アルのかナイのか「アルムナイ」
昨年12月15日のブログで、
「現状、世間一般的に
働き方改革=残業削減のようになっている。
しかし、これからの働き方改革の主流は
残業削減ではなくなるだろう」
ということをお伝えしました。
もちろん、非効率な仕事のやり方は、
改善しなければなりません。
でも、「残業を減らすことそのものが目的化」して
しまっている働き方改革は、見直されると考えています。
じゃあ、これからの働き方改革はどうなるのか・・・
一つの大きな流れは、
『兼業・副業・アルムナイだ』、
ということを現状のデータと
共にお伝えしました。
そういう観点で世の中を見てしまうからだとは思いますが、
やはりその類の情報が目に飛び込んできます。
いわゆるカクテルパーティー効果ですね。
1月12日の日本経済新聞1面にこんな記事がありました。
『ライオンは2020年春をめどに、
人事部が社員に副業を紹介する制度を始める』。
会社が紹介までするのは珍しいケースでしょう。
目的は、所属企業の枠を超えて
事業を創造するオープンイノベーションを促すため。
社員には、副業で得た知識や経験を
本業に活かして、新たな価値を生んでくれることを
期待しているとのことです。
掬川正純社長は
「社内のことしか知らなければ、アイデアは浮かびにくい」
と語っています。
ちなみに、会社側はどのような副業を
想定しているかというと・・・
・デザイナーによる社外のロゴ作成
・人事部の経験者による他社の人事システム導入支援
等々。
こうした副業・兼業の制度をうまく活用すれば、
会社にとっても、社員にとっても
メリットがあると思います。
これが、今後、働き方改革の主流は、
「副業・兼業・アルムナイ」になっていくと、
考える大きな理由です。
で、最後に出てきた「アルムナイ」、
「なにそれ?」ってことかもしれません。
(12月15日のブログでは、
兼業・副業に関してのみのお話でした。
今回は、アルムナイに関して話したいと思います)
まだまだ一般的な用語には
なっていないのではないでしょうか?
でも、これもまた今後の働き方改革の
大きなテーマになっていくと考えています。
「アルムナイ」は英語で、alumniと表記します。
「alumnus」の複数形で、訳すと「卒業生」「同窓生」。
企業で使用する場合は、退職者やOB・OGを意味します。
で、それのどこが働き方改革なのか?
上記の意味合いから派生して、働き方の観点でいうと、
「退職した人を再度雇用する制度」とか、
「退職した人を活用する制度」という
意味合いになります。
私自身、2つの会社のアルムナイであり、
いろいろと感じることもあるわけです。
最初に勤めたのは、製造業、
2つ目はコンサルティング会社。
実は、2つ目に勤めたコンサルティング会社は、
今も、私的な交流だけでなく、
仕事上のお付き合いもさせていただいております。
具体的に言う、そのコンサル会社から、
社内で対応できない案件に関し、
お仕事をいただいているというお付き合いを
させていただいております。
仕事を請けるこちらとしては、
その会社に勤めていた経験があるので、
仕事の進め方など内部事情は分かっているわけです。
仕事を進めるうえで注意する点も
何となくは分かっています。
ですから、仕事を出す側としても、
利便性は高いと思うのです。
ただ、なかなか表現が難しいところではありますが、
この仕事上のつながりは、
会社としてアルムナイ活用制度が
確立されてのものではありません。
コンサル会社の営業マンとの個人的なつながりで
仕事をいただいているという形。
私以外にも、このコンサル会社を辞めた人はいて、
そうした人たちを会社の制度として有効活用すれば
お互いにとってメリットがあると思うのです。
最初に勤めた製造業に関しては、
同期との私的な飲み会でたま~に会って、
話をするぐらい。
仕事上でのお付き合いは一切ありません。
現時点では、それが一般的。
しかし、今後はこれを会社側が制度として、
「退職した人を組織化し、活用する」ということが、
一般的になっていくのではないかと思います。
もちろん、付き合いたくなければ
付き合う必要もないわけですし。
ちなみに、この製造業のケースで言ったら、
例えばですが、ひょっとすると、
私がコンサルタント・研修講師として伺う様々な会社に
その製造業のPRができるかもしれません。
定期的に辞めた人を会社が集める、
会社の現況なり新製品なりを辞めた人に紹介する、
辞めた人がその情報に基づき、PRする、
成約に繋がったら何らからの報酬を支払う、
というような制度を構築する。
個人的には全然やぶさかではありません。
辞めた人の知識やノウハウを
埋もれさせるのではなく、
制度として有効活用する。
そんなことが普通に
なっていくのではないかと思っています。
2つの会社を退職した経験があるからこそ
より強くそう思うのです。