子ども向けテーマパークに大人が殺到の理由
「キッザニア」というのをご存知でしょうか?
キッザニアとは、子どもを対象にした
様々な仕事を疑似体験できる
『職業体験型テーマパーク』。
例えば、警察官、消防署員、キャビンアテンダント、
パイロット、ファストフード店の店員、
宅配便の配達員、医者、銀行員、食品開発スタッフ、
自動車工場の作業員、研究者、
テレビ番組製作スタッフ、更には、
マジシャン、劇団員などの仕事を
疑似体験できるのです。
キッザニア
↓
http://www.kidzania.jp/
メインターゲットは3歳から15歳。
そのキッザニア東京が、
大人向けの催しを1月16日に開いたところ、
「仕事の疑似体験をしたい!」という大人たちが
殺到したというのです。
「大人のキッザニア」
↓
http://www.kidzania.jp/tokyo/news/detail/post-764.html
一日限りの催しというのもあるでしょうが、
予約の段階で満員に達したとのことで、
その盛況ぶりが伺えます。
子ども向けのテーマパーク、
仕事の疑似体験に大人が殺到・・・
一瞬、「なんで?」って思いませんか?
この催しを紹介していた経済番組(WBS)では、
参加した理由は大きく2つあったそうです。
一つは、昔自分が憧れていた職業を
体験してみたい、というもの。
比較的年齢層は高めの人たちに多かったようです。
この心理は確かに分かります。
特に多かったのが、
キャビンアテンダント(客室乗務員)
だったようです。
女性客室乗務員、いわゆる我々の世代でいうと
「スチュワーデス」ですね。
あの制服を着て、
「教官!」って言ってみたい、
これは違うか。
職業に貴賤はないと思いますが、
我々世代からすると、
「女性客室乗務員(スチュワーデス)」というのは、
高嶺の花的な職業ではありました。
もちろん他にも、昔、警察官になりたかったとか、
テレビのディレクターになりたかったとか、
というのもあったと思います。
もう一つの理由は、
これは、比較的若い世代に多かったようですが、
「転職を考えているが、
本当に自分にあっているか、
自分にできるのかを確認したい」というもの。
今の仕事よりも自分に合っている仕事がある気がする、
でも、本当に合っているのか分からない・・・
若いころはこんなふうに考えること
あると思います。
特に今の世の中、転職の垣根も低いですし、
様々な情報もあるので、いろいろな選択肢に
関心がいきやすい時代なのでしょう。
この若い世代のニーズは、
キッザニアではなく、ひょっとすると
「会社内」でも応えられることかもしれません。
例えば、営業職の社員が、
「営業ではなく、本当は製品企画部門のほうが、
自分に合っているんじゃないか、
そっちの仕事をやってみたい、
でも、本当に合っているか分からない」
と考える。
それに対して、部署を異動するわけではなく
製品企画部門の仕事を体験できると。
社内で公募制にして選ばれた人を対象に
してもいいと思います。
また、キッザニアの様に1日だけでは、
なんとも判断はできないでしょうから、
ある程度の期間は必要にはなるでしょう。
こうした制度で、社員の満足度を
上げることが出来るかもしれません。
もちろん、その弊害は想定して
おかなければなりませんが・・・。
部署間をまたいで、別の仕事を体験できる、
そんな制度があっても面白いなという気が、
このキッザニアの取り組みをテレビで見ながら、
感じていました。
実際に私のクライアント先で、
上記のような目的ではありませんが、
新入社員に配属後半年目で違う職場を
体験させるという制度を
導入している会社があります。
昔の憧れの職業を体験したいという欲求にしろ、
天職のために体験したいというニーズにしろ、
人は今の自分とは違った自分に
憧れるということなのかもしれません。