逆境に立たされたとき人は・・・
昨年末NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」特別編で
ニューヨーク・ヤンキースのイチローが取り上げられていました。
番組内のイチローを見ていて、
何か野球選手とは思えない雰囲気が漂っていたのが印象的でした。
野球選手でなかったら、何か。
なんでしょう、うまく表現できないのですが、
宮本武蔵のような武術を究めようとしている
剣術家のような雰囲気でしょうか。
番組スタッフのインタビューに応えるシーンがありました。
昨年2012年開幕から2週間経ち、開幕直後の好調さが影を潜め、
打撃不振に陥っていたときのインタビューです。
スタッフからの「いま、どんな気持ちで打席に立っているか？」との
質問に、こう答えていました。
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う～ん、そうだな、まぁ、バッティングのこととか、技術のこととかって、
僕にとってというか、見てる人にとって、
そんな大したことでは、実はないと思うんですよね。
どうやって、この人が生きているんだろうっていうのが、
大事なことであって、人って結局苦しい中で、
どう向き合うかとか、どう進もうとしているのか、っていう姿勢が
大事だったりするじゃないですか。
で、そういう何かに向っていく姿勢というのが、
きっと大事なんだろうなというふうには思っていますし、
僕もそうでありたいなと。
（以上）
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イチローは、野球選手として、何をファンに見せたいのか？
野球の素晴らしいプレイもさることながら、
見せたい、見てもらいたいのは、
彼の人間としての「生き方」なのでしょうか。
で、その「生き方」は、ものごとがうまく行っているときに、
表に現れてくるというものではなく、
苦しいとき、逆境に立たされたときにこそ
現れてくるものと考えているのでしょう。
確かに、その通りだと思います。
仕事をしていて、思い通りにいかない、うまくいかないときにこそ、
その人の考え方が表れてきたりします。
苦しいことから逃げようとするのか、
なんとしてもこの難局を乗り切ろうと努力をするのか、
こんな辛い窮地に追い込まれたことを不幸と捉えて嘆くばかりなのか、
逆境もプラス思考でありがたいことと考えて解決に向おうとするのか・・・。
テレビでイチローを見ていて、
私自身も、今まで以上に逆境に立ち向かえる自分でいたいと、
つくづく思ったわけです。
イチローのように、生き方までをも示せるスポーツ選手と言うのは、
数少ないと思いますが、そういう類の選手は、
間違いなく人（ファン）の心を動かせる選手ですね。
ちなみに、日本の野球選手で言えば、中日ドラゴンズの山本昌投手は、
私にとっては生き方を示している選手ですね。
そういう意味で言えば、
組織のリーダーと言う立場の人たちにとっては、
「逆境に立たされたとき」と言うのは、
メンバーからの信頼を得る機会と言えるわけです。
逆境に立たされたときにこそ、
メンバーの心を振るわせるような生き方を示す。
それがができれば、
間違いなく信頼を得て、リーダーシップを高めていけます。
「メンバーの心を振わせる生き方を示せるリーダー」。
そんなリーダーが、逆境が長く続く今の日本には
求められているのではないでしょうか。
全然イチローのレベルには届きませんが、
私自身も、そんな理想像に少しでも近づいていけるよう、
精神的・技術的鍛練を積み重ねていこうと思います。
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