トヨタと織田信長の共通点~データで語れる人材を育てる
今年7月ごろから2つの企業さんに対して、
「トヨタ流問題解決」の指導を行ってきました。
対象人数は2社で47名。
一人ひとりが自分自身の実際の問題を取り上げ、
それを数か月かけて、
トヨタ流の問題解決のポイントを学びながら、
実践し、問題解決を進めていくという内容。
トヨタの問題解決にはいくつか
強調しているポイントがあります。
・目的と手段を間違えない
・絞るという概念を持つ(プライオリティをつける)
・データで語る
等々・・・
問題解決力とは仕事力です。
なぜなら、仕事は問題解決の連続ですから。
「仕事=問題解決」と言っても過言ではありません。
問題解決力を高めれば、
間違いなく仕事の効率も高まり、
成果も高められます。
事実、今回の問題解決の支援を
させていただいた方からは、
以下のコメントを頂いております。
『一番勉強になったのは絞って考えるということ。
あれもこれも一度に対応するよりも、
絞って考えた方が、
問題解決スピードが速くなることを実感した。』
『あるべき姿と現状が出したい成果と
今、出ている成果としてちゃんと数字で表すことは
部下に今後しっかりと教育していきたい。』
『自分が部下を指導するときに、
ハードルの高い成果を求めすぎていたことも感じている。
絞って重点指向で考えさせるのが
問題解決のスピードを上げることが分かった。』
『今回の問題解決の実践を通して、
グループのメンバーと目的と目標を共有できて、
みんなで案を出せて非常に良かった。
なかなかこういう場が今までなかった。』
『目的と手段を間違えないことは
多少なりとも理解しているつもりだったが、
今回改めて勉強になった。』
『いろいろと職場で問題解決もやっているが、
あれもこれも手を付けてしまって
最終的にうまくいかないことが多かったと思う。』
『分かったつもりで出来ていなかったことが分かった。
すぐに答えを見つけに行ってしまう傾向が
あることを自覚した。
今回指導を受けて頭もすっきりして、
思考を整理する上でありがたかった。』
『地に足を付けて取り組むべきことが分かった。
問題を絞って考えることが
自分の上司も自分自身も部下もできていない。』
『決め打ちというか、
勝手に要因や対策を想定して
議論を進めてしまうことが多い。
データ・事実に則った議論をすべきことの大切さを感じた。
効率的にやっているつもりが実はやれてないのが分かった。』
『問題解決に対する意識が高まった。
手法を使うことで、
ロジカルに説明することができるようになった。
QCをやってはいるが、改めてその良さを実感。』
『仕事をしていて、
いろいろな対策案を考えるわけだが、
その対策に至るまでのプロセスが、
足りていなかったのを痛感した。』
等々・・・
こうしたコメントを頂き、
理解してほしかったポイントが
しっかり伝わっていることが
実感でき本当にうれしく感じているところです。
特に、部下指導・部下育成において、
上司は、データで語れるよう
指導すべきだと考えています。
客観的データで語る、客観的事実で語る、
ということはトヨタの問題解決の中で
かなり協調されていることです。
組織で仕事をするケースは、
このデータで語れる人材を育成することは
非常に重要なポイントになります。
部下:「製品Aに関しては、去年よりずいぶん
増えています」
上司:「なるほど、増えているのね。
で、具体的どれぐらい増えてる?
データで示してよ」
部下:「客先Bは、かなり減っています」
上司:「具体的に前年比でどれぐらい減ってる?
過去5年間の趨勢は?
データで示して」
というように。
そして、
部下:「製品Aの売上は、対前年比で13%減です。
特に、X地域での落ち込みが18%減と大きいです」
というようにデータで語れるようになって
もらえるといい。
話は変わるようですが、
司馬遼太郎の「国盗り物語」の
第3巻に次のような一節があります。
私がすごく好きな場面。
国盗り物語は、斎藤道三と
織田信長が主人公の歴史小説。
斎藤道三が、娘婿の織田信長に
面会を求める使者を送った際の一節です。
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「なに、美濃から蝮(斉藤道三)の使者がきたと?」
と、信長はいった。
「どんなやつだ」
「堀田道空と申し、美濃の山城入道さま(斎藤道三)の
ご重臣でございまする。
お頭が、まるうござりまする」
「禿か」
まだかぞえてハタチの信長は、
妙なところに関心を持つらしい。
取次ぎの者が、
(禿であろうとなかろうと、
どちらでもよいではないか)
とおもいながら、
「いえいえ、毛を剃っておりまするゆえ、
禿ではございませぬ」
「その頭は、青いか」
「青くはございませぬ。赤うござりまする」
「そちは馬鹿だ」と、家来をにらみつけた。
(馬鹿はこの殿ではないか)
と家来が恐れ入っていると、
「聞け、赤ければ、
その頭は半ばは禿げておるのだ。
なぜ、半ばは禿げ、
半ば毛のあるところを剃っておりまする、と申さぬ」
(あっ、道理だ)
と家来は感心したが、ばかばかしくもあった。
どちらでもよいことである。
「よいか、そちはいくさで偵察(ものみ)にゆく、
敵のむらがっている様子をみて、
そちはとんでかえってきて、
『敵がおおぜいむらがっておりまする』と報告する。
ただおおぜいではわからぬ。
そういうときは
『侍が何十人、足軽が何百人』という報告をすべきだ。
頭一つみても、ただ『禿でございます』ではわからぬ。
おれはそんな不正確なおとこはきらいだ」
信長はめずらしくながい言葉をいった。
この若者にすれば、家来を自分流に
訓練しているつもりである。
以上
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歴史小説からビジネスに活かせることは、
多いと思っています。
もちろん、小説ですから、
実際に織田信長と家来との間で、
こんなやりとりがあったかどうかは分かりません。
が、ぜひ、織田信長のように
部下を指導し、データで語る風土を作って
行けるといいでしょう。
トヨタ流問題解決の実践に興味のある方は、
ぜひ、当方宛にご連絡ください。
当方のメールアドレス
↓
katsumi.ui.kpc@gmaik.com
どのように進めるかだけでも聞いてみたい、
ということでも構いません。
なお、トヨタ流問題解決は、
一般社団法人中部品質管理協会の主催となります。
中部品質管理協会
↓
https://www.cjqca.com/
追伸
織田信長つながりで、一つご紹介。
私が、アドバイザー・講師を務める、
独立行政法人中小企業基盤整備機構が、
戦国武将をモチーフとした
「タイプ別のビジネスに活かせるヒント」
をWeb上で紹介しています。
「乱世を生き抜く」
↓
https://kikou.smrj.go.jp/ranse
ちなみに、私のタイプ診断の結果は、
「武田信玄」
https://kikou.smrj.go.jp/ranse/shindan/result02st/
問題解決力が低いやないかぁ~い!!