SONYの敗因~それでもやっぱりSONYが好き
唐突ですが、私、昔からなぜかSONY製品を選んでしまうんです。
SONYファンって言えば、SONYファンです。
中学校の時のエアチェック(完全に死後!)用カセットテープは、
完全にSONY一色でしたし、
ビデオデッキも最初は、VHSではなく、ベータでした。
ちなみに、カセットテープは、AHF、BHFが愛用で、
メタルタイプが高くて買えなかったのを覚えてます。
もちろんウォークマンもいくつか持ってました。
今でも、テレビはBRAVIAですし、
iPodではなく、ウォークマンを携帯しています。
(iPodも使ったことがあるんですが、
個人的には、ウォークマンの方が
断然使いやすいと思うんですけどねぇ~)
部屋にあるCDプレーヤーも当然、SONY。
(ちなみに、このCDプレーヤー、カセットテープも再生できます)
そんな、私の大好きなSONYがAppleに負け、サムスンに負け、
苦境に立たされているというのは、
なんとも寂しいことです・・・。
製造業に限らず、日本の本当の復活は、
SONYが復活しなければ、
ありえないのではないかと勝手に思っています。
と、完全に個人的な話からスタートしましたが、
先日、再放送されていたNHKスペシャル
「メイド・イン・ジャパン逆襲のシナリオ第1回」、
非常に興味深い内容でした。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1027/
先行していたはずのSONYが、
なぜAppleの後塵を配することになってしまったのか、
その原因を分析していました。
様々な原因がある中、ひとつ興味深かったのは、
SONYの組織風土についてのこと。
元SONY社長の出井伸之氏は、AppleがiPodを発売する2年前に、
将来、ネットから楽曲をダウンロードする時代が来ることを
完全に見通していて、SONYは、MSウォークマンを発表していたのです。
2年も先んじていたにも関わらず、AppleのiPodに負けてしまったのは、
何が原因だったのか?
番組の中では、敗因の一つを次のように分析していました。
「SONYの縦割り組織が、柔軟性を欠いた」
米ソニー・ミュージック・エンターテイメントの元社長
アンディ・ラック氏が取材に答えた次のコメントが印象的でした。
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「ソニーはとても縦割りな会社です。お互いのコミュニケーションもない。
私がソニー・ミュージックのトップとして在籍していた長い期間を通して、
東京に行って、技術部門の人や製品開発の人とたったの一度も
話し合ったことはありません。
出井さんは私よりもこの問題の重要さを分かっていたと思いますが、
彼のやりたいことは日本の組織構造や企業文化の中では
難しかったでしょう」
(以上)
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社長の立場であっても、やりたいことができなかった縦割り組織・・・。
出井氏は、当然MSウォークマンを広げるため、
多くのミュージシャンの楽曲をダウンロードできるようにしたかった。
しかし、音楽部門は、SONYと契約しているミュージシャンだけに
有利に働くようにしたかった。
縦割りであり、全体最適の視点ではなく、
自部門の部分最適の視点でしか考えられない風土。
それが大きな敗因になったのでしょう。
改めて、思いました。
うまくいっている会社とうまくいっていない会社との違いは、
「全体最適の視点を持って、
部門間のコミュニケーションがどれだけ取れているか」だと。
部門間での会議が開かれ、お互いの期待や貢献できることを
しっかりと伝えあえて、調整できているかどうか。
ちなみに、この点、トヨタ自動車は、
しっかりした考え方を持っているように感じるのです。
トヨタには、「後工程はお客さま」という考え方があります。
決して、お金をいただくところだけがお客様ではなく、
自分の行った仕事を受け取ってくれる人たちが、お客様です。
お客様ですから、いかにそのお客様のニーズを把握し、
その期待に応えるかが大事なわけです。
そのお客様である後工程が、
自部門にどんなことを期待してくれているのか、
どんな要望があるのかを膝を付き合わせて、話し合う。
それが仕組みになっているんですね。
これがトヨタの強さの一つだと思います。
いかに、他部門と話をするか、
さらにその時に、いかに部分最適ではなく、全体最適の
視点で話ができるか、それが組織全体の力につながっていきます。