コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

いつも私はいじめられる・・・

うちの息子がまだ幼稚園児だった頃のこと。

手をつないで歩いていると、何かにつまづいてよく転んでいました。

その時、息子が発する言葉は、

「パパのせい!なんで、転ぶって教えてくれなかったの!?」

でした。

「なんで、お前がここで転ぶって分かんねん!」

子供って、自分が転んだことですら、人のせいにするんですよね。


そのとき思いました。

人間が成長するってことは、自分に起こる出来事について

人のせいにしなくなるってことなのかなって。


幸い、最近(今年小学2年生)は少しずつ人のせいにすることが

少なくなってきているようで、

それなりに成長しているのかなと親バカながら思ってはいます。


先日(4月29日)、NHKスペシャルで

新型うつ病が取り上げられていました。

職場での新型うつの現状とは、なぜ、新型うつになってしまうのか、

職場はどうしたらいいのか、などなど・・・。

「職場を襲う“新型うつ”」


新型うつ(現代型うつ)とは、従来のうつ病とは違い、

以下のような特徴があります。


・周りからは些細なこと(上司からちょっと注意されるなど)と

 思われるようなことで発症する。


・従来型のうつ病と同様にうつ気分、不全感、倦怠感がある。


・海外旅行に行ったり、ブログをアップしたり、

 仕事以外では活動的になれてしまう。


・自己中心的な人に多い。


・自傷、軽い自殺未遂もある。


・性格や生き方と症状の区別があいまい。


・治りにくい
  
 など。


従来型のうつ病が、

「長時間労働や失業など強いストレスで発症する」のとは、

異なった発症の原因があるようです。


ちなみに、NHKが上場企業2,200社にアンケートを取った結果、

「65%の企業が、新型うつと見られる社員がいる」と答えたとのことで、

かなり多くの企業がこの「新型うつ」に悩まされていることが分かります。

しかし、65%とはとんでもない数字ですよね。


番組の中で、紹介されていた新型うつを患った20代の女性が書いた日記

を以下に紹介します。

………………………………………………………………………
「上司にきちっと挨拶をしたし、何が常識がないのだ。

わけわかんない。

だいたいヤツの教え方が悪いのになんで私だけ?

いつも私はいじめられる・・・。


だいたい上司は偉そうに、上から目線だ。

私だったらもっと優しく教えられる。

あの人は鬼だ、辞めよう」

(一部読み取れなかった箇所もあり、私の方で追記・修正してあります。)
………………………………………………………………………

この20代の女性、この日記を読む限りは、

精神的な成熟度に関しては、幼稚園児、小学生と

あまり変わらないのではないでしょうか。


この「思い通りにいかないことを人のせいにしてしまう」という

精神的幼さが新型うつの大きな原因のようです。


人間だれしも、自分の思い通りにいかなかったりするときに、

「自己防衛」のため、「自分は悪くない、悪いのは周りだ」という

気持ちになるものです。

しかし、精神的に成熟していないと、

「周りのせい」にしたままになるのです。

その結果、どんどん「悪いのは周り」になっていってしまいます。

「自分は悪くない、あいつが悪いからこうなった。

自分はちゃんとやろうとしている、教えてくれないあいつが悪い、

手伝ってくれないあの人が悪い、あんな言い方はない、

勉強していないあんな奴は許せない・・・」というように・・・。


精神的に成熟していれば、「自分は悪くない」と思いつつ、

次の発想として、「いやいや、自分にも落ち度があるはず、

人のせいにしていても何も変わらない、自分がどうするかだよな」

という発想が沸いてきます。


この「思い通りにならないことを人のせいにしてしまう」という

精神的幼さをどう成長させていくのかが、

企業における新型うつの対策課題と言えるでしょう。


そのためにどうしたらいいか?

私は、こう考えています。

「まず土台として組織においてお互いが感謝し合い、認め合える風土を作る。

そのうえで、会議などの場において、人のせいにしていても何も変わらない、

ということを常にメンバー間で唱えあうようにする

(自分たち以外のせいにしている発言があったら、

それを指摘し合うようにする)」。


もちろん、そのためには、

それなりの仕組みや場づくりは必要になります。


なお、番組の中で、ドラマ仕立てで新型うつ患者の様子が、

描かれていました。

その場面からも新型うつの対策のヒントがありましたが、

今回は、少々長くなっていますので、

そのことは、改めてお話をしたいと思います。


それと、もうひとつこの番組を見ていて「リーダーのあり方について」も

考えさせられました。

それもまた改めてお話させていただきます。


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