コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

堪(たふ)る限りの力を尽くして・・・

先日の3連休、特にどこに行くということもなく、

子どもとカラオケに行ったり、録画溜めしたテレビを見たりして、

過ごしてました。

その中で宮崎駿監督の「プロフェッショナル仕事の流儀」を

見たんですが、これが相当に壮絶な内容だったわけです。

ということで、前回に引き続き「宮崎駿ネタ」でお送りします。



とにかく伝わってきたのは、

無から有を創造していく時のもがき苦しむしんどさ。

映画作りの楽しさ、素晴らしさなんてものは微塵もありません。


新作の「風立ちぬ」の構想から完成に至るまでの

壮絶さは言語に絶するものがありました。

もっと楽に仕事をしようと思えばできると思うんですが、

それを許さない想いやこだわりがあるのでしょう。


「風立ちぬ」に出てくる関東大震災のシーンでは、

わずか4秒ほどのカットに1年3カ月を要したとのこと。


「人が避難するときにこんなふうに荷物は持たない」、

「こんな表情はしない」などなど・・・。


戦争の道具となった戦闘機を設計した人物(堀越二郎)を

描いた映画を作ることは、あの戦争を賛美することにはならないか、

その答えを映画の中で出すことも大きな課題だったそうです。

それに対して、悪戦苦闘する姿も映しだされていました。

ある程度の所での妥協と言うのはないんですね。


「創造する」仕事と言うのは、元来しんどいものです。

日常のルーティン業務ではあれば、体力的なしんどさはあっても、

こんなに神経をすり減らすほどのしんどさはないでしょう。


宮崎駿監督の場合は、

神経をすり減らすってレベルじゃなく、

魂を削りながらって表現の方が、まだフィットする感じ。

この表現でもまだ足りないぐらい・・・。


あれだけ凄まじい仕事の仕方してたら、

「この作品を最後に引退します」っていうのもうなづけます。

「こんなしんどい思いしたくない」って思っても全然不思議じゃないです。


私も社員教育の進め方を考えたり、こうして文章を書いたり、

それなりに「創造的な仕事」に臨むことがあるわけですが、

確かにしんどいときがあります。


でも、宮崎駿監督ほどのしんどさを体験しているか、

と言われれば、答えは恥ずかしながら「No」でしょうね。

しかも、その差はめちゃくちゃ大きい。


まだまだ宮崎駿監督に比べれば、仕事への情熱も、

使命感も責任感も足りないのかもしれません。


そもそも「無から有を作り出す創造のレベル」が、

違い過ぎるのかもしれない・・・。


じゃあ、宮崎駿監督ぐらいの苦しい仕事をしてみたいかと言われれば、

あんなふうに仕事をしてみたいという理想や憧れはあっても、

「あそこまでしなくても」という気がしてしまうのも正直なところです。


ただ、番組の最後に宮崎駿監督が言っていた、

以下の言葉については、自分も同じ思いで、

もっともっと自分のできる範囲で、

できるだけの力を振り絞って、

仕事に臨んでいくよう、自分を律しきっていきたいし、

そうしていく自信もあります。


以下、宮崎駿監督の言っていたこと。

『人が生きていくって言うのはね。力を尽くしていきなさいって言うね。

堪(たふ)る限りの力を尽くしていきなさいって。

自分たちに与えられた自分たちの範囲で、

自分たちの時代に堪(たふ)る限りに力を尽くして

生きるしかないんです。』


最後になりますが、番組の途中で、

正確にどういっていたかは覚えていませんが、

ニュアンスとしては、こんなことも言っていました。


「映画って作りたくなってしまうんだよね」って。


また作りたくなったら、引退宣言を破棄して、

復帰するかもしれませんね。

それを非難する人はいないんじゃないかな。


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