コラム - 会議のルール

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会議のルール

それ、“問題”を共有してないからです

複数の人、複数の部署が絡んで

チームで問題を解決していく場合、

非常に大事なことがあります。

 



大事なことなのですが、

意外と見落とされていることでもあります。



なにか?




「関係者間で問題を共有すること」



です。




当たり前だろ、という声が

聞こえてきそうな気もします。




が、問題を共有した気になって、

会議等で問題解決を進め、

うまくいかないということが

意外に多いのではないかと感じています。

 

とある企業さんの事例をお伝えします。



人数にすると3,000人規模の製造業。

その会社のとある部署の課長さんの話。



その課長さんが、

問題解決したいということで、

私にこんな話をしてきました。



『うちの部署の“あるべき姿”としては、

やっぱり課の一人ひとりが明るく元気に

働けている部署だと思っています。



でも、恥ずかしいかな、

“現状”はどうかというと

どうも元気がないし、暗い感じなんです。



“問題”はちょっと忙しすぎることかなと

考えています。



忙しすぎて、中堅層が若手に対して

指導ができていないというか・・・



それで、若手が成長感を得られず、

元気がなくなって、全体として暗い雰囲気に

なっているのかなと思うんです。』




あるべき姿=明るく元気な部署

現状=暗く元気がない

問題=忙しすぎること

 

これ、日常会話レベルで

話をしているのであれば、

全く問題ありません。

違和感もありません。

 

でも、これをチームで

解決していこうとした場合は、

絶対的にNGなのです。



何がNGか?



これでは、チームメンバー間で、

問題が共有できないからです。



なぜ、問題が共有できないのでしょう?



“あるべき姿”と“現状”、それと“問題”が

“解釈”で表現されているからです。



“あるべき姿”と“現状”、“問題”は

“解釈”ではなく“事実”で表現されなければ、

問題を共有することができないのです。



解釈とは、

「他者から否定される可能性のある内容」、



事実とは、逆に

「他者から否定される可能性のない内容」です。



例えば、想像してみてください。



もし、この課長さんが、部下を集めた会議で、

次のような話をしたとしましょう。

 

課長:今日、みんなに集まってもらったのは他でもない。

         最近、どうもうちの課の雰囲気が暗い気がする。

 

        私としては、やっぱり明るく元気にみんなに

         働いてもらえる部署にしていきたい。



        で、今日は、どうしたらもっと

        明るく元気な部署にしていけるか、

        そのためのアイデアを出してほしい。

        率直な意見も聞かせてほしい。



課長がこう切り出したたら、

ひとりの部下が手を挙げて・・・



部下:あのぉ~、いいでしょうか?

        うちの課って、そんなに暗いですか?

        私はどちらかと言えば、明るい方かなと

        思っているぐらいなんですが・・・

   

        〇〇部と比べたら結構元気な

        部署なんじゃないでしょうか。

        私自身、元気に働いているつもりですし。

   

        課長が、突然「元気ない」とか「暗い」とか

        言い出されたんで、

        若干戸惑っているぐらいなんですが・・・



課長:いや、みんな元気ないだろう。

         これで明るく元気って感じではないと

         思うんだけどなぁ。



これ、現状やあるべき姿を“解釈”で表現して、

問題がメンバー間で

共有できていない典型的なケースでしょう。



身近なところで言えば、



「最近太ったんで、痩せたいんだよね」



「全然、太ってないじゃん。

ちょうどいいぐらいだよ」



というのと同じレベルで

問題が共有できてません。





解釈で表現しているから、

問題が共有できていないんです。



問題を共有するには、

あるべき姿と現状を

事実で語る必要があります。



太った、痩せたいではなく、

「現状、体重が80㎏ある。

日常生活で負担がないようにしたい。

そのためには72㎏にしたい」

というように。



課長さんの事例で言えば、



課長:なるほど、〇〇さんとしては、

 元気で働いていると自覚してるんだね。

 

    ただ、先日、全社ストレスチェックをやったでしょ。

        その結果が、対象となった全50部署中、

        うちの課、46番目に悪かったんだよ。



         順位が高ければいいってわけでもないと思うけど、

         やっぱりこれでは、

         明るく元気な部署とは言えないと思うんだよ。



         ストレスチェックの評価基準からすると

         真ん中より上に行けてこそ、

         明るく元気な部署と言えるんだよ。



         できたら上位10位には入れるようにしたい。





これであれば、

解釈ではなく事実で語っていることになります。




あるべき姿=ストレスチェック全社順位10位

現状=全社順位46位/50部署中

問題=36位のギャップがある




課長さんが一人で、

もっと元気な部署にしたいなぁ、

どうしたらいいだろう、と考える分には

解釈でも構わないでしょう。



でも、チームで問題解決する場合は、

事実で語り、問題を事実で共有する

必要があります。



その事実で語るときに一番有効なのは、

あるべき姿と現状とそのギャップを数字で語る、

ということです。



これを意識するだけでも、

あなたのチームの問題解決力、

少し上がると思います。


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