コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

まさかあいつが敵になるなんて・・・

12「吉呑み」というのをご存知でしょうか?

牛丼の吉野家が、店舗はそのままに従来のメニューも提供しつつ、

「ちょい飲み」ができるようにアルコールやちょっとした料理、おつまみを

提供している新しい業態です。

どんなメニューがあるかというと、牛皿など牛肉料理だけでなく、

マグロ刺身(300円)、焼きいか(300円)、フライドポテト(200円)、

たっぷり野菜(200円)、子持ちししゃも(350円)、玉子焼き(200円)、

鰻皿(630円)などなど。全部で25種類ぐらいあります。


まだまだ東京都心部の店舗が中心なんで、

ご存じじゃない方も多いかもしれません。

「吉呑み」→http://www.yoshinoya.com/yoshinomi.html


私は、先日東京の五反田に出張した際、

テレビでも紹介されていて気になっていたので、寄ってみました。


一人で入って、1時間少々パソコン打ちながら、ビール片手に、

3点ほどおつまみを頼んだんですが、金額は1,000円ほどでした。

かなり手軽に使える感じです。


ただ、隣のテーブルにいた50代ぐらいの男女が、

酔っ払って痴話喧嘩し始めたのには参りました・・・。

なんかかなり荒々しい言葉で言い合いし始めて、

それを横目でチラチラ見ながら、

「えらい激しいなぁ」と思っていたら、

男が言うわけです。

「なんでそんな目で睨むんだ!」って。

そしたら、女の方が、「あんたの目がキレイだからだよ!」って。

もうずっこけました。

その女の一言で、男も気分が良くなかったのか、

すっかり矛先を収め、喧嘩も収まってしまいました。

もうなんか変な小芝居見せつけられた感じ。

でも、あまりの女性の鮮やかさと言葉の持つ力に感じ入ってました。

って、すみません、今日のテーマとは全く関係のない話に脱線してました。


そうです、吉呑みです。

私が入ったのは、21時ごろでしたが、お客さんも8割ぐらいは埋まっていて、

かなり使われている感じでした。


となるとです、近隣の居酒屋にとっては、

この「吉呑み」という新たな業態は、競合となるわけです。

特に低価格を売りにしている業態の居酒屋にとっては・・・。

今までの吉野家の牛丼であれば、、競合でも何でもなかった。

ところが、ある日突然、姿を変えて敵となって現れてきたんです。


まぁ五反田あたりの需要からいえば、

それほど大きな影響はないのかもしれませんが、

競合相手になったことは間違いないでしょう。


吉野家にしてみると、店舗を新しく作る必要はないし、

ブランドもそのまま使えるので、少ない投資で、

売上を伸ばせるというメリットがあります。

今後も増えていくんじゃないでしょうかね。


「ちょい飲み」の市場というのは、都心ではそれなりにあるようで、

吉呑みだけでなく、ファミリーレストランのガストも、

この「ちょい飲み」ができる業態を開発しています。

焼酎のボトルキープもできるようです。

残念ながら、ガストの方は、まだ経験がありません。

ガストの強みは、ドリンクバーがあるってことですね。

焼酎のメロンソーダ割りとかが、自分で自由に作れますから。


ガストも、吉呑み同様、居酒屋にとっては競合になるでしょう。


ここで、企業の競争環境を分析する手法の一つ、

マイケル・ポーターという人が考えた

「ファイブ・フォース分析」というのを紹介したいと思います。


どういう分析手法かというと、

5つの競争の視点から、業界の構造を分析するってものなんですが、

5つの競争の視点が分からないとなんのこっちゃってことですね。


5つの競争の視点(要因)、簡単に言うと、

自社の競合相手にはどんな人たちがいるのか、ってことです。


マイケル・ポーター曰く、

競合というのは以下の5つのタイプがあるというのです。

①同業他社(同じ業態の競争相手)

②新規参入業者(同じ業態で、新たに参入してくる相手)

③代替製品またはサービス

④供給業者

⑤顧客


「供給業者や顧客も競合なの?」、って思われるかもしれませんが、

自社の収益に影響を与えるって観点で、この2つもポーターは、

競争要因として挙げているんです。


低価格勝負の居酒屋にとって、吉呑みは、

まさに③の代替製品またはサービスってことです。

全くの同じ業態ではないですから、新規参入ではないでしょう。


同業他社だけが、競争相手ではなく、

その他にもいろいろな競争となる脅威があるという認識は大事ですね。


消費者の価値観が多様化している時代ですから、

どんな分野でも、代替製品やサービスが出てくる可能性は高いはず。


常に、競争環境を意識して、突然敵が現れても、

ビビってしまわないよう、自社の強みを研ぎ澄ませておきたいものです。


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