コラム - 人材育成のルール

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人材育成のルール

生成AIに経営戦略を考えさせてみた

先日、とある企業さん(建設業)で、
全社員を対象とした研修を行いました。

そこでちょっと考えさせられることが
ありまして・・・

今回のコラムではそのことについて
お話をしたいと思います。

全社員研修、総勢52名。

新入社員から経営トップまでが
参加しての研修で、
この企業さんにとっては、
1年に1回の一大イベントでした。

ちなみに、この企業さんとは
昨年ご縁をいただきまして、
今年は2回目の全社員研修になります。


テーマは、
「仕事に戦略的思考を取り入れる」で、
昨年の研修の続編的な位置づけ。


今回の研修、従来の研修とは少々
趣を異にした進め方でした。

どう異なっていたかと言いますと・・・

研修の場で全社員が自分のスマホなり
タブレット、PCを取り出し、
生成AIをフルに活用して、
自社の事業戦略を社員自身で策定してみよう、
という進め方でした。


今までの研修では、
自力で考えてもらっていたことを
生成AIを使って答えを出していく、
そんなコンセプト。

で、そんな研修で、私が感じたことを
お伝えしたいのですが、
その前に、戦略的思考とはどのような思考なのか、
についてお伝えしておきたいと思います。

その方が、私が感じたことを
お伝えしやすくなると思うので。

研修の中で私が伝えたのは、
以下の通り。

『戦略とは、読んで字のごとく、
「戦いを略すること」。

言い換えると「絞ること」。
「絞る」すなわち「捨てること」。

例えば、経営戦略で言えば、
誰を喜ばせるかを絞る。

そのうえで、その人をどんなことで
喜ばせるのかを絞る。

ただ、絞るときには、
自分勝手に絞ればいいということではなく、
自社の強みが最も活かせる人は誰で、
強みが最も活かせる喜ばせ方は何か、を考える。

更に、世の中の環境変化は
どうなっているのかを考えて、
誰を、どのように喜ばせるかを絞る』。

研修の場では、
こんな感じでお伝えしていました。

そのうえで、今回の研修では、
5~6人のグループに分かれて、
事業戦略として、新市場開拓戦略を
考えてもらいました。

自分たちが既に持っているサービスを
まだ顧客になっていない市場に
提供できるようにする「新市場開拓戦略」。

そして、その際に生成AIを
バリバリ活用していただいたわけです。

総じて若手社員のほうが
日ごろから使っているようで、
年配社員をリードしていた感はありましたが、
決して、年配社員が全く生成AIに拒否反応を
示していたわけではありません。

楽しんで活用されている様子が伝わってきました。

生成AIに自社のホームページや
社内報などを学習させたうえで、

「うちの強みにはどんなことがある?」

「この市場に参入する場合、
 どんな環境変化を考慮すべき?」

「機会と脅威には何がある?」

等々、生成AIに聞いていく。

ちなみに「自社の強み」に関していうと、
これはもう仕方ないことですが、
生成AIを使う前に、自分たちで挙げた強みよりも、
より多くの強みを生成AIが挙げてくれるわけです。

社員さんにとっては、
「なるほどなぁ、
こういうのもうちの強みなのかぁ」と
自分たちが気づいていないような強みも
挙げてくれるわけです。

研修の企画側からすると、
今回、生成AIを使うことの一つの狙いが
この辺りにありました。

「自分たちの強みに
もっと気付いてほしい」という、
その狙い通りになったわけです。

で、そんな生成AIに頼りつつも自分たちで
アウトプットした事業戦略、
どんな結果になったかというと・・・

わずか3時間ほどで、
『経営戦略、初めて考えました』
という社員さんたちが、
それなりの事業戦略を
アウトプットできたのです。

もちろん、
「こりゃ、すごいなぁ。こんなことが実現できたら、
考えただけでなんかワクワクしてきますね!」って
レベルではありませんでした。

が、それでも、生成AIを使うことで、
それなりの戦略をアウトプットすることが
できたのは事実。

で、このアウトプットを見ていて感じたのは・・・

「こりゃ、戦略コンサルタントとか
いらなくなるんじゃないか・・・」
ということと・・・

同時に、
『生成AIを使えば、
それなりの事業戦略はできる。
しかし、そのレベル感を高めるためには、
生成AIを使えればいいというわけではない。

高いレベルのアウトプットを出そうとしたら、
その分野において(今回で言えば、経営戦略の策定)、
それなりの知識が必要だろう』
ということ。

今回、社員さんたちが
それなりの戦略を構築できたのは、

生成AIを使って答えを出していくための
戦略策定フレームを、
私の方から示していたからだと思います。

戦略策定フレームを知らずに、
「とにかく新市場に進出したいんで、
そのための事業戦略を考えて!」では、
実情に沿った事業戦略は
アウトプットできなかったはずです。

その戦略策定フレームを使ったからこそ、
生成AIに対しても、適切な質問ができ、
それなりのアウトプットを出せたのだと思います。

更にレベルの高いアウトプットを
生成AIに出させようとしたら、
もっと経営戦略に関する知識を持っている
必要があるのだろうと思います。

生成AIが普通に使われる時代になっても、
知識が不要になるわけではありません。

むしろ、知識がある人ほど
生成AIをうまく使いこなせる。

そんな時代になったのだと思います。

今回の研修の最後には、会社の戦略ではなく、
自分自身の戦略も考えていただきました。

自分の強みは何か、
最も喜ばせたい人・組織は誰か、
その人は何を期待しているのか、
その期待にどう応えるのか、
そのために、何を学び、何を身につけるのか。

あれもこれもではなく、「これ!」に絞る。

個人戦略も生成AIに頼りつつ、
作成いただきました。

生成AIが普通に業務に使われる時代です。

そんな時代で、大切なのは、
生成AIから良い答えを引き出すための
知識や崇高な考え方を持つこと
なのではないかと思います。

そんなことを、今回の研修を通じて
改めて感じた次第です。


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