。
僕はねぇ、よく『From Dhaka to NY』って言うんですよ。
アフリカにもいけると思いますし、
あるいはインドの僻地にもいけると思います」とのこと。
1日2ドル以下で生活している貧困層は、
世界人口の6割を占める40億人います。
この層が、近い将来目覚しい経済発展を
遂げる可能性を秘めていて、
それを制するという戦略を推し進めているんですね。
それを一言で表したのが、『From Dhaka to NY』。
来年の会社や部署のありようを
キャッチーな一言で表現してみてはいかがでしょう。
キャッチーじゃないとダメです。
『Change or Die』とか『From Dhaka to NY』のように。
スローガンや合言葉を決めている会社もあるようですが、
なかなかそのセンスは難しいようですね。
いっそのこと、今年の一文字のように、
漢字一文字で来年の我社、我が部署を表現してもいいかもしれません。
そうすると、意外にベクトルがあった良いチームに
なっていけると思います。
ご参考:「今年の一字は「絆」、あなたの来年の一字は?」
↓
http://ameblo.jp/consul-k-ui/entry-11115616056.html
追伸
ユニクロについては、「ブラック企業」だのなんだの言われています。
テレビ見てても、確かに仕事は厳しそうだし、
柳井社長とのテレビ会議でのピリピリ感も相当伝わってきました。
柳井社長自身、「付いてこられない社員もいる」と
いうことを公言していたように、
全ての人が楽しく働ける会社ではないでしょう。
が、こういう会社だからこそ、
自分のやりたいことができる、
自分の能力を活かせると感じている人たちがいるのも確かだと思います。