「なぜ?」ではなく「せっかく」で伝える
とある上司と部下の会話。
部下からの報告を聞いている場面です。
(前後の脈絡は置いといてください)
部下:今週発生した不良件数と内容を
関係部署に伝えました。
上司:ありがとう。
で、関係部署に伝えて、そのあと
ちゃんとそれぞれの部署が動いてくれているか、
確認してくれてる?
部下:いえ、それはできてません。
上司:なぜ、確認しないの?
伝えるだけが○○さんの仕事じゃないでしょ。
それぞれの部署が動きやすいようにフォローすること、
動いてくれているかどうかちゃんと確認すること、
それをやらなかったら仕事しているとは言えないよ。
ちゃんと確認しておいてよ。
今年7月から今月までの半年間かけて、
私のとあるクライアントさん(製造業)で
「係長の問題解決力と面談力を高める」
ってことで支援をさせていただきました。
対象の係長さんは10名。
全員が全員、面談力が劇的に変わったかと
言われたら、それはなかなか難しいところですが、
みなさん、なんらかのレベルアップは
してもらえたと思います。
その中でもものすごく成長を
感じさせてくれる方がいらっしゃいました。
半年間の最終回で、
実際の部下と面談をしていただいたのですが、
冒頭の上司と部下の会話は、
実際には以下のように進めていただけました。
部下:今週発生した不良件数の報告と内容を
関係部署に伝えました。
上司:ありがとう。
で、関係部署に伝えて、そのあと
ちゃんとそれぞれの部署が動いてくれているか、
確認してくれてる?
部下:いえ、それはできてません。
上司:なるほど、確認まではできてないってことね。
○○さん、頑張って不良件数と内容をまとめて、
報告してくれているよね。
それだけでもすごいことだと思うんだけどさ、
せっかく苦労して関係部署に伝えてくれてるんだから、
それぞれの部署が動きやすいようにフォローすること、
動いてくれているかどうかちゃんと確認することまで
やらないともったいないよね。
どうやって確認したらいいと思う?
部下に動いてもらいたいことは同じ。
でも、その伝え方は違っています。
どちらの伝え方の方が、相手(部下)に
行動を促しやすいかどうかは、
部下次第ではあります。
冒頭のような伝えられ方をしたほうが、
「なにくそ」と思って、行動を起こす部下も
いるかもしれません。
が、概して、
上司から自分の仕事の粗を指摘され、
叱責されながら、伝えられても、、
部下として「がんばって行動しよう」という
気持ちにはなりにくいと思います。
後者のように部下の労をねぎらいながら、
やるべきことを伝えられたほうが
「上司の言うとおりにやってみよう」
って気にさせられるのではないでしょうか?
ポイントになるキーワードは、
「せっかく」と「もったいない」。
「せっかく○○な苦労をしてくれているのに、
××をしないなんてもったいない」
この言い方、覚えておけると
かなり重宝します。
ちなみに、私はクライアント企業さんとの
会話では多用しています。
「現場の安全パトロールをしているなら、
なんで、その結果を横展開しないんですか?
横展開しないのなら、意味ないですよ」
ではなく、
「現場の安全パトロールをされているんですね。
それってスゴイことですよ。
なかなか継続できないです。
で、せっかくそれができているんですから、
パトロール結果の横展開もできるといいですよね。
横展開しないなんてもったいない気がします」。
「営業会議で成功事例の報告をさせているなら、
なんで、それを使える形に汎用化させないんですか?
なぜ、それを文書として残しておかないんですか?
それをしないなら報告させても意味ないですよ。
時間の無駄です」
ではなく、
「営業会議で成功事例の報告をさせているんですね。
成功事例を話せる機会があるってのは
部下にとってもモチベーション上がりますよね。
せっかく成功事例を話させているなら、
他の人が使えるように汎用化し
文書として残しておけるといいですよね」
って。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
①相手がやれていることを見つける。
②それがやれていることを称賛する。
③「せっかく○○がやれているのに、
××しないのはもったいない」
の構文で行動を促したいことを伝える。
やれていないことを行動につなげさせたいと思ったら、
こんな感じで伝えてみてください。
きっと今までと違った反応を部下から
得られると思います。
追伸:
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