コラム - 仕事のルール

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仕事のルール

勝ち・負けの原因をどう考えるか

パリオリンピック、始まりましたね。


ご覧になってますか?



私は、LIVEではなかなか見られておらず、

とりあえずニュースとYouTubeとTVerで

見られるものは見てるってぐらいです。



それでも、感動させられます。



自分を律して、

努力を積み重ねた人たちの中でも、

さらに選ばれた人たちの闘いですから、

感動しないわけがないです。




それと併せて、

オリンピックの舞台に立つ選手の努力の

ほんの少しでも見習いたいなと

思わされるわけです。



平日、家ではお酒を飲まないようにと

心に決めつつも、

今日は暑かったからハイボール1杯だけとか、



毎日腕立てやろうと決めながら、

今日はちょっと疲れたから、

明日にしよう、



なんて言っている私の自律レベルでは

想像もつかないほど自分を律して

努力をしてきた人たちです。



そうしたオリンピック選手のコメントを

読んだり、聞いたりするのが、

今のちょっとした楽しみになっています。



特に勝者のコメントではなく、

敗者のコメントの方に興味があったりします。

(性格を疑われると困りますが・・・)



例えば、競泳女子100mバタフライの

準決勝で敗れた池江璃花子選手のコメント。





「ここまでの努力は何だったんだろうと思うし、

頑張ってきた意味はあったのかなと、

そんな気持ちでいっぱい。



自分なりに一生懸命やってきたつもりだったが

何も変わってなかった。

本当にいつまで苦しまなければいけないんだろうと思う」



「人って悔しさを経験をしないと成長できないと思うし、

今はそう思うしかない。



(中略)



次に自分が何をしなければいけないのかちゃんと考えて、

落ち着いて行動したい」





結果を出すには努力しかない、

自分にはその努力が足りなかった、

だから、次に何をしなければ

ならないかを考えて、

努力していくってことですよね。







「なぜ、このような結果になったのか?」



その結果の要因を人が考える場合、

「ワイナーの原因帰属理論」によれば、

次の4つのいずれかになると言われています。



・運のせい

・課題の困難性のせい

・自らの能力のせい

・自らの努力のせい



例えば、営業マンが大型案件を

受注したとしましょう。



なぜ、こんな大型の案件を受注できたのか?



・運

「めちゃくちゃ運が付いてたんですよね。

普段絶対に会えないキーマンの人に

ホントたまたまなんですけど、

ロビーで会えて、その場で話ができたんです。



そこで、興味持ってもらって。




だからうまくいった理由と言われても

運が良かったとしか言いようがないんですよ」





・課題の困難性

「いや、まぁ、大型案件ですけど、

今回の案件であれば、私じゃなくても、

誰がやっても簡単に取れますよ。

簡単な案件だと思いますよ」





・能力

「私、営業の天才ですから」





・努力

「とにかくこまめにお客さんにコンタクトをして、

現場にも足しげく通って人間関係を作ったこと、

現場の人たちから細かく問題を聞き出せたこと、

それが良かったんじゃないかと考えています。

提案書は10通りぐらい作ったりしましたから」



という具合になります。



うまくいかなかったときであれば、



「運がついてなかったんです」



「こんなの難しすぎますよ、

 誰がやってもうまくいきませんよ」



「私に能力がないんです」



「私の努力が足りませんでした」



となります。



先述の池江選手の場合は、

「一生懸命やってきたつもり」と言ってますから、

「努力」ですね。







で、どの要因を考えるのが、

最も人として成長につながるのか?




ワイナーの原因帰属理論によれば・・・



「最終的には“努力”に起因させるべき」



とのことです。



なぜなら、成果を出すためには、

「行動」が必要だからです。



運のせい、課題の困難性のせいに

していては次の行動につながりません。



運・課題の困難性は、

自分の力で再現させるのは困難だからです。



能力のせいにしていても同じです。

次の行動につながりにくい。





成功の要因として

「努力をしたから」、



失敗の要因として

「努力が足りなかったから」



と考えるからこそ、

次の行動に繋げていけるのです。





ちなみに、オリンピック選手ではありませんが、

メジャーリーガーの大谷翔平選手は、

運を引き寄せるための行動として、

以下の8つを高校生の時に挙げていました。



・あいさつ

・ゴミ拾い

・部屋そうじ

・道具を大切に使う

・審判さんへの態度

・プラス思考

・応援させる人間になる

・本を読む





大谷選手の場合、

「運は必要。その運を得るための行動」として

運を自分の力でコントロールできることに

しているのがすごいところです。





最後に、今回のパリオリンピックの選手たちの

コメントを見てみましょう。





柔道で2連覇を逃した女子52キロ級、阿部詩選手



「本当に悔しいというひとことです。

オリンピックという舞台で勝てなかった私が弱い。

すごく強くて、相手が上回っていた」





「課題の困難性」かつ「自分の能力」のせい、

って感じでしょうか。



「相手が強すぎですよ。

誰がやっても勝てるわけないですよ」

だけだったら、「課題の困難性のせい」に

なってしまいます。




が、それだけではなく、「強い相手に勝てる力が

自分になかった」ということですからね。



「自分では、努力したつもりだった。

だけど、強い相手に勝てるだけの力をつける、

その努力が足りなかったということ」



と言えてこそ、本当は「努力のせい」に

することにはなります。



でも、きっと阿部詩選手は、

この悔しさを晴らすさらなる努力を

されることと思います。





スケートボード女子金メダルの吉沢恋選手。

(こちらは勝者のコメントですね)



「練習のときに足首をけがしてしまって、

最初はちょっと無理かと思ったんですけど、

雨の影響で2日間滑れない期間があって、

その間にケアをしてもらって 治すことができたので、

そういう運というのも自分にあったんじゃないかなと」



これは「運」のせいですね。



でも、間違いなく「自分の努力」プラスαとしての

「運」としているでしょう。



「全て運のおかげ」とは思っていないと思います。



もし、あなた自身、

もしくはあなたの部下の方が、

「運」・「課題の困難性」・「能力」を

結果の原因としていたら、

「努力」に起因させるように持っていけるといいです。




「なるほど、運もあったよね。

で、その運を引き寄せられたことがあったとしたら、

どんな行動があったからかな?」

というように。






あと、コメントではありませんが、

感動したのは、柔道男子60キロ級の

永山竜樹選手の言動ですね。




準々決勝で、絞め技で一本負けを喫した永山選手、

対戦したスペインのフランシスコ・ガルリゴス選手との

写真とともにメッセージを公開しています。



ご存知の通り、フランシスコ・ガルリゴス選手が、

「待て」が掛かったあとも

寝技の姿勢を解かなかったことが批判の

対象になっていました。



永山選手は自身のインスタグラムと「X」で

ガルリゴス選手から謝罪の言葉があったとし、




「彼にとっても不本意な結果だったと思います。

オリンピックの舞台で彼と全力で

戦えたことを幸せに思います!

誰がなんと言おうと

私たちは柔道ファミリーです!」と



日本語でつづっています。



悔しい想いをさせられた相手を

ここまで慮れる!



勝負の世界で「色々な経験」を

してきたらこそだと思います。



やっぱりスポーツをやっている人って、

本当にメンタルが強い。



私も見習って、年後半も努力していきます。


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