コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

リーダーのやせ我慢は美学じゃない

●驚愕の一言

今年の新入社員研修ですこし驚いたことがあります。

「10年後、どんな人材になっていたいか?」

という問いかけに対して、こんな答えをした新入社員がいます。

「後輩からもあだ名で呼んでもらえる人になりたい」。

えぇ?!後輩からあだ名で?

先輩や上司からじゃなく?後輩から?


「はい、大学のときにも、後輩からあだ名で呼んでもらってましたし、

あだ名で呼んでもらえるというのは、信頼関係の証だと思います」。


マジでジェネレーションギャップを感じた瞬間でした。

もちろんみんながみんなそうだとは言いませんが、

若い世代は、上下の関係はフラットであることを

望んでいるんでしょうか?


●別のところでも・・・

先日のNHKで「新型うつ」に関する

一般人と専門家を含めた討論があり、

こんなやり取りがありました。

(※文末に、参考までではありますが、

以下のやり取りの全文を掲載してあります)


ある会社経営者が、自分の心境を語ります。

「自分自身がうつになったらどうしようという恐怖は常にあります。

だから、自分が強くなきゃいけないといつも考えている。

正直辛い。でも、だからといって自分が辛いと社員に言うことはない」。


それに対して、ジャーナリストの江口紹子が、

「辛いって言うことを言ったらどうかな?」と。


すると、一人の女性会社員(多分20代)が、

こう発言してきました。


「私は言ってほしいですね。

私と結局同じところもあるんだなというところで、

なんか共感できる部分があったほうがいいかなと思って」。


えぇ~っ!? 社員の前で、

「辛いわぁ~、しんどいわぁ~、やめたいわぁ~」

って言う社長に共感できちゃうわけぇ~?

やせ我慢するのが、男の美学じゃなかったの?

教えてくれぇ、ボギー!


●栗林中将の訓示

山岡荘八が書いた「小説太平洋戦争」の第7巻、

硫黄島の戦いの章で、栗林中将が玉砕覚悟の最後の突撃前に、

訓示を述べるシーンがあります。


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こうしてすべての準備を完了したのが17日の夜半。

階級章、重要書類、私物などを焼却したのち、

洞窟内の全員にコップ一杯ずつの酒と恩賜の煙草二本ずつを配ったあとで、

中将は軍刀の柄を握りしめて最後の訓示をしていった。

「…たとえ草を噛み、石をかじり、野に伏すとも断じて戦う!

この断じて戦うところに死中おのずから活あるを信ずる。

事ここに至っては一人百殺!これ以外にない。

本職は諸君の忠誠を信じている。私のあとに続いて下さい!」

戦とは、そして指揮官とは、何という悲しいものであろうか…

死出の旅にもなおかつ凛然として不敗の信念を説くのでなければ

統率はできないのだ。

ここでもしも人情味あふるる普通人の姿を見せては、

すべてが戦うどころか、いちどに闘志は雲散霧消、

収拾できない混乱をまき起こしてゆくのだ。

いや、これはあながち軍人だけのことではない。

われらの日常生活にも、

この出陣のおりの気概はつねに統率者には必要欠くべからざる条件なのだ。

(以上)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうした意地でも自分を律するリーダーが、

求められる時代ではなくなったんでしょうかね?


浮かばれないのは、「やせ我慢」している今の経営者ですね。

辛い顔を見せずにがんばっているのに、

実は、社員からすると、辛いといってもらったほうが、共感が持てて、

好感を持ってもらえるなんて・・・。


でも、まぁ、そうは言いつつも、

やっぱり「やせ我慢」するリーダーの方が、

最後の最後は信頼されると思うんですけどね。

そう信じたいです・・・。


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以下、NHKスペシャル「新型うつが職場を襲う」の

討論会の場面のやり取りの一部を掲載します。


新型うつの専門化が、「若者に適した職場を提供すれば、

うつは防げる」と発言したことに対して。


輸入家具販売会社の経営者 藤井さん

「ただ、そこまで甘く考えるのは、

その若者たちを許容するのは、

いかがなものかというのは正直感じます。

今はうつにかかった方を中心に、議論されていますけれども、

結局うつになっていない人たちもたくさんいて、

その人たちに全ての負荷が今かかっているというのも

現実であるということは忘れてほしくないですよね。

それは、会社の経営にも全てにのしかかっていることも間違いない。

社会を弱くしているのも間違いないということだけは」。


法政大学教授の尾木直樹さん

「その考えが、もう時代遅れだと思うんですよ。

えぇ、そうじゃないと思うの。

それを変えてかなくてはいけなくて。

会社があってじゃなくって、労働の質の問題なんですよ。

会社の問題じゃなくて。

日本は会社で考えちゃうから、

今藤井さんがおっしゃったような考えになっちゃうんですよ。

藤井さんの考えでいったら、藤井さんが今度うつになっちゃうよ」。


藤井さん

「いや、だからね僕も、

常にね僕がうつになったらどうしようっていう恐怖は常にあるんですよ。

だから、僕が強くなきゃって言うのは常に思っていますね。

後は自分が辛いとかというのも言わない」。


江口紹子

「辛いって言うことを言ったらどうかな?」


女性会社員20代

「私は言ってほしいですね。

私と結局同じところもあるんだなというところで、

なんか共感できる部分があったほうがいいかなと思って」。


藤井さん

「言った方がいいのかな?

言わないで、僕がここを支えているというのが彼等に安心感を与えると、

逆にずっと思って。自分も正直辛いですよ、そりゃあ」。



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