問題のパターンにより解決手法を使い分ける(後編)
後編です。
前回の内容を簡単に振り返っておきましょう。
『会社組織における問題(議題)には、
様々な種類(パターン)がある。
その問題のパターンに応じて
問題解決の手法を使い分ける必要がある。
特に会議の場で議事進行役を務める人は、
問題のパターンに応じた問題解決の手順が
頭に浮かべられようにしておけるといい。
それができて、初めて会議が
うまく進められるようになる』
ということをお伝えしました。
そのうえで、問題のパターンとして、
【パターン①:業務がやりにくい】
【パターン②:出すべき成果が出せない】
【パターン③:出すべき成果は出せているけど
業務のやり方にムリがある】
の3つについて、
その内容と適した解決手法をお伝えしました。
今回は、その後編です。
いってみましょう!
【パターン④:やり直し、手戻り、手待ち等のムダがある】
例えば、
上司から資料の作成を指示され、
完成させて持って行ったら・・・
「ちょっとイメージが違う」
「必要な情報が抜けている」
「こんな項目はいらない」
等と言われて、作り直しとなる、
とか
必要な情報が、他部署から
なかなか思うように入手できずに
仕事が進められない手待ち状態になる
ことがよくある、
等
このパターンは、
一連の業務プロセスの流れを見える化し、
どのプロセスでどんな問題があるのかを
共有し、解決策を考えたり、
業務プロセスに
「目的の共有」、「成果物の共有」、
「手順の共有」、「準備物の共有」
等の項目を入れたり
することで対応していきます。
【パターン⑤:出すべき成果も出せている、
業務プロセスに特段無理もない、
だけど事故を起こしてしまった】
分かりやすい例でいえば、
今年の1月2日に発生した
羽田空港でのJAL機と自衛隊機の衝突事故ですね。
普段出すべき成果はちゃんと出せています。
その成果を出すうえで特段無理もしていません。
でも、今回に限って起こってしまったのです、
事故が・・・
この事故の再発を防止する必要があります。
このパターンでは、
業務プロセスを細かく見える化し、
関係者で共有したうえで、
どこのプロセスで何を行ったことが
今回の事故につながったのか、を特定し、
なぜ、そのプロセスでそのような行動を
取ってしまったのか要因を追求する。
そのうえで、対策を練る、
という流れが必要になります。
【パターン⑥:こっちを立てたら、あっちが立たない】
例えば、
在庫をしっかりと持つことで、
機会損失を減らし、売上を上げたい、
しかし、
在庫をたくさん持つと、
コストがかさんでしまう。
こっち:在庫を増やして機会損失を減らし、
売上を上げたい
あっち:在庫を減らしてコストを下げたい
このようにこっちを立てたら、
あっちが立たないというケースがあります。
このような問題を解決するには、
どうしたらいいか?
まず、その両方に「共通する目的」を
関係者で共有することが求められます。
共通の目的がなければ、
さすがにこの両方を立てることはできません。
上記の例でいえば、
「会社として利益額を上げる」が
共通の目的です。
共通の目的:利益額を上げる
↑
手段①:売上高を上げる
↑
手段②:在庫をたくさん持つ
共通の目的:利益額を上げる
↑
手段③:コストを抑える
↑
手段④:在庫を少なくする
この構図を描き、
手段④を実現しながらも、
手段①を実現できる方法はないか
(在庫を少なくしながらも、
売上を上げられるいい方法はないか)、
手段②を実現しながらも、
手段③を実現できるいい方法はないか
(在庫をたくさん持ちながらも
コストが抑えられるいい方法はないか)
を考えていきます。
【パターン⑦:斬新なアイデアが出ない】
例えば、何かのイベントを行う上で、
前例にとらわれない面白い、
斬新な発想で対応したい、
そんなケースありますよね。
この場合は、プロセスというよりも
ブレーンストーミング等発想法の使い方を
知っている必要があるでしょう。
例えば、オズボーンのチェックリスト法や、
強制連関法、しりとり法等々・・・
【パターン⑧:経営課題・事業課題を考えたい】
自社・自部署として、
今後どのような課題に取り組む必要があるのか、
を考えるパターンです。
この場合は、経営戦略策定プロセスを
知っている必要があります。
このパターンは、
課長以上に求められるものでしょう。
自社・自部署の使命を明確にし、
外部環境・内部環境から
クロスSWOT分析等を行い、
自社・自部署のビジョンを明確にし、
課題を策定していく。
この流れを使う必要があります。
ものすごく単純に書いちゃいましたが・・・。
【パターン⑨:課題に対する策を早急に講じたい】
経営環境の変化が激しい時代、
じっくり環境分析していたら、
タイミングを逸してしまう、
とにかくすぐにでも対策を講じ、
行動につなげたい・・・
こんなことあると思います。
また、危機管理上すぐにでも
対応しなければならない、
というケース等。
このパターンで、
よく言われるのは、OODAモデル。
①Observe(観察):
置かれている状況や周りの環境を客観的に観察し、
現状をできるだけ正しく認識する
②Orient(状況判断):
得られた情報を元に状況判断を行い、
取るべき行動を方向づける
③Decide(意思決定):
具体的な手段を設定したうえで意思決定する
④Act(行動):決定した内容を行動に移す
ということで、前回、今回と、
『「問題」と一口に言っても色々なパターンがある。
そのパターンに応じて問題解決手法を
使い分ける必要がある』
ということをお伝えしました。
これこそをビジネス・スキル系の
人材育成における中核にすべきではないかと
考えています。
想像してみてください。
何か問題が発生したり、
社員・部下が何か業務上の不満を抱いたり、
社員・部下がやってはいけないミスをしてしまったり、
そんなとき、問題解決力のない社員ばかりであれば、
みんなが「どうしたらいいんだ?!」と
頭を抱えてしまい、業務が停滞してしまいます。
上司は、部下に「君たちで考えなさい」と
アドバイスもできない。
そうではなく、
問題解決ノウハウを身につけた社員が、
「大丈夫!これぐらいの問題、
この問題解決手法で進めれば解決できる」と
言っている。
そうなれば、
社内の様々な問題が解決でき、
業務もスムーズに回ります、
会議もサクサク進めらます、
社内の雰囲気もきっとよくなります、
リーダーはリーダーシップを発揮できます、
当然、業績も上げられます。
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